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前編
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アルメル嬢に初めて会ったのは、七歳の頃。父上と共に訪れたパーティーで、僕はアルメル嬢に紹介されることになっていた。
父上はとても緊張していた。なぜかというと、アルメル嬢は男爵家である我が家よりずっと高貴な公爵家の令嬢で、七歳という幼い身でありながら驚くほど聡明で、おまけにものすごくプライドが高いからだそうだ。
僕がもしアルメル嬢の不興を買えば、最悪うちの領地を奪われる……ということになる恐れもある。そのくらいの身分差なのだ。
頼むから怒らせるな、いい子にしてろ、アルメル嬢の言うことは全部聞け、と父上に言い聞かせられていると僕も段々と緊張してきた。人生で一番緊張したかもしれない。
だから大人びた清楚なドレスを身に纏い、淑やかに紅茶を口にするアルメル嬢を前にして、いつものような振る舞いができなくなってしまったのは仕方ないと思う。父上が脅かし過ぎたせいだ。
「はじめまして、お会いできて光栄です」
そう挨拶をしていたときに緊張でうっかり躓いてしまい、誤ってアルメル嬢をドンッと押してしまったのだ。
もちろん故意ではない、事故だ。緊張によるミスだ。しかし身分が上の方にするには許されないミスだと僕でもわかった。
アルメル嬢は目を丸くしながら、バタンッと床に転んでしまう。頭をしたたかにぶつけているのが見えた。父が隣で悲鳴を上げている。
あ、僕の人生、終わった……
「お嬢さま!? お嬢さま、しっかりなさってください!」
近くにいたメイドが真っ青になってアルメル嬢に駆け寄っている。
アルメル嬢は小さく唸り、それから目を見開いてバッと起き上がった。
ああ今から僕はどんな目に合わせられるんだろう……謝罪は受け入れてもらえるだろうか……生涯の汚点になるどころか平民落ちすらあり得るな……平民になったらどうしよう、あーせめて農地とか貰えないかな、貰えるといいな……
なんて一周回って冷静に考えてしまっていると、アルメル嬢がいきなりわなわなと震え、自分の手を見つめながら叫んだ。
「わ、わ、わたし、悪役令嬢アルメルじゃないの!」
いぃーやぁー! と叫び出すアルメル嬢に「お、お嬢さま!?」とメイドが動揺している。僕も動揺している。というか多分ここにいる全員が動揺している。
え、なんで叫び出したの? そんなに強く頭を打ったのか? もしかして僕の人生だけでなく父上の人生も終わるのでは?
ていうか、今アルメル嬢はなんて言った? 悪役令嬢? なんだそれ。
「アルメル様! この度は申し訳ありません! うちの愚息が粗相をしてしまい! 本当に申し訳ありません! 息子の不始末は親の不始末! どうか罰は息子にではなく、この私に!」
真っ青な顔で言い募る父上に「おお、いつも兄さん贔屓のこの人も僕のためにこんなこと言ってくれるんだ」とこんな時に思うことではないがちょっと感動してしまう。
父上の言葉を聞いたアルメル嬢はきょとんとした顔で首を振った。さっきまでのとっつきにくいオーラはどこかに吹っ飛んでしまったのか、親しみやすい雰囲気で父上を見ている。
「いいわ、そんなに気にしないで。ちょっと痛いだけだもの。それに子どものすることよ」
怒ったりしないわ、とにっこりと微笑んでいる。言っていることが大人過ぎて混乱する。初対面の子どもに怪我させられそうになったんだぞ? いや僕が言うなって話だが。
というか、本当にこの人はアルメル嬢なのか? 噂と全然違うんだけど。絶対冷たい目をして「どういう躾をなさっているのかしら?」くらいは言うと思っていた。噂なんて信用ならないってことだろうか?
「それより、あなた。そう、あなたよ! 本当にありがとう」
「へ? 僕、ですか?」
「そうよ! 思い出させてくれてありがとう。あなたがいなかったら、十年後には断罪されて処刑コース間違いなしだったわ」
「なに言ってるんだこの人」
思わず口にしてしまっていた。だってなに言ってるんだこの人過ぎたから。父上に「なんて口をきくんだ!」と怒られてしまったけど。
いやでもなに言ってるんだこの人くらい思うだろ。このまま普通に生きてたら同じかそれ以上の身分の人と結婚して幸せになる未来が確定してるような家柄の令嬢でなんで『断罪』だの『処刑』だのが出てくるんだ。
そんなに頭を打ったのか? そうだとしたら罪悪感が出てくる。やっぱり僕の人生終わったのでは? いやもし頭を打って突拍子のないことしか言えない公爵令嬢になってしまったとしたらこの人の人生も終わりかもだが。
「あなた、お名前は?」
「……オドラン家のジルと申します」
「そう、ジル、ジルね。あなたみたいな人いたかしら。覚えてないから少なくとも攻略対象ではないということね。モブなのかしら。モブにしては可愛い顔してるわ」
ふんふんっとなぜか鼻息荒く顔を近づけられる。別に嫌な気はしなかった。
というかそれどころではない。動いて大丈夫なのか? 大怪我をしているのでは? 周りの人も早くこの人を医者に見せた方がいいのでは? 怒られるのが怖くて口を挟めないのか?
「本当にありがとう。私、今度こそ早死にはごめんだわ。まだ七歳だもの、人生これからよ。どうにかできるはず!」
「……まあ人生はこれからですね」
「でしょう? あなたとは話が合いそうだわ」
にこっと微笑みながら手を握られる。綺麗なブロンドの髪が揺れ、透き通るように青い瞳に見つめられて、なぜか一瞬どきりとしてしまう。
「ねえ、私たち、友達になりましょう?」
周りからなぜか歓声が上がった。父上は「よかった、命が繋がった!」と泣いていた。
あと僕は歳より大人びているからもしかしたら何かの間違いでアルメル嬢に気に入られるのではという考えが当たったと喜んでいた。
それは全くの偶然だと思うのでどうか先見の目があるとか勘違いしないでほしい。父上、調子に乗ると一気に失敗するタイプだと思うから。あとそういうことうっかりでもこの場で言わないほうがいいと思う。
「……こちらこそ」
断るという選択肢があるわけもなく、僕は手をそっと握り返した。
何故か胸がどきどきと高鳴る理由をこの時の僕はまだ知らなかった。
***
そんなこんなで僕とアルメルは友達になった。アルメルはしょっちゅう可愛らしい招待状を僕の元に送ってくる。
家に来ないかというお誘いなので、父上はいつも「行きなさい! 今すぐ行きなさい! アルメル様を一秒でも待たせてはいけない!」と背中をぐいぐい押してくる。落ち着いてほしい。
そしてアルメル家に行くと「ジルジルジルー! 待ってたよー!」と盛大に迎えられ、二人でお茶を飲んだりお菓子を食べたり遊んだりする。すごく健全なお友達だ。
アルメルはいきなり「悪役令嬢は断罪されて処刑されちゃうのよ、嫌ー!」とか「なんでみんなそんなに怖がるの!? 私は悪役令嬢みたいな振る舞いしないよ!?」などといきなり意味不明なことを叫ぶようになってしまったので、周りから前とは違った意味で怖がられるようになってしまったらしい。
よって、友達は僕一人しかいないようだった。そのことにへこんでいるようだけど、別に僕がいるからいいんじゃないだろうか……なんて思ってしまう。
「アルメルってこんなに面白いのにね」
僕以外の友達ができないなんて不思議だよね、と言うとさっきまで「このまま性格が悪いっていう噂が広がるっちゃう! そんなの原作のままじゃない!」と意味のわからないことを叫んでいたアルメルはきょとんと目を瞬かせ、それから「えへへ」と可愛らしく笑った。
「そんなこと言ってくれるの、ジルだけよ。お世辞でも嬉しい」
「僕は本当に思ったことしか言わないよ」
「ほんと? へへ、うれしい。ジルみたいに素敵な子がモブだったなんて信じられない。もしいたら絶対攻略してたのに」
またよくわからないことを言ってる。そういうこと言ってるから僕以外の友達ができないんだよ。とは言ってあげないけど。
だってアルメルが変なことを叫ばなくなって、普通のご令嬢みたいな振る舞いができるようになったら、絶対僕以外の友達がたくさんできてしまう。それはちょっと、かなり嫌なので。
「あ、でもヒロインの恋人になったら、私とは友達になれなかったわね。それは困るわ。私、絶対あなたとは仲良くしたいもの」
にこっと笑いながら言われると、「そう」と答えながら紅茶を飲んで赤くなりそうな顔を誤魔化すしかない。
「ジルとずっと仲良しでいるためにも、しっかり破滅を回避しなきゃ!」
むん! と拳を掲げて張り切っているようだ、相変わらず内容はよくわからないけど、アルメルが元気なのはいいことだ。
僕もずっと仲良しでいたいと思ってる、アルメルの思っている友達としての仲良しとは違うけど。
それをいつか伝えていいものなのかも分からず、僕はアルメルの顔を眺めながら紅茶を口にした。
父上はとても緊張していた。なぜかというと、アルメル嬢は男爵家である我が家よりずっと高貴な公爵家の令嬢で、七歳という幼い身でありながら驚くほど聡明で、おまけにものすごくプライドが高いからだそうだ。
僕がもしアルメル嬢の不興を買えば、最悪うちの領地を奪われる……ということになる恐れもある。そのくらいの身分差なのだ。
頼むから怒らせるな、いい子にしてろ、アルメル嬢の言うことは全部聞け、と父上に言い聞かせられていると僕も段々と緊張してきた。人生で一番緊張したかもしれない。
