127 / 184
ー光ー 第九章 鬼神と無能神様
第百二十六話 二週間も
しおりを挟む
「俊熙!そろそろ休みなさい!このままでは倒れてしまうわ!」
「離してくれっ!」
天俊熙は天語汐に腕を掴まれ止められたのだが、天俊熙はその手を払った。
「光琳はもう二週間も帰ってきてないんですよ!?そんなんで休めますか......」
「けど!貴方は二週間ろくに休んでいないじゃない!寝ずにずっと探し回って......そろそろ危ないわ」
「でも時間が無いんです!」
天語汐は必死でとめた。
時間が無いとは......どういうことだろうか。
天俊熙の目元にはクマができている。いつ倒れてもおかしくない状態だ。
天俊熙だけでは無い。天麗華......そして天宇軒もだ。
天麗華も天俊熙と同じでろくに休んでいない。
ずっと天光琳を探し回っている。
天宇軒は......天宇軒も探し回っているのだ。
天光琳のことを嫌っていたのでは無いのだろうか。
「ダメです、見つかりません!」
「目撃情報すらありません......もう死んだんじゃ......」
「ダメだ!もっと探せ、もっとだっ!」
天宇軒はフラフラになりながらも強く怒鳴った。
護衛神は慌てて捜索に戻る。
「貴方......休みなさい...」
「そうですよ兄上!」
「宇軒様......」
天万姫、天浩然、波浪が止めても聞かなかった。
天宇軒は焦りの表情を浮かべている。
二週間経っても帰ってこない......そもそも、二週間経っても目撃情報が無いとは......嫌な予感しかしない。
他国へ行っているなら良いが、天光琳は神の力が使えないため、一神では他国へ行けない。
また、既に他国へ天光琳がいなくなったと連絡は行っているのだが、目撃情報はかえってこない。
そのため、桜雲天国ではある噂が広まっていた。
"天宇軒が殺したのではないか?"
皆天宇軒が殺すような神ではないとわかっている。しかし天宇軒は天光琳を嫌っているように見える。そして国の評価を下げている。
いくら探しても見つからないなら、誰かが殺したのを隠しているのかもしれない。
......となると、星連杰の時のように天宇軒も隠しているかもしれない......という噂が広まったのだ。
当然、天宇軒は殺していない。
むしろ探しているのだ。
「......俊熙、麗華。話がある。来い」
突然天宇軒は二神を呼んだ。
すると天麗華と天宇軒は目を合わせた。
「話すのね」
「あぁ」
天麗華は何を話すのか分かっているようだ。
天俊熙は分からなかったため、黙ってついて行くことにした。
三神は天宇軒の部屋に来た。あとから着いてきた波浪は外で見張りをしている。
天俊熙はそんなに大切な話なのかと緊張してきた。
「俊熙。俺には他神の隠していることが分かる能力がある」
「え......?」
その能力は珍しいものだ。
恐らく神界でその能力を持っている神は二、三神ぐらいしか居ないだろう。
その能力は何故か使う回数に制限があり、数一年に一度しか使えない。二日連続で使ってみたら、途中で力が途切れてしまったそうだ。
......では一体誰に使ったのだろうか。
「俺は万姫に使った」
「万姫様に......!?」
天俊熙は驚いた。まさか自分の嫁だというのに何か疑っているのだろうか。......もしかして......。
「光琳の......力のことで疑っていたのですか......?」
「そうだ。......そういえば麗華から聞いているんだったな」
天俊熙は頷いた。
実は、天麗華と天俊熙がよく話していたのは天光琳の神の力のことについて話していたのだ。
天麗華は全て話した。
自分は偽り奇跡の神なのだと。本当は自分は奇跡の神ではなく、この力は天光琳のものなのだと......。
そして、この反応だと、天宇軒も知っているのだろう。
「そして、すまない。次に君にも使った。君が持っているあの"能力"について全て知っている」
「そうなんですね、それなら話が早いです」
天宇軒は申し訳なさそうに謝ったが、天俊熙はむしろ知っていた方がありがたいと思っているため、気にしていない。
天俊熙の"能力"とは......天光琳に教えなかったあの"能力"だ。
「早く光琳を見つけなければ......」
「「「世界は滅びる」」」
