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中編
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それはアルメルの十八歳の誕生日を迎えて少し経った頃だった。学園からの入学祝いのメッセージを手に持ったアルメルが顔を青くしながら騒ぎ始めた。
「も、も、もうすぐ学園生活がスタートしてしまう~!」
七歳の頃から変わらない突拍子の無さでアルメルが叫ぶ。もうあれから十年以上経つのに、と苦笑してしまう。全然変わらなくて取り繕わないところもアルメルのいいところだけど。
「学園、嫌なの? みんな楽しいって言ってるのに」
僕たちの国では十八歳以上の貴族は学園に入学する資格を得る。全員が通うわけではない、お金も掛かるので、何人も子どもがいると全員を通わせるのは無理、という家もかなりある。
僕は男爵家の三男坊なので普通ならば入学は諦めるところだが、父が僕の優秀さとアルメルの友人であることを理由になんとかお金は用意してくれた。そのせいでうちは二人のメイドと一人の庭師を解雇することになり、食事も少し貧相になったので兄からは恨まれている。だけどアルメルと同時期に入学できることになった嬉しさから、兄の怖い目つきなど全然無視することができる。
ちなみにアルメルの少し先に十八歳になった僕はアルメルに盛大に祝ってもらった。アルメルの誕生日にもできる限りのことはしたが、正直アルメルの開いたパーティーのあの豪華さと破天荒さに敵うわけもなかった。そんな僕のお祝いでもアルメルは十分喜んでくれたわけだが。
「そりゃ学園は私だって楽しみだよ? とうとうキャラクターたちに会えるんだ~って思うし。まあ既に会ってる人はいるけど、やっぱり学園内じゃないと気楽にってわけにはいかないから挨拶程度だし」
「……じゃあ、何が嫌なの?」
「だって悪役令嬢アルメルって、入学早々王子と婚約するんだもの。そりゃ、できるだけ避けたいと思ってるけど、でもそれはもう主人公でも止められないゲームの中のお約束なの!」
アルメルが本気な顔をして言うので、王子と婚約されるのは確かに困るな……と真剣に考えてしまう。
昔からこの王子と婚約、ということはちらほら口にしていたのだけど、まあ貴族の令嬢はみんな一度は憧れることだし、と実のところ聞き流していた。
でも最近になってアルメルが王子と婚約するというのはあながち突拍子もない話ではないと僕も気づき始めた。
「王子以外の人と婚約してれば王子との婚約は絶対あり得ないと思って、誰かから婚約の申し出がないか待ってたのに全然こないし……絶対昔のイメージのままなんだよぉ。めちゃくちゃ冷たくて怖い、究極の悪役令嬢!」
「……世間の見る目がないね」
「えへへ、ありがとう……じゃなくて! どうしよう~! 私の悪役イメージ全然解消されてないっぽいのはなんでなんで?」
それは僕とばっかり遊んでて、堅苦しいのは苦手だからってろくに社交をしてないせいだと思う……とは言わないが。
そもそもアルメルに婚約の申し出があったらどうにかして裏から揉み消す。アルメルには悪いけど、僕はそういう人間だ。アルメルは知らないだろうが。
というか他の人間から婚約の申し出がないかって期待してたの? 僕と婚約のこの字も出さないで遊んでた時に? ふーん。
「……アルメルは王子と結婚するのは嫌なの?」
アルメルは公爵令嬢だ。そして性格のことを噂されているせいで十八になっても誰とも婚約していない。
先代国王の時代に揉め事があったせいもあり未だ我が国の第二王子には婚約者がいない。第二王子とアルメルと婚約するのは何もおかしな話ではないだろう。アルメルにはそれだけの身分がある。男爵家の三男坊の僕とは違って……
「したくないわ! 嫌よ! だって処刑されちゃうのよ!?」
アルメルのよく言ってる、好きな『げーむ』の中に出てくる『あくやくれいじょう』は『はめつ』するってやつだろう。
いや第二王子はアルメルみたいにちょっと変わってると噂の人だとはいえ、優しく真っ当な人間である公爵令嬢を処刑することはないと思うが……いや多少性格に難があってもそんなことしないだろ、公爵令嬢だぞ、国の問題になる。
でもアルメルが王子を求めていないなら、こんなに嬉しいことはない。
「ねえ、ジルはどうすればいいと思う?」
「どうって?」
「だから、王子と婚約したくないの。どうしたら避けられる?」
上目遣いで尋ねられて、僕はめちゃくちゃ可愛いな、と思いながら平静を装う。この十年で絶対顔面の筋肉は鍛え上げられていると思う。
「アルメルの言う通り、王子と婚約する前に、他に婚約者を作るのが一番いいと思うよ。なんなら僕がいいと思う人を言ってもいいし」
なんてことないふうを装って言う。本当はものすごく意図があっての発言だけど。たった今ふと思いついたことを言いました、という顔をして言うとアルメルはパッと目を輝かせた。
「ほんと? 紹介してくれるの?」