だから大人びた清楚なドレスを身に纏い、淑やかに紅茶を口にするアルメル嬢を前にして、いつものような振る舞いができなくなってしまったのは仕方ないと思う。父上が脅かし過ぎたせいだ。
「はじめまして、お会いできて光栄です」
そう挨拶をしていたときに緊張でうっかり躓いてしまい、誤ってアルメル嬢をドンッと押してしまったのだ。
もちろん故意ではない、事故だ。緊張によるミスだ。しかし身分が上の方にするには許されないミスだと僕でもわかった。
アルメル嬢は目を丸くしながら、バタンッと床に転んでしまう。頭をしたたかにぶつけているのが見えた。父が隣で悲鳴を上げている。
あ、僕の人生、終わった……
「お嬢さま!? お嬢さま、しっかりなさってください!」
近くにいたメイドが真っ青になってアルメル嬢に駆け寄っている。
アルメル嬢は小さく唸り、それから目を見開いてバッと起き上がった。
ああ今から僕はどんな目に合わせられるんだろう……謝罪は受け入れてもらえるだろうか……生涯の汚点になるどころか平民落ちすらあり得るな……平民になったらどうしよう、あーせめて農地とか貰えないかな、貰えるといいな……
なんて一周回って冷静に考えてしまっていると、アルメル嬢がいきなりわなわなと震え、自分の手を見つめながら叫んだ。
「わ、わ、わたし、悪役令嬢アルメルじゃないの!」
いぃーやぁー! と叫び出すアルメル嬢に「お、お嬢さま!?」とメイドが動揺している。僕も動揺している。というか多分ここにいる全員が動揺している。
え、なんで叫び出したの? そんなに強く頭を打ったのか? もしかして僕の人生だけでなく父上の人生も終わるのでは?
ていうか、今アルメル嬢はなんて言った? 悪役令嬢? なんだそれ。
「アルメル様! この度は申し訳ありません! うちの愚息が粗相をしてしまい! 本当に申し訳ありません! 息子の不始末は親の不始末! どうか罰は息子にではなく、この私に!」
真っ青な顔で言い募る父上に「おお、いつも兄さん贔屓のこの人も僕のためにこんなこと言ってくれるんだ」とこんな時に思うことではないがちょっと感動してしまう。
父上の言葉を聞いたアルメル嬢はきょとんとした顔で首を振った。さっきまでのとっつきにくいオーラはどこかに吹っ飛んでしまったのか、親しみやすい雰囲気で父上を見ている。
「いいわ、そんなに気にしないで。ちょっと痛いだけだもの。それに子どものすることよ」
怒ったりしないわ、とにっこりと微笑んでいる。言っていることが大人過ぎて混乱する。初対面の子どもに怪我させられそうになったんだぞ? いや僕が言うなって話だが。
というか、本当にこの人はアルメル嬢なのか? 噂と全然違うんだけど。絶対冷たい目をして「どういう躾をなさっているのかしら?」くらいは言うと思っていた。噂なんて信用ならないってことだろうか?
「それより、あなた。そう、あなたよ! 本当にありがとう」
「へ? 僕、ですか?」
「そうよ! 思い出させてくれてありがとう。あなたがいなかったら、十年後には断罪されて処刑コース間違いなしだったわ」
「なに言ってるんだこの人」
思わず口にしてしまっていた。だってなに言ってるんだこの人過ぎたから。父上に「なんて口をきくんだ!」と怒られてしまったけど。
いやでもなに言ってるんだこの人くらい思うだろ。このまま普通に生きてたら同じかそれ以上の身分の人と結婚して幸せになる未来が確定してるような家柄の令嬢でなんで『断罪』だの『処刑』だのが出てくるんだ。
そんなに頭を打ったのか? そうだとしたら罪悪感が出てくる。やっぱり僕の人生終わったのでは? いやもし頭を打って突拍子のないことしか言えない公爵令嬢になってしまったとしたらこの人の人生も終わりかもだが。
「あなた、お名前は?」
「……オドラン家のジルと申します」
「そう、ジル、ジルね。あなたみたいな人いたかしら。覚えてないから少なくとも攻略対象ではないということね。モブなのかしら。モブにしては可愛い顔してるわ」
ふんふんっとなぜか鼻息荒く顔を近づけられる。別に嫌な気はしなかった。
というかそれどころではない。動いて大丈夫なのか? 大怪我をしているのでは? 周りの人も早くこの人を医者に見せた方がいいのでは? 怒られるのが怖くて口を挟めないのか?
「本当にありがとう。私、今度こそ早死にはごめんだわ。まだ七歳だもの、人生これからよ。どうにかできるはず!」
「……まあ人生はこれからですね」
「でしょう? あなたとは話が合いそうだわ」
にこっと微笑みながら手を握られる。綺麗なブロンドの髪が揺れ、透き通るように青い瞳に見つめられて、なぜか一瞬どきりとしてしまう。
「ねえ、私たち、友達になりましょう?」
周りからなぜか歓声が上がった。父上は「よかった、命が繋がった!」と泣いていた。
あと僕は歳より大人びているからもしかしたら何かの間違いでアルメル嬢に気に入られるのではという考えが当たったと喜んでいた。
それは全くの偶然だと思うのでどうか先見の目があるとか勘違いしないでほしい。父上、調子に乗ると一気に失敗するタイプだと思うから。あとそういうことうっかりでもこの場で言わないほうがいいと思う。
「……こちらこそ」
断るという選択肢があるわけもなく、僕は手をそっと握り返した。
何故か胸がどきどきと高鳴る理由をこの時の僕はまだ知らなかった。
***
そんなこんなで僕とアルメルは友達になった。アルメルはしょっちゅう可愛らしい招待状を僕の元に送ってくる。
家に来ないかというお誘いなので、父上はいつも「行きなさい! 今すぐ行きなさい! アルメル様を一秒でも待たせてはいけない!」と背中をぐいぐい押してくる。落ち着いてほしい。
そしてアルメル家に行くと「ジルジルジルー! 待ってたよー!」と盛大に迎えられ、二人でお茶を飲んだりお菓子を食べたり遊んだりする。すごく健全なお友達だ。
アルメルはいきなり「悪役令嬢は断罪されて処刑されちゃうのよ、嫌ー!」とか「なんでみんなそんなに怖がるの!? 私は悪役令嬢みたいな振る舞いしないよ!?」などといきなり意味不明なことを叫ぶようになってしまったので、周りから前とは違った意味で怖がられるようになってしまったらしい。
よって、友達は僕一人しかいないようだった。そのことにへこんでいるようだけど、別に僕がいるからいいんじゃないだろうか……なんて思ってしまう。
「アルメルってこんなに面白いのにね」
僕以外の友達ができないなんて不思議だよね、と言うとさっきまで「このまま性格が悪いっていう噂が広がるっちゃう! そんなの原作のままじゃない!」と意味のわからないことを叫んでいたアルメルはきょとんと目を瞬かせ、それから「えへへ」と可愛らしく笑った。
「そんなこと言ってくれるの、ジルだけよ。お世辞でも嬉しい」
「僕は本当に思ったことしか言わないよ」
「ほんと? へへ、うれしい。ジルみたいに素敵な子がモブだったなんて信じられない。もしいたら絶対攻略してたのに」
またよくわからないことを言ってる。そういうこと言ってるから僕以外の友達ができないんだよ。とは言ってあげないけど。
だってアルメルが変なことを叫ばなくなって、普通のご令嬢みたいな振る舞いができるようになったら、絶対僕以外の友達がたくさんできてしまう。それはちょっと、かなり嫌なので。
「あ、でもヒロインの恋人になったら、私とは友達になれなかったわね。それは困るわ。私、絶対あなたとは仲良くしたいもの」
にこっと笑いながら言われると、「そう」と答えながら紅茶を飲んで赤くなりそうな顔を誤魔化すしかない。
「ジルとずっと仲良しでいるためにも、しっかり破滅を回避しなきゃ!」
むん! と拳を掲げて張り切っているようだ、相変わらず内容はよくわからないけど、アルメルが元気なのはいいことだ。
僕もずっと仲良しでいたいと思ってる、アルメルの思っている友達としての仲良しとは違うけど。
それをいつか伝えていいものなのかも分からず、僕はアルメルの顔を眺めながら紅茶を口にした。
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