リトル英雄

メカニック

ヒーローは勤めていたディーラーを退職し実家の工場で働きだした。
ミニバイクレースには参加していたが筑波サーキットでのレース活動はメカニックとしてチームのサポートをしていた。
サーキットに行くと走りたくなるので時々ＳＰ１２５のバイクを借りて走っていた。
ある日の練習走行で走っているとやたらと絡んでくるバイクがいた。
古いドカティの３５０だった。
コーナーでは遅いがストレートで抜かれた。
練習走行も終わりピットに戻るとさっきのドカティが横を通り過ぎて行った。
目が合い会釈をされたのでヒーローも会釈をした。
ドカティがピットに入りヘルメットを脱いだのでどんな奴か見ていたら何と！「○城滉一」さんだった。
ヘルメットを脱いだ時もこちらを見て会釈をしていた。
やっぱりカッコいい～
次の日に筑波サーキットでタイムトンネルのレースに出場するので練習に来ていたらしい。
筑波サーキットではレース好きな芸能人にたまに会う。
前回はピットの空き待ちをしていて前走したチームが出るのでトランスポーターを下げて避けていたらいきなりマーチのレース車両が割り込んでピットに入ったので「こっちは避けて待ってたんだよ！」と文句を言うと降りて来たのは「○原じゅん子」だった。
慌ててマーチをどかし謝って来た。
ヒーローは思った「凄く綺麗だ」。
ライダーでなくメカニックとしてサーキットに行くのは楽しかった。