38 / 184
ー光ー 第三章 旅の後
第三十七話 女子会
しおりを挟む
その頃女子会では。
天麗華の部屋の真ん中には丸いテーブルがあり、その周りに天万姫、天麗華、天語汐、天李偉、天李静が座っている。
テーブルにはアフタヌーンティースタンドが置いてあり、様々なスイーツがのっている。
そして色々な種類のお茶があり、五神はそれぞれ違うお茶を飲んでいる。
「麗華、本当にお疲れ様。怪我は大丈夫?」
天万姫は紅茶に砂糖を入れ、スプーンで混ぜながら言った。
「ええ、大丈夫よ。もうどこも痛まないの。薬師さんには感謝しないと」
天麗華は腕を動かし、笑顔で言った。
神の力のおかげで早く治った。人間だったらこのレベルの怪我ではまだ治っていないだろう...。
「良かったぁ。麗華ちゃん達が死んじゃったらどうしよう...ってずっと不安だったわ」
天李偉がそう言うと、隣で天李静もクッキーを食べながら頷いた。
「光琳と俊熙が頑張ってくれたから私は無事だったのよ。本当にあの二神かっこよかったのよ」
「そうなのね。...私が行っていたらきっと守れなかったと思うわ...」
天語汐はチョコレートケーキを一口サイズに切りながら言った。
五神はスイーツを食べながら話を続けていく。
「ねぇ、俊熙はどんな感じだった?」
天俊熙の姉である天李偉は弟の活躍を知りたくてソワソワしている。
母である天語汐、妹である天李静も聞きたそうな顔をしているため、天麗華は先程まで食べていたマフィンをテーブルの上に置き、口を紙ナプキンで拭いたあと、笑顔で話し始めた。
「俊熙はね、光琳が倒れてしまった時、急いで結界を張って守ってくれたの。しかも光琳だけじゃなくて私も一緒にね」
天麗華がそう言うと、三神は頷きながら、どんどん嬉しそうな顔をする。さすが天俊熙だと。天麗華はその様子を見ながら話を続けた。
「悪神の力は強くて......結界を何度も壊されてしまったけれど、また直ぐに張りなおしてくれたのよ。神の力を大量に消費するのに......『俺が守ってみせます』って言っていて...とてもかっこよかったわ」
天麗華は悪神と戦っている時のことを頭に浮かべながら話した。
あの時の天俊熙はとてもかっこよかった。
どれだけ結界を張っても壊されるだけ。
しかし時間は稼げる。時間を稼ぐことができると、天麗華が攻撃をする時間が増えるのだ。そのため、何度も何度も結界
を張り直し、二神を必死に守っていた。
「私、...奇跡の神なのに......二神に守ってもらってばかりで、何も出来なかったわ」
天麗華は下を向き手を強く握った。
天麗華はあの悪神に攻撃をしていたが、全て避けられてしまったため、自分は何も出来なかったと言っている。
奇跡の神であるのに一度も攻撃をあたえられなかった。
もし攻撃できていたら...大怪我をすることはなかった。天光琳が二神を庇う必要がなかった...のかもしれない。
天麗華は悔しくてたまらなかった。
「麗華、あなたもよく頑張ったわよ。あの悪神が強かっただけよ。貴方が弱い訳では無いわ」
天万姫は天麗華の強く握っている手の上に優しく手を置いた。
「...ありがとうごさいます。...でも、もう少し強くなるわ。あの悪神からみんなを守れるぐらい強くなります」
顔をゆっくりと上げ、真剣な顔で天万姫に言った。
「...無理はしないでね」
「はい!」
天万姫がそう言うと、天麗華は笑顔で返事をした。
「ところで天光琳は剣使えたの?」
天語汐は紅茶をティーカップに注ぎながら天麗華に聞いた。
「えぇ。悪神が強すぎて全て弾かれてしまっていたけれど、動きは素早く、振り下ろす力は強かったわ」
天麗華がそう言うと、隣にいる天万姫は嬉しそうな顔をした。
「いつか見てみたいわ、光琳の剣術」
「絶対に見た方が良いですよ!」
天麗華は力強く言った。多くの人に弟の凄さを見てもらいたい......そう思った。
「麗華ちゃんが攻撃する姿、見てみたかったわ!」
「...うん」
天李偉がティーカップを持ちながら言うと、天李静もカップケーキを食べながら頷いた。
すると、天麗華は首を横に振った。
「そんなにかっこよくないわよ...?」
そう言ってクッキーを一口食べた。
天麗華の部屋の真ん中には丸いテーブルがあり、その周りに天万姫、天麗華、天語汐、天李偉、天李静が座っている。
テーブルにはアフタヌーンティースタンドが置いてあり、様々なスイーツがのっている。
そして色々な種類のお茶があり、五神はそれぞれ違うお茶を飲んでいる。
「麗華、本当にお疲れ様。怪我は大丈夫?」
天万姫は紅茶に砂糖を入れ、スプーンで混ぜながら言った。
「ええ、大丈夫よ。もうどこも痛まないの。薬師さんには感謝しないと」
天麗華は腕を動かし、笑顔で言った。
神の力のおかげで早く治った。人間だったらこのレベルの怪我ではまだ治っていないだろう...。
「良かったぁ。麗華ちゃん達が死んじゃったらどうしよう...ってずっと不安だったわ」
天李偉がそう言うと、隣で天李静もクッキーを食べながら頷いた。
「光琳と俊熙が頑張ってくれたから私は無事だったのよ。本当にあの二神かっこよかったのよ」
「そうなのね。...私が行っていたらきっと守れなかったと思うわ...」
天語汐はチョコレートケーキを一口サイズに切りながら言った。
五神はスイーツを食べながら話を続けていく。
「ねぇ、俊熙はどんな感じだった?」
天俊熙の姉である天李偉は弟の活躍を知りたくてソワソワしている。
母である天語汐、妹である天李静も聞きたそうな顔をしているため、天麗華は先程まで食べていたマフィンをテーブルの上に置き、口を紙ナプキンで拭いたあと、笑顔で話し始めた。
「俊熙はね、光琳が倒れてしまった時、急いで結界を張って守ってくれたの。しかも光琳だけじゃなくて私も一緒にね」
天麗華がそう言うと、三神は頷きながら、どんどん嬉しそうな顔をする。さすが天俊熙だと。天麗華はその様子を見ながら話を続けた。
「悪神の力は強くて......結界を何度も壊されてしまったけれど、また直ぐに張りなおしてくれたのよ。神の力を大量に消費するのに......『俺が守ってみせます』って言っていて...とてもかっこよかったわ」
天麗華は悪神と戦っている時のことを頭に浮かべながら話した。
あの時の天俊熙はとてもかっこよかった。
どれだけ結界を張っても壊されるだけ。
しかし時間は稼げる。時間を稼ぐことができると、天麗華が攻撃をする時間が増えるのだ。そのため、何度も何度も結界
を張り直し、二神を必死に守っていた。
「私、...奇跡の神なのに......二神に守ってもらってばかりで、何も出来なかったわ」
天麗華は下を向き手を強く握った。
天麗華はあの悪神に攻撃をしていたが、全て避けられてしまったため、自分は何も出来なかったと言っている。
奇跡の神であるのに一度も攻撃をあたえられなかった。
もし攻撃できていたら...大怪我をすることはなかった。天光琳が二神を庇う必要がなかった...のかもしれない。
天麗華は悔しくてたまらなかった。
「麗華、あなたもよく頑張ったわよ。あの悪神が強かっただけよ。貴方が弱い訳では無いわ」
天万姫は天麗華の強く握っている手の上に優しく手を置いた。
「...ありがとうごさいます。...でも、もう少し強くなるわ。あの悪神からみんなを守れるぐらい強くなります」
顔をゆっくりと上げ、真剣な顔で天万姫に言った。
「...無理はしないでね」
「はい!」
天万姫がそう言うと、天麗華は笑顔で返事をした。
「ところで天光琳は剣使えたの?」
天語汐は紅茶をティーカップに注ぎながら天麗華に聞いた。
「えぇ。悪神が強すぎて全て弾かれてしまっていたけれど、動きは素早く、振り下ろす力は強かったわ」
天麗華がそう言うと、隣にいる天万姫は嬉しそうな顔をした。
「いつか見てみたいわ、光琳の剣術」
「絶対に見た方が良いですよ!」
天麗華は力強く言った。多くの人に弟の凄さを見てもらいたい......そう思った。
「麗華ちゃんが攻撃する姿、見てみたかったわ!」
「...うん」
天李偉がティーカップを持ちながら言うと、天李静もカップケーキを食べながら頷いた。
すると、天麗華は首を横に振った。
「そんなにかっこよくないわよ...?」
そう言ってクッキーを一口食べた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。


とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる