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風変りな勇者召喚編
003 おいおい、お前ら。王様を無視すんなよ
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無機質な石の部屋。床の炎だけでは本来これほど明るい訳はないというのに、部屋全体に光は届いている。
そんな場所で『王女(?)』はリンガルテムス王国という聞いたことのない国の王女と名乗り、今本物の『王女』となった。
だが――、本当にここは地球ではないというのだろうか。
アレスディア・シュネ・リムータス。非常に覚えにくいです。
「それでは、ここである程度の説明をしてから謁見の間へご案内するよう、仰せつけられていたのですが、皆さま非常に物分かりがよろしいご様子。
さらに詳しいことは私の口からではなく、王、ハルマイヤ・シュネ・リムータスの口からご説明させて頂きたいと思うのですが宜しいですか?」
そう言っている間も王女は微笑みを全く崩さない。本当に人間か?というレベルだが、アイドルや女優だったらこんな感じか、と思い直す。
しかし、宜しいですか?と言ってるが、正直、俺的には全くよろしくない。けれど、下手なことを言うと会長に怒られそうな気がして……迂闊に声を出せない。
何という葛藤!と、思いつつ小心者の俺が会長に目を向けていると王女に疑問をぶつけた。いや、ぶつけてくれた。
「そうですね……、何故私たちが召喚されたか? くらいは今伺っておきたいところですか」
会長の疑問に王女は目を閉じて小さく頷いてみせる。
「後ほどそれも分かることになるのですが……、端的に言えばあなたたちの中の誰かが持つ、秘めたる強き力に反応して選ばれた。というところですね」
――い・み・ふ・め・い。
この中に英雄がいるとでもいうのか? だが、もしそうならはっきり分かることがある。それは俺じゃないということ。
ちくしょう、メンバーのアクが強すぎんだよ。
「そういうパターンですか、なるほどなるほど。ということは、その方以外は巻き込まれて召喚された……、ということになりますか?」
他にどんなパターンがあるんだ? と、思わず叫びたくなる俺の心中を完全に無視するかのように二人は話を続けていく。
「いえ、一概にそうとは言い切れません。元々、召喚を予定している人数が八人なのです。それがその秘めたる強き力を持つ者と上手く集まった瞬間に呼応し、異世界召喚が発動するようにしていたのですよ」
「そういうことですか、分かりました。抱えていた疑問が氷解しすっきりしました。それでは皆さん行きたいと思いますよー?」
会長は王女と話し終えると俺たちに振り向きキャラを変えた。いっそのことどちらかで統一して貰いたい。非常に理解が難解だ。
しかし、まぁ、なぜあの時それが起こったか、ってのは何となく分かったけど、他が全く分からない俺には本気でちんぷんかんぷんだし。
そういえば――と、思い俺は手を挙げる。「はい、どうぞ」と何故か会長に言われるのが、何だかおかしな気分になるが――、
「この服装は何なのですか? 俺が持っていたカバンと財布は……?」
俺の言葉に会長が「確かにそうでした……」と言いながらポンと手を叩き、王女に顔を向ける。してやったり。
「申し訳ございません。そちらの世界の品物を此方に持ってくるのは非常に大変なのです。それで、密着率の最も高い肌着――いえ、下着だけ……」
言いながら王女がその白い肌を僅かに赤らめるのに、新垣と江原が見惚れ、再度女達に肘鉄を食らった。まぬけめ!