無邪気に聞いてくるのでほんの少しの罪悪感が湧くけど今更後には引けないし、そもそもアルメルを諦めたくない。
「僕とかどう?」
ずっとアルメルのことが好きだった。多分出会ったあの日から惹かれていた。あの時の僕は気づいていなかったけど、きっと恋をしていた。
僕では身分が足りないことも、アルメルは僕のことを友達としか思ってないこともわかってる。それでもアルメルのことが好きで、結婚したいと強く思っている。
というか僕しかいないと思ってほしい。アルメルの「マヨネーズが無い料理なんて耐えられないー! でも作り方一ミリもわかんないー!」という一から十まで何もかも意味不明な嘆きを真面目に慰めて新しい調味料を生み出した僕ほどアルメルに付き合える人間っていないと思う。ちなみにその調味料は王族にも献上される出来となって父上が咽び泣いた。閑話休題。
珍しくアルメルが本気で照れたような顔をして僕を見てきた。脈がないわけではない、と思いたい切実に。ちょっとは意識してもらいたい。
「え、あ、う、うん、なるほど。いいかもしれないわ! でもお父さまは許すかしら。あのね、お父さまは私の結婚相手は私が絶対に幸せになれる人しかダメっていうの。つまりね、あのね、ジルはとってもいい人だし、私も大好きだけれど、その、男爵家の人間でしょう? だから……」
もごもごと言いにくそうに言われる。まあそれはそうだ。身分が違いすぎる。というか年頃になっても当たり前みたいにアルメルと二人でいられるのも身分が違いすぎて、畏れ多くて何もできないだろうと思われてるところがある。
しかしアルメル自身は僕と結婚するのも別に構わないと思ってくれているらしいというのは素直に嬉しい。父親が反対するからという理由でやんわり断られているなら泣くが。
「それなら、既成事実を作っちゃえばいいんじゃないの?」
「既成事実?」
「そう。アルメルのお父さまも絶対に結婚を許さざるを得なくなることを僕らでしちゃえばいいんだよ」
まあアルメルの父親に気に入られるようにこの十年努力してきたわけだが、それは今はとりあえず横に置いておく。既成事実は大事だし。
「いいわね! してちょうだい、ジル!」
「……ほんとに? 嫌じゃない?」
「よくわからないけど、大丈夫よ!」
よくわからないことには大丈夫って言わない方がいいよ、と後で言っておこうと思う、危なすぎるから。でも今は言わない。アルメルが「いいよ」と言ってくれたうちにしたいから。それが意味を知らずに言ったことだとしても。
「後から怒ってもいいよ」
「え?」
「絶対しあわせにするから、それまではずっと怒っていい」
不思議そうな顔をするアルメルの手を握る。挨拶で跪いて手の甲に触れる時の軽やかさとは違う、重く刷り込むように僕の欲で触れた。
「も、も、もうすぐ学園生活がスタートしてしまう~!」
七歳の頃から変わらない突拍子の無さでアルメルが叫ぶ。もうあれから十年以上経つのに、と苦笑してしまう。全然変わらなくて取り繕わないところもアルメルのいいところだけど。
「学園、嫌なの? みんな楽しいって言ってるのに」
僕たちの国では十八歳以上の貴族は学園に入学する資格を得る。全員が通うわけではない、お金も掛かるので、何人も子どもがいると全員を通わせるのは無理、という家もかなりある。
僕は男爵家の三男坊なので普通ならば入学は諦めるところだが、父が僕の優秀さとアルメルの友人であることを理由になんとかお金は用意してくれた。そのせいでうちは二人のメイドと一人の庭師を解雇することになり、食事も少し貧相になったので兄からは恨まれている。だけどアルメルと同時期に入学できることになった嬉しさから、兄の怖い目つきなど全然無視することができる。
ちなみにアルメルの少し先に十八歳になった僕はアルメルに盛大に祝ってもらった。アルメルの誕生日にもできる限りのことはしたが、正直アルメルの開いたパーティーのあの豪華さと破天荒さに敵うわけもなかった。そんな僕のお祝いでもアルメルは十分喜んでくれたわけだが。
「そりゃ学園は私だって楽しみだよ? とうとうキャラクターたちに会えるんだ~って思うし。まあ既に会ってる人はいるけど、やっぱり学園内じゃないと気楽にってわけにはいかないから挨拶程度だし」
「……じゃあ、何が嫌なの?」
「だって悪役令嬢アルメルって、入学早々王子と婚約するんだもの。そりゃ、できるだけ避けたいと思ってるけど、でもそれはもう主人公でも止められないゲームの中のお約束なの!」
アルメルが本気な顔をして言うので、王子と婚約されるのは確かに困るな……と真剣に考えてしまう。
昔からこの王子と婚約、ということはちらほら口にしていたのだけど、まあ貴族の令嬢はみんな一度は憧れることだし、と実のところ聞き流していた。
でも最近になってアルメルが王子と婚約するというのはあながち突拍子もない話ではないと僕も気づき始めた。
「王子以外の人と婚約してれば王子との婚約は絶対あり得ないと思って、誰かから婚約の申し出がないか待ってたのに全然こないし……絶対昔のイメージのままなんだよぉ。めちゃくちゃ冷たくて怖い、究極の悪役令嬢!」
「……世間の見る目がないね」
「えへへ、ありがとう……じゃなくて! どうしよう~! 私の悪役イメージ全然解消されてないっぽいのはなんでなんで?」
それは僕とばっかり遊んでて、堅苦しいのは苦手だからってろくに社交をしてないせいだと思う……とは言わないが。
そもそもアルメルに婚約の申し出があったらどうにかして裏から揉み消す。アルメルには悪いけど、僕はそういう人間だ。アルメルは知らないだろうが。
というか他の人間から婚約の申し出がないかって期待してたの? 僕と婚約のこの字も出さないで遊んでた時に? ふーん。
「……アルメルは王子と結婚するのは嫌なの?」
アルメルは公爵令嬢だ。そして性格のことを噂されているせいで十八になっても誰とも婚約していない。
先代国王の時代に揉め事があったせいもあり未だ我が国の第二王子には婚約者がいない。第二王子とアルメルと婚約するのは何もおかしな話ではないだろう。アルメルにはそれだけの身分がある。男爵家の三男坊の僕とは違って……
「したくないわ! 嫌よ! だって処刑されちゃうのよ!?」
アルメルのよく言ってる、好きな『げーむ』の中に出てくる『あくやくれいじょう』は『はめつ』するってやつだろう。
いや第二王子はアルメルみたいにちょっと変わってると噂の人だとはいえ、優しく真っ当な人間である公爵令嬢を処刑することはないと思うが……いや多少性格に難があってもそんなことしないだろ、公爵令嬢だぞ、国の問題になる。
でもアルメルが王子を求めていないなら、こんなに嬉しいことはない。
「ねえ、ジルはどうすればいいと思う?」
「どうって?」
「だから、王子と婚約したくないの。どうしたら避けられる?」
上目遣いで尋ねられて、僕はめちゃくちゃ可愛いな、と思いながら平静を装う。この十年で絶対顔面の筋肉は鍛え上げられていると思う。
「アルメルの言う通り、王子と婚約する前に、他に婚約者を作るのが一番いいと思うよ。なんなら僕がいいと思う人を言ってもいいし」
なんてことないふうを装って言う。本当はものすごく意図があっての発言だけど。たった今ふと思いついたことを言いました、という顔をして言うとアルメルはパッと目を輝かせた。
「ほんと? 紹介してくれるの?」
無邪気に聞いてくるのでほんの少しの罪悪感が湧くけど今更後には引けないし、そもそもアルメルを諦めたくない。
「僕とかどう?」
ずっとアルメルのことが好きだった。多分出会ったあの日から惹かれていた。あの時の僕は気づいていなかったけど、きっと恋をしていた。
僕では身分が足りないことも、アルメルは僕のことを友達としか思ってないこともわかってる。それでもアルメルのことが好きで、結婚したいと強く思っている。
というか僕しかいないと思ってほしい。アルメルの「マヨネーズが無い料理なんて耐えられないー! でも作り方一ミリもわかんないー!」という一から十まで何もかも意味不明な嘆きを真面目に慰めて新しい調味料を生み出した僕ほどアルメルに付き合える人間っていないと思う。ちなみにその調味料は王族にも献上される出来となって父上が咽び泣いた。閑話休題。
珍しくアルメルが本気で照れたような顔をして僕を見てきた。脈がないわけではない、と思いたい切実に。ちょっとは意識してもらいたい。
「え、あ、う、うん、なるほど。いいかもしれないわ! でもお父さまは許すかしら。あのね、お父さまは私の結婚相手は私が絶対に幸せになれる人しかダメっていうの。つまりね、あのね、ジルはとってもいい人だし、私も大好きだけれど、その、男爵家の人間でしょう? だから……」
もごもごと言いにくそうに言われる。まあそれはそうだ。身分が違いすぎる。というか年頃になっても当たり前みたいにアルメルと二人でいられるのも身分が違いすぎて、畏れ多くて何もできないだろうと思われてるところがある。
しかしアルメル自身は僕と結婚するのも別に構わないと思ってくれているらしいというのは素直に嬉しい。父親が反対するからという理由でやんわり断られているなら泣くが。
「それなら、既成事実を作っちゃえばいいんじゃないの?」
「既成事実?」
「そう。アルメルのお父さまも絶対に結婚を許さざるを得なくなることを僕らでしちゃえばいいんだよ」
まあアルメルの父親に気に入られるようにこの十年努力してきたわけだが、それは今はとりあえず横に置いておく。既成事実は大事だし。
「いいわね! してちょうだい、ジル!」
「……ほんとに? 嫌じゃない?」
「よくわからないけど、大丈夫よ!」
よくわからないことには大丈夫って言わない方がいいよ、と後で言っておこうと思う、危なすぎるから。でも今は言わない。アルメルが「いいよ」と言ってくれたうちにしたいから。それが意味を知らずに言ったことだとしても。
「後から怒ってもいいよ」
「え?」
「絶対しあわせにするから、それまではずっと怒っていい」
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