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ー悪ー 第一章 アタラヨ鬼神
第十九話 強者
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「それでは......よーい、初め!」
ドン!と太鼓の音がなった瞬間、ルーシェは飛び出した。やはり見ていた通り、ルーシェは素早い。鬼神王は慌てて黒い右手で身を守ろうとした。思わず目を閉じてしまった。右手で身を守れるはずがない。......が、痛みを感じなかった。
目を開けると、いつの間にか結界が張られていた。無意識に張っていたようだ。怪我は間逃れ、なんとか安心したが......少し...いや、かなりかっこ悪い。
ルーシェは容赦なく攻撃してくる。鬼神王はどうするべきなのか分からず、避けたり身を守るだけだった。
「鬼神王様なかなか攻撃しないね」
「優しい方だからさ......傷つけるのが怖いんじゃないかしら」
「だよねー、勝負なんだから、どんどんやっちゃえば良いのに!」
ルーシェの動きは素早い。瞬きしている間に殺られてしまうのではないかと思うほどだ。あのシュヴェルツェですら、ルーシェの速さに追いつけていなかった。
(でも......動きは単純でわかりやすい)
素早いが、大釜を持っているせいか、次どのように攻撃してくるのかわかりやすい。右......左......右...上。
鬼神王は目を細め、避けることに集中した。なるべく攻撃はしたくない。攻撃するとしても、深く傷を付けるつもりは無い。血を一ミリも流さずに相手を降参させたいのだ。
まずはルーシェを疲れさせること。鬼神王は体力の自信はある。体力だけは誰にも負けないと思っている。さらに素早く動くことでより体力を消費する。ルーシェの体力は長くは持たないだろう。
(シュヴェルツェと戦ってるとき、だんだん動きが鈍くなっていたから、このまま避け続ければきっと)
計画通り、ルーシェの動きは鈍くなっていく。
また、鬼神王が避けてばかりでなかなか攻撃をしないため、鬼神たちは不安に思っている。まさかあの最強鬼神王が、避けるだけで精一杯なのか......と。
「鬼神王、何故攻撃しない!」
「相手を傷つけることで勝てるとは限りませんから!」
ルーシェは大釜を大きく振り、地面に突き刺さった。ルーシェが地面から抜き出す前に、鬼神王様は高く飛び、ルーシェの頭に右手を置いて、一回転しながらルーシェの後ろ側に着地した。ルーシェは急いで振り返る。やはり動きが素早いルーシェには後ろから狙うことは難しい。直ぐに振り返ってしまうからだ。
けれど鬼神王はルーシェの後ろに回ろうとする。
天狗のように軽々と飛び跳ね、戦っているというのに羽ばたく白鳥のように美しい。
鬼神たちはつい見とれてしまう。
「目覚めよ、鬼神霊」
鬼神王は中に浮きながら右手で光の玉を作り出し、一回転する。鬼神王が回ると光の玉は分裂し、四つの玉が鬼神王の周りに散らばった。
そしてその光は人型へ変化する。
人型へ変化したものの顔は布で隠されていて、『壱』『弐』『参』『肆』と書かれている。
「召喚......」
皆が驚くのも当然。召喚は鬼神の力を沢山消費する。また、召喚した者が消えない限り、永遠と鬼神の力は消費されていく。それだと言うのに一度に四体も召喚した。
(ルーシェはもう体力の限界に近い。次こそ行けるはず)
ルーシェが鬼神霊に目が行っている間に高く飛び、中で右手を開くと剣が現れ、剣を強く握る。ルーシェの後ろに着地し、剣を片手でクルクルと三回ほど回し、後ろからルーシェの首元に剣を当てた。
ルーシェの動きが止まる。そして客席が騒がしくなる。......これで勝ちか。......いや、違う!