ということは……俺のカバンと財布はどこか分からないけど消えたか、置いてきたかしたという事か。
もし、置いてきたとするなら、男女の制服が八人分に荷物やらギャルのピアスやらが転がっているという事。
――うっわ。想像するとなんか不気味。
だが……、莉緒がハーフアップを留めている髪留めや、高嶋さんの付けていたカチューシャなんかはそのままだ。これらも下着扱いされたという事……? まぁどうでもいいか。
俺が「分かりました。いえ、分かってませんが納得しました」と言うと王女が「そうですか? 本当に申し訳ありませんね」と言って小さく頭を下げ「では、行きましょうか」と口にした。
それより、よくよく考えてみればこの部屋には出入り口のようなものが一切ない。一体王女はどこから入ってきて、それにどうやって出るんだ――
と、思っていると王女が壁に近付いていき、両手の親指と人差し指で輪を造り壁に押し当てた。
『?』を浮かべながら見ていると、その輪の内部がパッとエメラルドグリーンに光り、長方形型に壁が薄っすらと消えていき……って、
――はぁ? 何だそりゃ? おいおい、さらに魔法かなんかでもあるって言うのかこの世界は……。
いや、だが、待て。異世界召喚の時点で驚天動地の大事件。周りを見渡せば不良二人が驚いているくらいで、他のメンバーは感嘆の声を漏らして拍手喝采を起こしそうな雰囲気。
確かに凄い。手品やマジックで同じことを再現すれば、世界最高峰レベルだろう。
――で、でもさぁ……。
「さて、皆様行きましょうか」との王女の言葉に何の疑問も抱くことなく付いて行く面々。
流石に納得できない俺は、再度ちょいちょいと莉緒の肩をつつく。
「なぁ、莉緒。い、今のって魔法かなんかだよな……? 何で皆驚かないんだ……?」
莉緒はなぜかは分からないが、僅かに頬を染め、そして小さく息をついた。
「もうそういう段階ではないのよ。異世界なら魔法があるのが当たり前。無い方が驚くべき事。ユゥアンダースタァンッ?」
巻き舌の発音と俺の鼻をツンツンとつついてくるのに、若干イラッとしつつも、何だか嬉しさも感じ鼻を掻く。
「わ、分ーったよ。分ーった。はぁぁぁ。そういう段階ではないんだな! じゃあ、行くか!」
見れば残るは俺たち二人。微笑みながら「ふふ、よろしい」と言って身を翻した莉緒に、胸の高鳴りを覚えつつ――その後を追った。
王女の開いた扉(?)の先は本当にお城のような廊下が広がっていた。
赤い絨毯が床に敷かれ、変な紋章が書かれた旗が掲げられ、鉄の鎧みたいなものが飾られている。
すれ違う甲冑のような物を着こんだ兵士のような人が俺たちに頭を下げるのを、なんとなくもどかしく思いながら足を進めていく。
しばらく進み、赤を基調にきんきらきんの装飾が施されていて成金趣味としか思えない扉を通り、辿り着いたのは体育館のように広い場所。
――謁見の間。
王女の言葉が正しいのであればそう言うべき場所なんだろう。ヨーロッパの城のイメージ通りの豪奢な光景が広がり、中央に甲冑を着こんだ兵士が並び俺たちを出迎えた。
進めば頭を下げていく兵士達。その間を頭を掻きながら進んでいると気分は何だか英雄気分。
いやはや、悪くないですな、とテレテレ笑う小市民の俺。
けれどメンバー達も同じ様子で小市民。
会長だけは威風堂々と言った様子な気がするが……。
王女は一人髙くなった場所へと階段を登って行く。そこにはおそらくお偉いさんっぽい方達が立っており、王冠のような物を被った『おそらく王様』が豪奢な椅子に腰を掛けていた。
その王様に何やら耳打ちを行う王女。それに頷きながら何事か俺たちには聞こえない会話を交わす。
椅子の横には王女と似たようなドレスを着た若い女性が三人程、さらにドレスを着こんだ熟年――おそらく妃が立っているが、王様の隣の豪奢な椅子に腰かけたのは王女、アレスディア……何とか。
――普通、妃が椅子に座るもんじゃないのか……?
と、思ったがこの世界の理は俺には分からない。召喚を出迎えたのも王女だったし……。
王女が座るのを合図にしたように王様が立ち上がり、俺たちに顔を向ける。王女は俺たちと同い年くらいに見えたが、王様は五十を過ぎているような顔つき。
立派な茶の口髭と顎髭に僅かに白の髭が混ざり皺もある程度目立つ。
けれど、発する練達した気?のような物は中々の物。
こういう時って跪かされるもんだよなぁ……と嫌な予感が過ったが、特にそう言ったことはなく王様は渋い大きな声を上げた。
「儂はリンガルテムス王、ハルマイヤ・シュネ・リムータス。
よくぞ参られた、八人の勇者たちよ!」
勝手に召喚しておいて何なんだその言い草は!と思ったが、もうそういう段階ではないと莉緒に言われたのを思い出し、俺は苦虫を噛み潰した。
しかも、勇者って何だよ! 勇者ってのは一人だけのもんじゃないのか? 普通は!
王様はその双眸で俺たちを睨め付けるに見渡した後に、ニヤリと笑ってみせる。
なんか、不愉快だ。
「そなたらを召喚したのは――」
「――魔王を倒してもらうために召喚させた貰った。でしょう?」
王様の話してる途中に、天ヶ崎会長が指を突きつけながら言葉を被せる。
おお、何だかすげぇ。けど、何? 魔王がいるの……? 魔王ってゲームのラスボス……だよな。
王様は会長に対し目を剥くと「そ――」と言ったところでさらに会長が言葉を被せた。
「――なたは儂の考えてることが読めるのか……? と言う」
「そなたは儂の――はっ?」
「ふふふふふ。これいつか言ってみたかったのですよー」
言ってからケラケラ笑う会長。
おいおい、大丈夫かよ? と若干不安になる俺。そのネタはなんかの漫画で見たことがあるから、俺も知ってるけどさ……。
そんな俺に莉緒が耳元に口を寄せてきて「か、会長凄いわね。笑っちゃいそうになったわよ」と言ってきたが、明らかにその体は小さく震えている。笑えるお前も凄いよ……。
さらに王女も口に手を当てクスクスと笑い出す。
「ふふ。本当に勇者様方は面白いですわね」
イケメン達と進藤も「ぷっ」と吹き出すのを会長は手で制し「申し訳御座いません、王様。どうぞ、続きを」とスカートの端を持ち優雅に腰を折ったが……もう手遅れだろ!
だが、意外にも王様は怒ることはなく「ウォッホンッ」と偉そうな咳払いをすると、再度ニヤリと笑い口を開いた。
「なるほどな、なるほど! 面白い、実に面白い! では、魔王が四人おるというのもそなたらが既知のことであろうな?」
「ストーーーーーーッップ? 作戦ターーーーーーイムッ!」
王様の問いかけに会長が手でピシャリと音が鳴りそうな程の勢いで制止をかける。
――え、えぇ? まじで、この空間すら掌握する気ですか……あなた。
相変わらず王女だけはクスクスと笑っているが……何だか空気が痛い。痛いです。
「え、あ、はい……」と王様が言うのに会長はニコリと微笑み、俺たち召喚メンバーに円陣を組もうと促したので俺もそれに倣う。
当然のように、不良達がブーたれたが「その細首をキュッと絞めますよー?」と微笑みながら言われ、ブルリと体を震わせ円陣に加わった。
こわひ。どう見ても会長の方が細首なのに……。
「さて、私は魔王が四人と言うのは初パターンなのですよー。
ええと、新垣君と高嶋さんは如何ですかー?」
「あ、ああ。僕……達も初めてだよ。そんなに読んだ本が多いって訳じゃないけど。なぁ、紗枝?」
「うん。私と翼は読んでる本は同じだと思います、天ヶ崎会長。大体翼の隣で一緒に読んでるので」
二人がそうにこやかに口にした途端、顔を背け――「チッ。リア充爆発しろ」と舌打ちし呟いた。
――って、ええ?、隣の俺には丸聞こえです、会長!
黙ってれば会長なんて引く手あまたもいいとこですよ、と言いたかったが、その天使のような笑顔があまりに怖く、俺は蛇に睨まれた蛙状態で言葉は出ず。
高嶋に「今、何かおっしゃられました?」と聞かれ「ええ。仲良きことは美しきかな、と祝福したのですよー」と微笑みで返す会長、腹の内ド真っ黒。
しかもイケメンカップルはそれを素直に受け取り、嬉しそうに笑う。
――ピエロ! なんてかわいそうなお二人!
余りの切なさに涙が出そうになるのをこらえていると、会長が俺の唇に指を当てて「内緒ですよー」と呟いた。小悪魔!
の瞬間――、
「ドスケベッ」
――と、何故か俺の隣にいた莉緒に肘鉄を喰らわせられ「ゲホッ」と俺は咳込んだ。泣き面に蜂! あ、いや、それは違うか……と、思い直すが、俺は特に何もしていないのに!
何だか進藤に睨まれているような気もするし、どうでもいいから早く話を進めてくれー、と今度こそ胸の内で涙を流していると、会長が間を読んだかのように言葉を紡ぐ。
「ふふ。ええと、予習組の最後の二人。歩君と浅草寺さんは如何ですかー?」
予習組て何だよ……、と思いつつ見ていると莉緒が進藤に手で、どうぞどうぞと指し示す。
それに小さく頷き口を開く。
「僕は……もっとたくさん魔王がいたりとか、二人とかは見たことがあります。けど、四人って数字を限定すると初めてです」
へぇ、魔王って一人って訳じゃないんだ……と、思ってると今度は莉緒が口を開く。
「私もあまり多くの本を読んだ事がないので……一人の奴しかないです。ただ、魔王が悪者じゃないってパターンならありました」
魔王が悪者じゃないなら一体それはなんなんだ? と、考えていると会長が顎に手を当て頷いてみせる。
「なるほどー。一人じゃないパターンもあるのですか……。そして、浅草寺さんの言葉には私も心当たりがありますね。
ということで、勇者召喚には大きく分けると三つのパターンがあると思うのですよー」
会長は手を新垣に向け「はい、一つ目どうぞ」と微笑んだ。
――さっきの言葉、俺は覚えてますからね!
「あ、はい。一つ目は王道ですよね? 本当に悪い魔王を倒してもらうための勇者を召喚するパターン」
手をパチパチと叩き「よく出来ましたー」と笑っているが、その大きな胸の内には何を秘めているのか……。
さらに莉緒に手を差し向け「二つ目分かりますか?」との言葉に莉緒が頷いてみせる。
「私が読んだ小説が合ってればですけど……、勇者を戦争のための戦力として召喚する。でしょうか?」
今度は会長は腕を組みながら、うんうんと頷き、小さく「そうですね……」と呟き――、
「そのパターンは派生が多いのですが、基本的な目的は同じですね。このパターンの召喚ははずれです、とだけ覚えておけば良いでしょう」
それを聞き進藤が、シュパっと手を挙げ、それに驚きながらも会長は「お願いしますね」と微笑んだ。いや、猫の被り方が凄いです。
「最後は勇者を生贄に何かをするパターンだと思います、天ヶ崎会長! これも派生が多いですが、根本的にはずれですね!」
「いや、歩君素晴らしいですよー。そうです、ということで――」
と、会長が言いかけたところで江原が言葉を被せる。
「まっ、正直よくわかんねぇんだけどよぉ。結局、重要になんのはさぁ、この召喚がその中のどのパターンになるかっつーことだろぉがよぉ?」
「はぁぁぁぁ」
江原の言葉に会長が大袈裟にため息をつき、肩を竦め、両の手を肩まで掲げ大きく首を振ってみせる。
何て大袈裟なアクション……。やれやれだぜ、とでも聞こえてきそうなほどに……。
「今からそれを言おうとしていたとこなんですけどー? 黙って聞いてることも出来ませんか? 死・ね・ば・い・い・の・に」
「ちょ、おま――」
「しっ! 静かに! だからふざけてると死ぬって言ってるじゃないですかー。私達の輪から放り出しますよ?」
その言葉にまた不良たちは体を震わせ、って意外と小心者……? まぁ会長は怖いけどさ……。
とはいえ、なんだかんだ言って、不良たちをこの輪にも加えたし、見放したりもしていない。口は悪いし腹黒いけど、俺的には好感持てる人かもな。見てて面白いし。
「ま、大変にい・か・んですが、江原君の言った通りです。情報を共有したのもそのため。この空間にいる人の一挙手一投足を見逃さず判断しなくてはなりません。
それでは作戦会議終わり」
江原の名前もちゃんと覚えてるしな。
ぶっちゃけ俺はギャルの苗字忘れたよ。美々琉って名前はミミズみたいな名前だなと思ったから覚えてるけど……。
会長は円陣を解散させると王様に体を向け、再度優雅に腰を折った。
「お待たせ致しまして、大変申し訳ございませんでした。それでは続きをご説明して頂いても宜しいでしょうか?」
そんな場所で『王女(?)』はリンガルテムス王国という聞いたことのない国の王女と名乗り、今本物の『王女』となった。
だが――、本当にここは地球ではないというのだろうか。
アレスディア・シュネ・リムータス。非常に覚えにくいです。
「それでは、ここである程度の説明をしてから謁見の間へご案内するよう、仰せつけられていたのですが、皆さま非常に物分かりがよろしいご様子。
さらに詳しいことは私の口からではなく、王、ハルマイヤ・シュネ・リムータスの口からご説明させて頂きたいと思うのですが宜しいですか?」
そう言っている間も王女は微笑みを全く崩さない。本当に人間か?というレベルだが、アイドルや女優だったらこんな感じか、と思い直す。
しかし、宜しいですか?と言ってるが、正直、俺的には全くよろしくない。けれど、下手なことを言うと会長に怒られそうな気がして……迂闊に声を出せない。
何という葛藤!と、思いつつ小心者の俺が会長に目を向けていると王女に疑問をぶつけた。いや、ぶつけてくれた。
「そうですね……、何故私たちが召喚されたか? くらいは今伺っておきたいところですか」
会長の疑問に王女は目を閉じて小さく頷いてみせる。
「後ほどそれも分かることになるのですが……、端的に言えばあなたたちの中の誰かが持つ、秘めたる強き力に反応して選ばれた。というところですね」
――い・み・ふ・め・い。
この中に英雄がいるとでもいうのか? だが、もしそうならはっきり分かることがある。それは俺じゃないということ。
ちくしょう、メンバーのアクが強すぎんだよ。
「そういうパターンですか、なるほどなるほど。ということは、その方以外は巻き込まれて召喚された……、ということになりますか?」
他にどんなパターンがあるんだ? と、思わず叫びたくなる俺の心中を完全に無視するかのように二人は話を続けていく。
「いえ、一概にそうとは言い切れません。元々、召喚を予定している人数が八人なのです。それがその秘めたる強き力を持つ者と上手く集まった瞬間に呼応し、異世界召喚が発動するようにしていたのですよ」
「そういうことですか、分かりました。抱えていた疑問が氷解しすっきりしました。それでは皆さん行きたいと思いますよー?」
会長は王女と話し終えると俺たちに振り向きキャラを変えた。いっそのことどちらかで統一して貰いたい。非常に理解が難解だ。
しかし、まぁ、なぜあの時それが起こったか、ってのは何となく分かったけど、他が全く分からない俺には本気でちんぷんかんぷんだし。
そういえば――と、思い俺は手を挙げる。「はい、どうぞ」と何故か会長に言われるのが、何だかおかしな気分になるが――、
「この服装は何なのですか? 俺が持っていたカバンと財布は……?」
俺の言葉に会長が「確かにそうでした……」と言いながらポンと手を叩き、王女に顔を向ける。してやったり。
「申し訳ございません。そちらの世界の品物を此方に持ってくるのは非常に大変なのです。それで、密着率の最も高い肌着――いえ、下着だけ……」
言いながら王女がその白い肌を僅かに赤らめるのに、新垣と江原が見惚れ、再度女達に肘鉄を食らった。まぬけめ!
