81 / 184
ー光ー 第六章 燦爛鳳条国
第八十話 舞
しおりを挟む
一度深呼吸をし、天光琳は扇を開いた。
神の力は使えず...音楽はないため、天光琳は......歌を歌いながら舞をしている。
二神は天光琳の美しい舞と......美しい歌声に驚いた。
とてもギャップを感じられる。
神の力が使えなくても、こんなに美しく舞うことができるのかと。
二神は瞬きをするのを忘れるほど、しっかりと見ている。
これは平穏無事之舞。
離れた仲間の無事を祈るのも込めて、この舞にしたようだ。
動きはゆっくり美しく、清らかに舞う。
そして歌声も優しくしている。
舞終わり、天光琳はそっと扇を閉じた。
「す......凄い......光琳、君凄いね!神かよ!!」
「いや神だよ」
「あ、僕たちは神だったね!うーん、じゃ、神以上に凄いよ!!」
天光琳はクスクスと照れ笑いした。
「凄いな。やっぱり努力し続けてる神の枚は綺麗だ。俺たちの舞とは少し違うけど、こんな綺麗な舞は初めて見た」
「へへ、ありがとう...」
天光琳は扇を腰に刺し直し、座った。
「天国の舞は、歌もセットなの?」
京極伽耶斗がそう言うと、天光琳は首を横に振った。
「本来なら、神の力で曲を流して舞うんです。だけど、僕は神の力が使えないので、曲は流せない......。だから一神で舞う時はたまにこうやって歌を歌って、リズムを取っているんです」
「へー!それは凄いや!」
京極伽耶斗は拍手をした。
神の力を使って曲を流すところは、燦爛鳳条国も同じだ。
しかし、神の力が使えず、曲を流せないため、自分で歌を歌う.....とは面白い発想だ。
「歌詞は自分で考えてるのか?」
「うーん......全て考えている訳では無いです」
実は桜雲天国には、一冊の貴重な書物があり、その書物には沢山の曲が載っている。
振り付けや意味、そして物語が書かれている。
昔は振り付けや意味だけだったのだが、ある先祖が物語を付け足すと、想像しやすくて舞いやすいだろう...と付け足したのだ。
天光琳はその物語を元にして、歌詞にした。
小さいから本が好きだった天光琳は、この書物を丸々暗記し、物語を勝手に歌詞にした。
そして舞の振り付けを覚える時も、たまに小さな声で歌い、練習していた。
そしてそれを繰り返していた結果、なんと歌も上手くなってしまったのだ。
しかし、人前では歌うのは恥ずかしいと、歌うことはあまり無かった。
聞いたことあるのは天麗華と天俊熙ぐらいだ。
「良ければ、鳳条国の舞も見せてくれませんか...?」
「もちろん、いいよ!ね、庵?」
あぁ、と京極庵も頷いた。
早速見せてくれるようで、二神は立ち上がり、横に並んだ。
そして二神は扇子を取り出し、両手で持った。
京極伽耶斗が右手の扇子をバッと開き、くるくると回した。すると、光が出てきて、それを上にあげた。
すると炎のように光は燃え上がり、曲が流れ始めた。
二神は扇子を広げ、舞い始めた。
燦爛鳳条国の舞は...激しくかっこいい舞だ。
扇子の先には炎が着いており、暗闇を明るく照らす。大きく回ったりすると、光が繋がって見える。まるでトーチトワリングのようだ。
(か......かっこいい...!!)
天光琳は鳥肌が止まらなかった。
そして、炎ってこんなに美しいものなんだと感動した。
二神の息はピッタリだ。
さすが兄弟。
練習をしなくとも、こんなに合うとは。
......もしかしたら、普段から二神で舞っているのかもしれない。振り付けが二神居ないと出来ないようなものだから。
舞終わり、炎がぱっと消えた。
天光琳は力強く拍手をした。
「かっこよかったですっ!!!」
天光琳は立ち上がり、飛び跳ねながら言った。
「それは良かった!」
「同じ舞でも、国によって全然違うんですね......!」
「そうみたいだな」
桜雲天国はどっちかと言うと、美しくゆっくりとした舞が多い。しかし、燦爛鳳条国はかっこよく激しい舞が多いのだ。
二神は扇子を腰にさした。
休憩...というのに、三神は体力を消費してしまった。
まだ休んだほうが良いだろう。
三神はしばらく座って話をしたあと、疲れが取れ、また先を進むことにした。
神の力は使えず...音楽はないため、天光琳は......歌を歌いながら舞をしている。
二神は天光琳の美しい舞と......美しい歌声に驚いた。
とてもギャップを感じられる。
神の力が使えなくても、こんなに美しく舞うことができるのかと。
二神は瞬きをするのを忘れるほど、しっかりと見ている。
これは平穏無事之舞。
離れた仲間の無事を祈るのも込めて、この舞にしたようだ。
動きはゆっくり美しく、清らかに舞う。
そして歌声も優しくしている。
舞終わり、天光琳はそっと扇を閉じた。
「す......凄い......光琳、君凄いね!神かよ!!」
「いや神だよ」
「あ、僕たちは神だったね!うーん、じゃ、神以上に凄いよ!!」
天光琳はクスクスと照れ笑いした。
「凄いな。やっぱり努力し続けてる神の枚は綺麗だ。俺たちの舞とは少し違うけど、こんな綺麗な舞は初めて見た」
「へへ、ありがとう...」
天光琳は扇を腰に刺し直し、座った。
「天国の舞は、歌もセットなの?」
京極伽耶斗がそう言うと、天光琳は首を横に振った。