いつの間にか鬼神王の周りに数本の針が浮いていた。いつ鬼神王に向かって飛びだすか分からない。
「鬼神王。お前......いや、お前とお前が召喚した奴らが少しでも動いたら、針は深く刺さる」
ルーシェは自分の勝ちが確定したかのように言った。少しでも動いたら刺さる......ということは攻撃をすることも防御結界を張ることもできない。動きが素早いルーシェが鬼神の力を使って作り出した針は当然素早い。避けるのは無理だ。
......これはもう鬼神王の負け。......皆がそう思った時。
「...ふ」
鬼神王はニヤリと微笑んだ。負けを認めたのだろうか。そう思った次の瞬間。後ろにいたはずの鬼神王が目の前に現れた。
「は?」
後ろにいるのは......と思いルーシェが振り向くと、"鬼神王"の姿がだんだん変化していき、『参』と描かれた鬼神霊が現れた。いつの間に変わっていたのだろうか。
鬼神王様が動いたため、針は『参』に向かって飛んでいく。が。針は『参』を貫通した。鬼神霊は光で作られている。そのため刺さることなく貫通してしまう。貫通した先はルーシェだ。ルーシェは自分が作り出した針にやられてしまうのか。......と思ったが、針はルーシェの体に触れる直前でポテ...と地面に落ちた。結界が張ってあったのだ。
「え......?」
ルーシェは戸惑っている様子だ。ということはこの結界は......鬼神王が張ったものだ。
「なんで......?」
「どういうこと?」
結界を張らなければ確実に鬼神王の勝ちだった。
多くの針が深く刺さると、大量出血で立てなくなる。もしくは死んでしまう。けれど自分で作り出したものだ。......自爆......となれば、相手が死んでも鬼神王の勝ちなのには変わりない。
「ふ、随分と余裕そうだな」
先程守ってくれたというのに、ルーシェは再び大釜を握りしめ、鬼神王に襲いかかった。勝負は勝負だ。いくら助けてくれても、負けを認めなければ勝ちでは無い。
(あんまり時間かけすぎるのも良くない)
避けながらそう思った鬼神王様は扇を作り出し、扇を持っている右手を高く上げくるりと回った。
そして、ルーシェの前で扇ぐと、強風が吹き、ルーシェは後ろへと飛ばされてしまった。このまま飛ばされていけば客席の壁にぶつかる。骨の一本や二本は折れるだろう。
......が、なんと鬼神王はルーシェが壁にぶつかる寸前でルーシェを浮かし、ゆっくりと地面に下ろした。そして扇を剣に変え、再びルーシェの首元に剣を向けた。そしてルーシェを囲むように鬼神霊たちも並び、鬼神王と同じように剣を向ける。
ルーシェは身動きが取れない。
「......はぁ。負けだ」
ルーシェが悔しそうに負けを認めると、拍手や歓声が聞こえた。
「すげぇ!血を流さず、勝利したのは初めてではないか!?」
「スゴすぎる!!」
鬼神王は嬉しい気持ちを抑え、剣を消し、負けて悔しそうにしているルーシェに手を差し伸べた。
「お怪我は無いですか?」
しかしルーシェはその手を払い除け、自分で立ち上がった。なんと失礼な行為だろうか。相手が王でなくても許されない行為だと言うのに。
しかし鬼神王は特に気にしていなかった。
鬼神王は鬼神霊たちの頭を一体ずつ撫でていき、四体撫で終わると、手をパチンとならし「ありがとう。おやすみなさい」と言って消した。
「鬼神王様おめでとうございます!!」
「さすがですね」
メリーナとシュヴェルツェが走ってきた。
鬼神王は緊張がとけたのか、茎が折れた植物のようにヘタリと地面に座り込んだ。
「はぁあ~怖かったぁぁ」
余裕そうに見えるのだが、実はずっと怖かったのだ。ルーシェのことと......傷をつけてはいけないという二つが合わさり、ずっと緊張していた。
「鬼神王様は本当に凄いですね!まさか相手を傷つけることなく勝ってしまうとは......。ずっと攻撃しなかったり、本気を出していなかったのにはそんな理由があったのですね!!」
メリーナはかつての師匠が負けたというのに嬉しそうに話す。後ろでその師匠が睨んでいることは知らない。
「いや~~ししょーも強いけれど、鬼神王様には勝てませんよね~~!本当に強いのですから!」
「メリーナ......嬉しいけど...もう何も言わなくて良いから......」
このままではメリーナが危ない。鬼神王は必死で止めた。
ドン!と太鼓の音がなった瞬間、ルーシェは飛び出した。やはり見ていた通り、ルーシェは素早い。鬼神王は慌てて黒い右手で身を守ろうとした。思わず目を閉じてしまった。右手で身を守れるはずがない。......が、痛みを感じなかった。
目を開けると、いつの間にか結界が張られていた。無意識に張っていたようだ。怪我は間逃れ、なんとか安心したが......少し...いや、かなりかっこ悪い。
ルーシェは容赦なく攻撃してくる。鬼神王はどうするべきなのか分からず、避けたり身を守るだけだった。
「鬼神王様なかなか攻撃しないね」
「優しい方だからさ......傷つけるのが怖いんじゃないかしら」
「だよねー、勝負なんだから、どんどんやっちゃえば良いのに!」
ルーシェの動きは素早い。瞬きしている間に殺られてしまうのではないかと思うほどだ。あのシュヴェルツェですら、ルーシェの速さに追いつけていなかった。
(でも......動きは単純でわかりやすい)
素早いが、大釜を持っているせいか、次どのように攻撃してくるのかわかりやすい。右......左......右...上。
鬼神王は目を細め、避けることに集中した。なるべく攻撃はしたくない。攻撃するとしても、深く傷を付けるつもりは無い。血を一ミリも流さずに相手を降参させたいのだ。
まずはルーシェを疲れさせること。鬼神王は体力の自信はある。体力だけは誰にも負けないと思っている。さらに素早く動くことでより体力を消費する。ルーシェの体力は長くは持たないだろう。
(シュヴェルツェと戦ってるとき、だんだん動きが鈍くなっていたから、このまま避け続ければきっと)
計画通り、ルーシェの動きは鈍くなっていく。
また、鬼神王が避けてばかりでなかなか攻撃をしないため、鬼神たちは不安に思っている。まさかあの最強鬼神王が、避けるだけで精一杯なのか......と。
「鬼神王、何故攻撃しない!」
「相手を傷つけることで勝てるとは限りませんから!」
ルーシェは大釜を大きく振り、地面に突き刺さった。ルーシェが地面から抜き出す前に、鬼神王様は高く飛び、ルーシェの頭に右手を置いて、一回転しながらルーシェの後ろ側に着地した。ルーシェは急いで振り返る。やはり動きが素早いルーシェには後ろから狙うことは難しい。直ぐに振り返ってしまうからだ。
けれど鬼神王はルーシェの後ろに回ろうとする。
天狗のように軽々と飛び跳ね、戦っているというのに羽ばたく白鳥のように美しい。
鬼神たちはつい見とれてしまう。
「目覚めよ、鬼神霊」
鬼神王は中に浮きながら右手で光の玉を作り出し、一回転する。鬼神王が回ると光の玉は分裂し、四つの玉が鬼神王の周りに散らばった。
そしてその光は人型へ変化する。
人型へ変化したものの顔は布で隠されていて、『壱』『弐』『参』『肆』と書かれている。
「召喚......」
皆が驚くのも当然。召喚は鬼神の力を沢山消費する。また、召喚した者が消えない限り、永遠と鬼神の力は消費されていく。それだと言うのに一度に四体も召喚した。
(ルーシェはもう体力の限界に近い。次こそ行けるはず)
ルーシェが鬼神霊に目が行っている間に高く飛び、中で右手を開くと剣が現れ、剣を強く握る。ルーシェの後ろに着地し、剣を片手でクルクルと三回ほど回し、後ろからルーシェの首元に剣を当てた。
ルーシェの動きが止まる。そして客席が騒がしくなる。......これで勝ちか。......いや、違う!
いつの間にか鬼神王の周りに数本の針が浮いていた。いつ鬼神王に向かって飛びだすか分からない。
「鬼神王。お前......いや、お前とお前が召喚した奴らが少しでも動いたら、針は深く刺さる」
ルーシェは自分の勝ちが確定したかのように言った。少しでも動いたら刺さる......ということは攻撃をすることも防御結界を張ることもできない。動きが素早いルーシェが鬼神の力を使って作り出した針は当然素早い。避けるのは無理だ。
......これはもう鬼神王の負け。......皆がそう思った時。
「...ふ」
鬼神王はニヤリと微笑んだ。負けを認めたのだろうか。そう思った次の瞬間。後ろにいたはずの鬼神王が目の前に現れた。
「は?」
後ろにいるのは......と思いルーシェが振り向くと、"鬼神王"の姿がだんだん変化していき、『参』と描かれた鬼神霊が現れた。いつの間に変わっていたのだろうか。
鬼神王様が動いたため、針は『参』に向かって飛んでいく。が。針は『参』を貫通した。鬼神霊は光で作られている。そのため刺さることなく貫通してしまう。貫通した先はルーシェだ。ルーシェは自分が作り出した針にやられてしまうのか。......と思ったが、針はルーシェの体に触れる直前でポテ...と地面に落ちた。結界が張ってあったのだ。
「え......?」
ルーシェは戸惑っている様子だ。ということはこの結界は......鬼神王が張ったものだ。
「なんで......?」
「どういうこと?」
結界を張らなければ確実に鬼神王の勝ちだった。
多くの針が深く刺さると、大量出血で立てなくなる。もしくは死んでしまう。けれど自分で作り出したものだ。......自爆......となれば、相手が死んでも鬼神王の勝ちなのには変わりない。
「ふ、随分と余裕そうだな」
先程守ってくれたというのに、ルーシェは再び大釜を握りしめ、鬼神王に襲いかかった。勝負は勝負だ。いくら助けてくれても、負けを認めなければ勝ちでは無い。
(あんまり時間かけすぎるのも良くない)
避けながらそう思った鬼神王様は扇を作り出し、扇を持っている右手を高く上げくるりと回った。
そして、ルーシェの前で扇ぐと、強風が吹き、ルーシェは後ろへと飛ばされてしまった。このまま飛ばされていけば客席の壁にぶつかる。骨の一本や二本は折れるだろう。
......が、なんと鬼神王はルーシェが壁にぶつかる寸前でルーシェを浮かし、ゆっくりと地面に下ろした。そして扇を剣に変え、再びルーシェの首元に剣を向けた。そしてルーシェを囲むように鬼神霊たちも並び、鬼神王と同じように剣を向ける。
ルーシェは身動きが取れない。
「......はぁ。負けだ」
ルーシェが悔しそうに負けを認めると、拍手や歓声が聞こえた。
「すげぇ!血を流さず、勝利したのは初めてではないか!?」
「スゴすぎる!!」
鬼神王は嬉しい気持ちを抑え、剣を消し、負けて悔しそうにしているルーシェに手を差し伸べた。
「お怪我は無いですか?」
しかしルーシェはその手を払い除け、自分で立ち上がった。なんと失礼な行為だろうか。相手が王でなくても許されない行為だと言うのに。
しかし鬼神王は特に気にしていなかった。
鬼神王は鬼神霊たちの頭を一体ずつ撫でていき、四体撫で終わると、手をパチンとならし「ありがとう。おやすみなさい」と言って消した。
「鬼神王様おめでとうございます!!」
「さすがですね」
メリーナとシュヴェルツェが走ってきた。
鬼神王は緊張がとけたのか、茎が折れた植物のようにヘタリと地面に座り込んだ。
「はぁあ~怖かったぁぁ」
余裕そうに見えるのだが、実はずっと怖かったのだ。ルーシェのことと......傷をつけてはいけないという二つが合わさり、ずっと緊張していた。
「鬼神王様は本当に凄いですね!まさか相手を傷つけることなく勝ってしまうとは......。ずっと攻撃しなかったり、本気を出していなかったのにはそんな理由があったのですね!!」
メリーナはかつての師匠が負けたというのに嬉しそうに話す。後ろでその師匠が睨んでいることは知らない。
「いや~~ししょーも強いけれど、鬼神王様には勝てませんよね~~!本当に強いのですから!」
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