ということは……俺のカバンと財布はどこか分からないけど消えたか、置いてきたかしたという事か。
もし、置いてきたとするなら、男女の制服が八人分に荷物やらギャルのピアスやらが転がっているという事。
――うっわ。想像するとなんか不気味。
だが……、莉緒がハーフアップを留めている髪留めや、高嶋さんの付けていたカチューシャなんかはそのままだ。これらも下着扱いされたという事……? まぁどうでもいいか。
俺が「分かりました。いえ、分かってませんが納得しました」と言うと王女が「そうですか? 本当に申し訳ありませんね」と言って小さく頭を下げ「では、行きましょうか」と口にした。
それより、よくよく考えてみればこの部屋には出入り口のようなものが一切ない。一体王女はどこから入ってきて、それにどうやって出るんだ――
と、思っていると王女が壁に近付いていき、両手の親指と人差し指で輪を造り壁に押し当てた。
『?』を浮かべながら見ていると、その輪の内部がパッとエメラルドグリーンに光り、長方形型に壁が薄っすらと消えていき……って、
――はぁ? 何だそりゃ? おいおい、さらに魔法かなんかでもあるって言うのかこの世界は……。
いや、だが、待て。異世界召喚の時点で驚天動地の大事件。周りを見渡せば不良二人が驚いているくらいで、他のメンバーは感嘆の声を漏らして拍手喝采を起こしそうな雰囲気。
確かに凄い。手品やマジックで同じことを再現すれば、世界最高峰レベルだろう。
――で、でもさぁ……。
「さて、皆様行きましょうか」との王女の言葉に何の疑問も抱くことなく付いて行く面々。
流石に納得できない俺は、再度ちょいちょいと莉緒の肩をつつく。
「なぁ、莉緒。い、今のって魔法かなんかだよな……? 何で皆驚かないんだ……?」
莉緒はなぜかは分からないが、僅かに頬を染め、そして小さく息をついた。
「もうそういう段階ではないのよ。異世界なら魔法があるのが当たり前。無い方が驚くべき事。ユゥアンダースタァンッ?」
巻き舌の発音と俺の鼻をツンツンとつついてくるのに、若干イラッとしつつも、何だか嬉しさも感じ鼻を掻く。
「わ、分ーったよ。分ーった。はぁぁぁ。そういう段階ではないんだな! じゃあ、行くか!」
見れば残るは俺たち二人。微笑みながら「ふふ、よろしい」と言って身を翻した莉緒に、胸の高鳴りを覚えつつ――その後を追った。
王女の開いた扉(?)の先は本当にお城のような廊下が広がっていた。
赤い絨毯が床に敷かれ、変な紋章が書かれた旗が掲げられ、鉄の鎧みたいなものが飾られている。
すれ違う甲冑のような物を着こんだ兵士のような人が俺たちに頭を下げるのを、なんとなくもどかしく思いながら足を進めていく。
しばらく進み、赤を基調にきんきらきんの装飾が施されていて成金趣味としか思えない扉を通り、辿り着いたのは体育館のように広い場所。
――謁見の間。
王女の言葉が正しいのであればそう言うべき場所なんだろう。ヨーロッパの城のイメージ通りの豪奢な光景が広がり、中央に甲冑を着こんだ兵士が並び俺たちを出迎えた。
進めば頭を下げていく兵士達。その間を頭を掻きながら進んでいると気分は何だか英雄気分。
いやはや、悪くないですな、とテレテレ笑う小市民の俺。
けれどメンバー達も同じ様子で小市民。
会長だけは威風堂々と言った様子な気がするが……。
王女は一人髙くなった場所へと階段を登って行く。そこにはおそらくお偉いさんっぽい方達が立っており、王冠のような物を被った『おそらく王様』が豪奢な椅子に腰を掛けていた。
その王様に何やら耳打ちを行う王女。それに頷きながら何事か俺たちには聞こえない会話を交わす。
椅子の横には王女と似たようなドレスを着た若い女性が三人程、さらにドレスを着こんだ熟年――おそらく妃が立っているが、王様の隣の豪奢な椅子に腰かけたのは王女、アレスディア……何とか。
――普通、妃が椅子に座るもんじゃないのか……?
と、思ったがこの世界の理は俺には分からない。召喚を出迎えたのも王女だったし……。
王女が座るのを合図にしたように王様が立ち上がり、俺たちに顔を向ける。王女は俺たちと同い年くらいに見えたが、王様は五十を過ぎているような顔つき。
立派な茶の口髭と顎髭に僅かに白の髭が混ざり皺もある程度目立つ。
けれど、発する練達した気?のような物は中々の物。
こういう時って跪かされるもんだよなぁ……と嫌な予感が過ったが、特にそう言ったことはなく王様は渋い大きな声を上げた。
「儂はリンガルテムス王、ハルマイヤ・シュネ・リムータス。
よくぞ参られた、八人の勇者たちよ!」
勝手に召喚しておいて何なんだその言い草は!と思ったが、もうそういう段階ではないと莉緒に言われたのを思い出し、俺は苦虫を噛み潰した。
しかも、勇者って何だよ! 勇者ってのは一人だけのもんじゃないのか? 普通は!
王様はその双眸で俺たちを睨め付けるに見渡した後に、ニヤリと笑ってみせる。
なんか、不愉快だ。
「そなたらを召喚したのは――」
「――魔王を倒してもらうために召喚させた貰った。でしょう?」
王様の話してる途中に、天ヶ崎会長が指を突きつけながら言葉を被せる。
おお、何だかすげぇ。けど、何? 魔王がいるの……? 魔王ってゲームのラスボス……だよな。
王様は会長に対し目を剥くと「そ――」と言ったところでさらに会長が言葉を被せた。
「――なたは儂の考えてることが読めるのか……? と言う」
「そなたは儂の――はっ?」
「ふふふふふ。これいつか言ってみたかったのですよー」
言ってからケラケラ笑う会長。
おいおい、大丈夫かよ? と若干不安になる俺。そのネタはなんかの漫画で見たことがあるから、俺も知ってるけどさ……。
そんな俺に莉緒が耳元に口を寄せてきて「か、会長凄いわね。笑っちゃいそうになったわよ」と言ってきたが、明らかにその体は小さく震えている。笑えるお前も凄いよ……。
さらに王女も口に手を当てクスクスと笑い出す。
「ふふ。本当に勇者様方は面白いですわね」
イケメン達と進藤も「ぷっ」と吹き出すのを会長は手で制し「申し訳御座いません、王様。どうぞ、続きを」とスカートの端を持ち優雅に腰を折ったが……もう手遅れだろ!
だが、意外にも王様は怒ることはなく「ウォッホンッ」と偉そうな咳払いをすると、再度ニヤリと笑い口を開いた。
「なるほどな、なるほど! 面白い、実に面白い! では、魔王が四人おるというのもそなたらが既知のことであろうな?」
「ストーーーーーーッップ? 作戦ターーーーーーイムッ!」
王様の問いかけに会長が手でピシャリと音が鳴りそうな程の勢いで制止をかける。
――え、えぇ? まじで、この空間すら掌握する気ですか……あなた。
相変わらず王女だけはクスクスと笑っているが……何だか空気が痛い。痛いです。
「え、あ、はい……」と王様が言うのに会長はニコリと微笑み、俺たち召喚メンバーに円陣を組もうと促したので俺もそれに倣う。
当然のように、不良達がブーたれたが「その細首をキュッと絞めますよー?」と微笑みながら言われ、ブルリと体を震わせ円陣に加わった。
こわひ。どう見ても会長の方が細首なのに……。
「さて、私は魔王が四人と言うのは初パターンなのですよー。
ええと、新垣君と高嶋さんは如何ですかー?」
「あ、ああ。僕……達も初めてだよ。そんなに読んだ本が多いって訳じゃないけど。なぁ、紗枝?」
「うん。私と翼は読んでる本は同じだと思います、天ヶ崎会長。大体翼の隣で一緒に読んでるので」
二人がそうにこやかに口にした途端、顔を背け――「チッ。リア充爆発しろ」と舌打ちし呟いた。
――って、ええ?、隣の俺には丸聞こえです、会長!
黙ってれば会長なんて引く手あまたもいいとこですよ、と言いたかったが、その天使のような笑顔があまりに怖く、俺は蛇に睨まれた蛙状態で言葉は出ず。
高嶋に「今、何かおっしゃられました?」と聞かれ「ええ。仲良きことは美しきかな、と祝福したのですよー」と微笑みで返す会長、腹の内ド真っ黒。
しかもイケメンカップルはそれを素直に受け取り、嬉しそうに笑う。
――ピエロ! なんてかわいそうなお二人!
余りの切なさに涙が出そうになるのをこらえていると、会長が俺の唇に指を当てて「内緒ですよー」と呟いた。小悪魔!
の瞬間――、
「ドスケベッ」
――と、何故か俺の隣にいた莉緒に肘鉄を喰らわせられ「ゲホッ」と俺は咳込んだ。泣き面に蜂! あ、いや、それは違うか……と、思い直すが、俺は特に何もしていないのに!
何だか進藤に睨まれているような気もするし、どうでもいいから早く話を進めてくれー、と今度こそ胸の内で涙を流していると、会長が間を読んだかのように言葉を紡ぐ。
「ふふ。ええと、予習組の最後の二人。歩君と浅草寺さんは如何ですかー?」
予習組て何だよ……、と思いつつ見ていると莉緒が進藤に手で、どうぞどうぞと指し示す。
それに小さく頷き口を開く。
「僕は……もっとたくさん魔王がいたりとか、二人とかは見たことがあります。けど、四人って数字を限定すると初めてです」
へぇ、魔王って一人って訳じゃないんだ……と、思ってると今度は莉緒が口を開く。
「私もあまり多くの本を読んだ事がないので……一人の奴しかないです。ただ、魔王が悪者じゃないってパターンならありました」
魔王が悪者じゃないなら一体それはなんなんだ? と、考えていると会長が顎に手を当て頷いてみせる。
「なるほどー。一人じゃないパターンもあるのですか……。そして、浅草寺さんの言葉には私も心当たりがありますね。
ということで、勇者召喚には大きく分けると三つのパターンがあると思うのですよー」
会長は手を新垣に向け「はい、一つ目どうぞ」と微笑んだ。
――さっきの言葉、俺は覚えてますからね!
「あ、はい。一つ目は王道ですよね? 本当に悪い魔王を倒してもらうための勇者を召喚するパターン」
手をパチパチと叩き「よく出来ましたー」と笑っているが、その大きな胸の内には何を秘めているのか……。
さらに莉緒に手を差し向け「二つ目分かりますか?」との言葉に莉緒が頷いてみせる。
「私が読んだ小説が合ってればですけど……、勇者を戦争のための戦力として召喚する。でしょうか?」
今度は会長は腕を組みながら、うんうんと頷き、小さく「そうですね……」と呟き――、
「そのパターンは派生が多いのですが、基本的な目的は同じですね。このパターンの召喚ははずれです、とだけ覚えておけば良いでしょう」
それを聞き進藤が、シュパっと手を挙げ、それに驚きながらも会長は「お願いしますね」と微笑んだ。いや、猫の被り方が凄いです。
「最後は勇者を生贄に何かをするパターンだと思います、天ヶ崎会長! これも派生が多いですが、根本的にはずれですね!」
「いや、歩君素晴らしいですよー。そうです、ということで――」
と、会長が言いかけたところで江原が言葉を被せる。
「まっ、正直よくわかんねぇんだけどよぉ。結局、重要になんのはさぁ、この召喚がその中のどのパターンになるかっつーことだろぉがよぉ?」
「はぁぁぁぁ」
江原の言葉に会長が大袈裟にため息をつき、肩を竦め、両の手を肩まで掲げ大きく首を振ってみせる。
何て大袈裟なアクション……。やれやれだぜ、とでも聞こえてきそうなほどに……。
「今からそれを言おうとしていたとこなんですけどー? 黙って聞いてることも出来ませんか? 死・ね・ば・い・い・の・に」
「ちょ、おま――」
「しっ! 静かに! だからふざけてると死ぬって言ってるじゃないですかー。私達の輪から放り出しますよ?」
その言葉にまた不良たちは体を震わせ、って意外と小心者……? まぁ会長は怖いけどさ……。
とはいえ、なんだかんだ言って、不良たちをこの輪にも加えたし、見放したりもしていない。口は悪いし腹黒いけど、俺的には好感持てる人かもな。見てて面白いし。
「ま、大変にい・か・んですが、江原君の言った通りです。情報を共有したのもそのため。この空間にいる人の一挙手一投足を見逃さず判断しなくてはなりません。
それでは作戦会議終わり」
江原の名前もちゃんと覚えてるしな。
ぶっちゃけ俺はギャルの苗字忘れたよ。美々琉って名前はミミズみたいな名前だなと思ったから覚えてるけど……。
会長は円陣を解散させると王様に体を向け、再度優雅に腰を折った。
「お待たせ致しまして、大変申し訳ございませんでした。それでは続きをご説明して頂いても宜しいでしょうか?」
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