鬼使神差〜無能神様が世界を変える物語〜

天楪鶴

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ー光ー 第六章 燦爛鳳条国

第八十一話 その頃

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 一方その頃。

 天麗華たちはなんとか焔光山から抜け出し、燦爛鳳条国の城にいる。
 いくら探しても見つからず、仲間を増やしに来たのだ。


「そんなことがあったとは......今すぐ焔光山に派遣する護衛神を集めます。......少し時間がかかってしまうので、その間、天様方は休んでいてください」

「いえ......大丈夫です」


 こんな状況では休めないだろう。
 天俊熙も天麗華も休む気は無い。
 天李偉は......本当は休みたいようだが、弟が頑張っているのに自分だけ休むのは情けない。そのため、目を擦りながら頑張っている。

 皆はげっそりとした様子だ。


「少しでも休んでください......。その状態ですと、いつか倒れてしまいます。倒れてしまったら助けに行けないでしょう......?」

「わ...わかりました」


 三神はもう限界に近い。これ以上無理したら危険だ。

 そのため休むことにした。
 鳳条眞秀の側近清之介(きよのすけ)に案内をされ、仮眠用の部屋に来た。
 そこで一時間ほど仮眠をし、再び出発することにする。

 三神はベッドに横になるとすぐに眠気が襲ってきた。ここ何日も眠っていなかったからだ。

 三神は目を閉じ、眠った。



 ✿❀✿❀✿



 一時間後、清之介が呼びに来て、三神は目を覚ました。

 まだ眠いけれど、だいぶ回復はした。
 神なので人間より回復は早い。


「光琳たちは......こんなに気持ちよく寝れていないだろうな......」

「そうね。......そもそも...生きているのか......どうか......」


 天麗華の目から涙がこぼれ落ちた。
 つられて天俊熙も涙が流れてきたが、必死にこらえた。


「行きましょう。まだ生きていると思いますし!」

「えぇ。きっと生きているわ!」


 三神は整え、沢山の護衛神と一緒に再び焔光山へ向かった。
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