「本来なら、神の力で曲を流して舞うんです。だけど、僕は神の力が使えないので、曲は流せない......。だから一神で舞う時はたまにこうやって歌を歌って、リズムを取っているんです」
「へー!それは凄いや!」
京極伽耶斗は拍手をした。
神の力を使って曲を流すところは、燦爛鳳条国も同じだ。
しかし、神の力が使えず、曲を流せないため、自分で歌を歌う.....とは面白い発想だ。
「歌詞は自分で考えてるのか?」
「うーん......全て考えている訳では無いです」
実は桜雲天国には、一冊の貴重な書物があり、その書物には沢山の曲が載っている。
振り付けや意味、そして物語が書かれている。
昔は振り付けや意味だけだったのだが、ある先祖が物語を付け足すと、想像しやすくて舞いやすいだろう...と付け足したのだ。
天光琳はその物語を元にして、歌詞にした。
小さいから本が好きだった天光琳は、この書物を丸々暗記し、物語を勝手に歌詞にした。
そして舞の振り付けを覚える時も、たまに小さな声で歌い、練習していた。
そしてそれを繰り返していた結果、なんと歌も上手くなってしまったのだ。
しかし、人前では歌うのは恥ずかしいと、歌うことはあまり無かった。
聞いたことあるのは天麗華と天俊熙ぐらいだ。
「良ければ、鳳条国の舞も見せてくれませんか...?」
「もちろん、いいよ!ね、庵?」
あぁ、と京極庵も頷いた。
早速見せてくれるようで、二神は立ち上がり、横に並んだ。
そして二神は扇子を取り出し、両手で持った。
京極伽耶斗が右手の扇子をバッと開き、くるくると回した。すると、光が出てきて、それを上にあげた。
すると炎のように光は燃え上がり、曲が流れ始めた。
二神は扇子を広げ、舞い始めた。
燦爛鳳条国の舞は...激しくかっこいい舞だ。
扇子の先には炎が着いており、暗闇を明るく照らす。大きく回ったりすると、光が繋がって見える。まるでトーチトワリングのようだ。
(か......かっこいい...!!)
天光琳は鳥肌が止まらなかった。
そして、炎ってこんなに美しいものなんだと感動した。
二神の息はピッタリだ。
さすが兄弟。
練習をしなくとも、こんなに合うとは。
......もしかしたら、普段から二神で舞っているのかもしれない。振り付けが二神居ないと出来ないようなものだから。
舞終わり、炎がぱっと消えた。
天光琳は力強く拍手をした。
「かっこよかったですっ!!!」
天光琳は立ち上がり、飛び跳ねながら言った。
「それは良かった!」
「同じ舞でも、国によって全然違うんですね......!」
「そうみたいだな」
桜雲天国はどっちかと言うと、美しくゆっくりとした舞が多い。しかし、燦爛鳳条国はかっこよく激しい舞が多いのだ。
二神は扇子を腰にさした。
休憩...というのに、三神は体力を消費してしまった。
まだ休んだほうが良いだろう。
三神はしばらく座って話をしたあと、疲れが取れ、また先を進むことにした。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
妹と人生を入れ替えました〜皇太子さまは溺愛する相手をお間違えのようです〜
鈴宮(すずみや)
恋愛
「俺の妃になって欲しいんだ」
従兄弟として育ってきた憂炎(ゆうえん)からそんなことを打診された名家の令嬢である凛風(りんふぁ)。
実は憂炎は、嫉妬深い皇后の手から逃れるため、後宮から密かに連れ出された現皇帝の実子だった。
自由を愛する凛風にとって、堅苦しい後宮暮らしは到底受け入れられるものではない。けれど憂炎は「妃は凛風に」と頑なで、考えを曲げる様子はなかった。
そんな中、凛風は双子の妹である華凛と入れ替わることを思い付く。華凛はこの提案を快諾し、『凛風』として入内をすることに。
しかし、それから数日後、今度は『華凛(凛風)』に対して、憂炎の補佐として出仕するようお達しが。断りきれず、渋々出仕した華凛(凛風)。すると、憂炎は華凛(凛風)のことを溺愛し、籠妃のように扱い始める。
釈然としない想いを抱えつつ、自分の代わりに入内した華凛の元を訪れる凛風。そこで凛風は、憂炎が入内以降一度も、凛風(華凛)の元に一度も通っていないことを知る。
『だったら最初から『凛風』じゃなくて『華凛』を妃にすれば良かったのに』
憤る凛風に対し、華凛が「三日間だけ元の自分戻りたい」と訴える。妃の任を押し付けた負い目もあって、躊躇いつつも華凛の願いを聞き入れる凛風。しかし、そんな凛風のもとに憂炎が現れて――――。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~
白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。
日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。
ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。
目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ!
大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。
【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる