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ー光ー 第八章 佳宵星国
第百三話 用意された食事
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移動中、護衛神は何も言わず無言で歩いていたため、天光琳は気まずくて仕方がなかった。
「こちらが食事部屋です」「こちらが中央入口です」など、早口で言われ、早歩きで別の場所に向かう。天光琳も頑張って着いていく。
......なんだかとてもやる気のない感じが伝わってくる。
そして城の外へ出た。
次は街の案内をするそうだ。
(これが......星国の街......)
オシャレな店が立ち並んでいてとても整っているのだが......天光琳は街に住んでいる神々の様子に気になった。
(...なんでみんな疲れた様子なんだろう......笑顔が少ないな......気のせいなのかな)
昼間だと言うのにとても静かだった。
神々は疲れきった様子で、ため息をついている者が多かった。
ここが本当に一位の国なのか疑ってしまう。
そういえば神の力が高いものは多いが、よい国とは言えない......と天麗華が言っていた。
確かにその通りだ。
ここに住んでいる神々は一体どんな気持ちで過ごしているのだろうか。
また、なぜこんなに疲れているのだろう。
天光琳は気になってしまい、護衛神の案内を聞き流してしまった。
今は午後一時過ぎぐらいだろうか。
そろそろお腹がすいてきた。
護衛神はある部屋に天光琳を案内した。
食事部屋ではないが、大きなテーブルと椅子が二つ並べられている。
「昼食はご用意できております。麗華様たちは別で食事を済ませるそうなので、光琳様は一神になってしまいますが......」
「分かりました。ありがとうございます」
天光琳は椅子に座った。
しかし何かおかしい......と違和感に気づいた。
(みんなに見られながら食べるのか.....?)
用意されている食事は天光琳一神ぶんのみだ。
他の護衛神......四名いるのだが、その神は天光琳を囲むような感じで立っている。
(食べにくいよっ!!......星国はいつもこうなのかなぁ......)
天光琳は用意された料理を見た。
小籠包、春巻き、天津飯、麻婆豆腐、スープなど中華料理だ。
とても美味しそうな匂いがするのだが、果たしてこれは食べても良いのだろうか。
あまりにも怪しすぎる。
「光琳様......?どうされました...?」
「あ......いえ、なんでもありません」
気にしすぎなのか?
まさかこの料理に毒が混ざっているかもしれないなんて......そんなことあるのだろうか。
天光琳は気のせいだと思い、小籠包を口に入れようとしたその時だった。
「光琳さん......!」
扉が開いた。
......天麗華と一緒にいたはずの星玉風の姿が見える。
「......玉風様......?」
星玉風は天光琳のために用意された料理をしばらく見つめ、護衛神の方を見た。
「聞いていなかったのか?この料理、光琳さんの食べられない食材ばかりじゃないか」
(え...?)
天光琳は食べられない食べ物なんてなく、天光琳は星玉風の方を見た。
星玉風は何か伝えようとしているようにも見えるが......どういう意味なのか全く分からなかった。
「光琳さん、すいません。こちらに来てくれませんか?」
「あ、はい」
天光琳は急いで立ち上がり、料理を残すのは失礼なことだが一口も食べずに星玉風の方へ行った。
「......チッ」
(...?)
護衛神の前を通った時、一瞬舌打ちをしたように聞こえた。
何故だろう。料理を食べなかったからか?
......天光琳は申し訳なく思った。
✿❀✿❀✿
部屋を出ると、星玉風は小さな声で天光琳に聞いた。
「一口も食べてませんか......?」
「はい......残しちゃってすいません」
「うんん、謝ることじゃない。私が呼び出したのが悪いのですから」
星玉風はホッと安心しため息をついた。
天光琳は何が何だか分からなかった。
「えっと......」
「あ、このことについては...何も言わないでください。星連杰に聞かれても『星玉風に呼び出されたので自分はよく分からなかった』って言えば大丈夫です」
「分かりました......」
どういうつもりで呼び出したのかよく分からなかったが、あの気まずい空間で食べなくて済んだため一安心した。
「あ、姉上......!」
星玉風と歩いていると、天麗華の姿が見えた。
天麗華は不安そうな顔をしている。
「大丈夫だった......?」
「.....?」
天光琳は首を傾げた。
しかし天麗華は首を横に振って「なんでもないわ」と言った。
「昼食にしましょうか」
星玉風がそう言うと、天麗華は頷いた。
どうやら二神も昼食はまだのようだ。
「何食べたいですか?」
「小籠包......」
天光琳は先程の小籠包が美味しそうで、食べたくなってきた。
天麗華は特にないようで、三神で佳宵星国の小籠包の店へ行き、昼食を済ませることにした。
昼食を食べている時、天光琳は不思議に思った。
天麗華と星玉風は仲が良いのかと思っていたのだが......あまり話さなかった。
天麗華は天光琳に、星玉風も天光琳に話しかけ、天光琳は忙しかった。
「こちらが食事部屋です」「こちらが中央入口です」など、早口で言われ、早歩きで別の場所に向かう。天光琳も頑張って着いていく。
......なんだかとてもやる気のない感じが伝わってくる。
そして城の外へ出た。
次は街の案内をするそうだ。
(これが......星国の街......)
オシャレな店が立ち並んでいてとても整っているのだが......天光琳は街に住んでいる神々の様子に気になった。
(...なんでみんな疲れた様子なんだろう......笑顔が少ないな......気のせいなのかな)
昼間だと言うのにとても静かだった。
神々は疲れきった様子で、ため息をついている者が多かった。
ここが本当に一位の国なのか疑ってしまう。
そういえば神の力が高いものは多いが、よい国とは言えない......と天麗華が言っていた。
確かにその通りだ。
ここに住んでいる神々は一体どんな気持ちで過ごしているのだろうか。
また、なぜこんなに疲れているのだろう。
天光琳は気になってしまい、護衛神の案内を聞き流してしまった。
今は午後一時過ぎぐらいだろうか。
そろそろお腹がすいてきた。
護衛神はある部屋に天光琳を案内した。
食事部屋ではないが、大きなテーブルと椅子が二つ並べられている。
「昼食はご用意できております。麗華様たちは別で食事を済ませるそうなので、光琳様は一神になってしまいますが......」
「分かりました。ありがとうございます」
天光琳は椅子に座った。
しかし何かおかしい......と違和感に気づいた。
(みんなに見られながら食べるのか.....?)
用意されている食事は天光琳一神ぶんのみだ。
他の護衛神......四名いるのだが、その神は天光琳を囲むような感じで立っている。
(食べにくいよっ!!......星国はいつもこうなのかなぁ......)
天光琳は用意された料理を見た。
小籠包、春巻き、天津飯、麻婆豆腐、スープなど中華料理だ。
とても美味しそうな匂いがするのだが、果たしてこれは食べても良いのだろうか。
あまりにも怪しすぎる。
「光琳様......?どうされました...?」
「あ......いえ、なんでもありません」
気にしすぎなのか?
まさかこの料理に毒が混ざっているかもしれないなんて......そんなことあるのだろうか。
天光琳は気のせいだと思い、小籠包を口に入れようとしたその時だった。
「光琳さん......!」
扉が開いた。
......天麗華と一緒にいたはずの星玉風の姿が見える。
「......玉風様......?」
星玉風は天光琳のために用意された料理をしばらく見つめ、護衛神の方を見た。
「聞いていなかったのか?この料理、光琳さんの食べられない食材ばかりじゃないか」
(え...?)
天光琳は食べられない食べ物なんてなく、天光琳は星玉風の方を見た。
星玉風は何か伝えようとしているようにも見えるが......どういう意味なのか全く分からなかった。
「光琳さん、すいません。こちらに来てくれませんか?」
「あ、はい」
天光琳は急いで立ち上がり、料理を残すのは失礼なことだが一口も食べずに星玉風の方へ行った。
「......チッ」
(...?)
護衛神の前を通った時、一瞬舌打ちをしたように聞こえた。
何故だろう。料理を食べなかったからか?
......天光琳は申し訳なく思った。
✿❀✿❀✿
部屋を出ると、星玉風は小さな声で天光琳に聞いた。
「一口も食べてませんか......?」
「はい......残しちゃってすいません」
「うんん、謝ることじゃない。私が呼び出したのが悪いのですから」
星玉風はホッと安心しため息をついた。
天光琳は何が何だか分からなかった。
「えっと......」
「あ、このことについては...何も言わないでください。星連杰に聞かれても『星玉風に呼び出されたので自分はよく分からなかった』って言えば大丈夫です」
「分かりました......」
どういうつもりで呼び出したのかよく分からなかったが、あの気まずい空間で食べなくて済んだため一安心した。
「あ、姉上......!」
星玉風と歩いていると、天麗華の姿が見えた。
天麗華は不安そうな顔をしている。
「大丈夫だった......?」
「.....?」
天光琳は首を傾げた。
しかし天麗華は首を横に振って「なんでもないわ」と言った。
「昼食にしましょうか」
星玉風がそう言うと、天麗華は頷いた。
どうやら二神も昼食はまだのようだ。
「何食べたいですか?」
「小籠包......」
天光琳は先程の小籠包が美味しそうで、食べたくなってきた。
天麗華は特にないようで、三神で佳宵星国の小籠包の店へ行き、昼食を済ませることにした。
昼食を食べている時、天光琳は不思議に思った。
天麗華と星玉風は仲が良いのかと思っていたのだが......あまり話さなかった。
天麗華は天光琳に、星玉風も天光琳に話しかけ、天光琳は忙しかった。
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