三神は声を揃えてそう言った。
「離してくれっ!」
天俊熙は天語汐に腕を掴まれ止められたのだが、天俊熙はその手を払った。
「光琳はもう二週間も帰ってきてないんですよ!?そんなんで休めますか......」
「けど!貴方は二週間ろくに休んでいないじゃない!寝ずにずっと探し回って......そろそろ危ないわ」
「でも時間が無いんです!」
天語汐は必死でとめた。
時間が無いとは......どういうことだろうか。
天俊熙の目元にはクマができている。いつ倒れてもおかしくない状態だ。
天俊熙だけでは無い。天麗華......そして天宇軒もだ。
天麗華も天俊熙と同じでろくに休んでいない。
ずっと天光琳を探し回っている。
天宇軒は......天宇軒も探し回っているのだ。
天光琳のことを嫌っていたのでは無いのだろうか。
「ダメです、見つかりません!」
「目撃情報すらありません......もう死んだんじゃ......」
「ダメだ!もっと探せ、もっとだっ!」
天宇軒はフラフラになりながらも強く怒鳴った。
護衛神は慌てて捜索に戻る。
「貴方......休みなさい...」
「そうですよ兄上!」
「宇軒様......」
天万姫、天浩然、波浪が止めても聞かなかった。
天宇軒は焦りの表情を浮かべている。
二週間経っても帰ってこない......そもそも、二週間経っても目撃情報が無いとは......嫌な予感しかしない。
他国へ行っているなら良いが、天光琳は神の力が使えないため、一神では他国へ行けない。
また、既に他国へ天光琳がいなくなったと連絡は行っているのだが、目撃情報はかえってこない。
そのため、桜雲天国ではある噂が広まっていた。
"天宇軒が殺したのではないか?"
皆天宇軒が殺すような神ではないとわかっている。しかし天宇軒は天光琳を嫌っているように見える。そして国の評価を下げている。
いくら探しても見つからないなら、誰かが殺したのを隠しているのかもしれない。
......となると、星連杰の時のように天宇軒も隠しているかもしれない......という噂が広まったのだ。
当然、天宇軒は殺していない。
むしろ探しているのだ。
「......俊熙、麗華。話がある。来い」
突然天宇軒は二神を呼んだ。
すると天麗華と天宇軒は目を合わせた。
「話すのね」
「あぁ」
天麗華は何を話すのか分かっているようだ。
天俊熙は分からなかったため、黙ってついて行くことにした。
三神は天宇軒の部屋に来た。あとから着いてきた波浪は外で見張りをしている。
天俊熙はそんなに大切な話なのかと緊張してきた。
「俊熙。俺には他神の隠していることが分かる能力がある」
「え......?」
その能力は珍しいものだ。
恐らく神界でその能力を持っている神は二、三神ぐらいしか居ないだろう。
その能力は何故か使う回数に制限があり、数一年に一度しか使えない。二日連続で使ってみたら、途中で力が途切れてしまったそうだ。
......では一体誰に使ったのだろうか。
「俺は万姫に使った」
「万姫様に......!?」
天俊熙は驚いた。まさか自分の嫁だというのに何か疑っているのだろうか。......もしかして......。
「光琳の......力のことで疑っていたのですか......?」
「そうだ。......そういえば麗華から聞いているんだったな」
天俊熙は頷いた。
実は、天麗華と天俊熙がよく話していたのは天光琳の神の力のことについて話していたのだ。
天麗華は全て話した。
自分は偽り奇跡の神なのだと。本当は自分は奇跡の神ではなく、この力は天光琳のものなのだと......。
そして、この反応だと、天宇軒も知っているのだろう。
「そして、すまない。次に君にも使った。君が持っているあの"能力"について全て知っている」
「そうなんですね、それなら話が早いです」
天宇軒は申し訳なさそうに謝ったが、天俊熙はむしろ知っていた方がありがたいと思っているため、気にしていない。
天俊熙の"能力"とは......天光琳に教えなかったあの"能力"だ。
「早く光琳を見つけなければ......」
「「「世界は滅びる」」」
三神は声を揃えてそう言った。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる