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悪魔の花嫁
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「さなえさん、おれはあなたが好きです。つきあってください。」高校生のとき、あこがれていた同級生鈴木健斗に告白された。
わたしはとてもうれしくて夢ではないかとうたがった。
「わたしでいいの?」涙をこらえていうと健斗はほほえんだ。
「おれ、ずっとさなえさんが好きだったんだ。さなえさん以外かんがえられないんだ。」こらえきれなくなった涙をながしてよろこんだ。
「わたしこそよろしくね。」その日は、いつもより空があかるく見えた。
つぎの日、学校に行くと友達の春香が休んでいた。
いつもなら休む日はわたしに連絡をくれるのにおかしい。
思い返せば、最近の春香はおかしかった。
勉強は学年1だったのに、最近は赤点ぎりぎりだったり、顔色もあまりよくなかった。
春香のことをかんがえているとチャイムがなりホームルームがはじまった。
「みんな、おはよう。」がらがらと教室のドアをあけて高村先生が入ってきた。
全員が声をあわせておはようございますと挨拶した。
「あの先生、松山さんがきていません。なにか聞いていますか?」わたしは悪い予感がして、先生に聞いた。
「松山がきてないのはめずらしい。おれにはなにも連絡はきてないが、後で川谷に話がある。」きっと春香のことだろうなとおもった。
「じゃあ、出席をとるぞ。」先生はたんたんと出席をとっていった。
授業が終わって昼休みがきたとき、先生に職員室によびだされた。
「悪いなきゅうに。じつは松山の母親から朝に電話があってな。松山が行方不明らしい。心当たりはないか?」高村先生から聞いたとき、おどろいて取り乱してしまいそうだったが、なんとかこらえられた。
心当たりはありすぎた。
春香は美人だから誘拐される可能性はある。
クラスの男子たちも春香の彼氏の雨宮くんもあやしいが、ふとわたしは体育の石田先生をあやしんだ。
石田先生は女子生徒の体をさわったり、セクハラをよくしていたからだ。
「あの、わたし石田先生があやしいとおもいます。」
「わかった。たすかる。石田先生は今日はきていないんだ。今日、おれが石田先生のところへいくから、待っててくれ。」わたしは春香が心配でたまらなかった。
「先生、わたしも行きたいです。」
「お前は女子だからなにかあったらおわりだぞ。それにお前はおれの生徒だ。きずついてほしくない。」高村先生の気持ちはうれしかった。だけど、春香をたすけたかった。
「わかっています。でも、わたしも松山さんをたすけたいんです。」必死におねがいした。
「わかった。松山の親友だからな。」わたしは覚悟をきめて石田先生の家に行くことにした。
放課後になり、わたしは高村先生の車にのり、石田先生の家にむかった。
石田先生の家には5分ほどでついた。
入る前に高村先生からボイスレコーダーをわたされた。
「なにかあったら、警察にとどけてくれ。」わたしも高村先生も覚悟をきめてチャイムをならした。
すると、ドアをあけて、石田先生がでてきた。
「高村先生に川谷さん?どうしたんですか?」あいそよく出てきた。
「昨日から松山がいないんですよ。先生の家にいないか見にきたんです。」高村先生がいうと、石田先生は冷静に言った。
「なるほど。おれを疑ってるんですね。でも、あいにくいませんよ。」高村先生は石田先生がしてきたセクハラをしっていた。
「それは見てみないとわかりませんよ。なにもないならあがってもいいですよね。」石田先生はため息を1つついた。
「わかりました。ただし、高村先生お一人であがってください。おれは川谷さんと待ってますから。」高村先生は了承した。
「わかりました。川谷、しばらく待っていてくれ。」高村先生は行ってしまった。
石田先生と二人になるといやな雰囲気になった。
わたしはボイスレコーダーのスイッチをおした。
「春香ちゃんのためにきたんだね。でも、春香ちゃんはここにはいないよ。でも、春香ちゃんを誘拐したのはおれだよ。」怒りの感情がこみあげてきた。
わたしは石田先生にむかって怒りの感情をむきだしにした。
「春香はどこにいる?だせ。教師だろうと春香を誘拐するやつはゆるさない。」石田先生はわたしの頭をかるくたたいて言った。
「そうそう。もっと怒って。彼女は人質なんだよ。おれは、さなえちゃんが好きなんだ。だけど、さなえちゃんはふりむくどころかセクハラするおれに怒ったりしてたよね。さなえちゃんがおれの彼女になってくれないから、春香ちゃんを人質にとったんだ。ねえ、今チャンスをあげるよ。おれの彼女になってくれたら春香ちゃんはかえしてあげる。ことわったら、春香ちゃんは殺しちゃうよ。さなえちゃんのかばんのボイスレコーダーもこわしちゃうから。」わたしは、泣いてしまった。
ボイスレコーダーの存在に気づかれたことも春香を誘拐されたこともかなしかった。
わたしは泣きながら返事をかえした。
「わたしとつきあってください。」石田先生は笑みをこぼした。
「おれ、君が大人になるまで待っててあげるからね。ただ、これがあるなら都合が悪いから。」石田先生はわたしのかばんからボイスレコーダーを奪うようにしてとり、こわしてしまった。
しばらくして、高村先生がでてきた。
「松山はいませんでした。すいません。」
「いえ、かまいません。松山さんがでてくるのを心からねがってます。」わたしと高村先生は車で帰った。
涙を必死にこらえていた。
家につくと、わたしは自分の部屋で大泣きした。
石田先生は悪魔だと心からおもった。
つぎの日、ホームルームの時間に高村先生から春香が無事家に帰ったとつたえられた。
今はショックで家で休んでいると聞いた。
わたしは、安心した気持ちと昨日のショックがまじった。
健斗にはやくわかれをつげなきゃというかなしさがあった。
昼休みになり、わたしは健斗を誰もいない校庭によびだした。
「話ってなに?」健斗は笑顔で聞いた。
「ごめん。わたしとわかれて。」すると健斗はおどろいていた。
「どうして?おれ、本気で好きだったのに。」わたしが説明しようとしたとき、石田先生がわたしを見つけてかけよった。
「さなえちゃん、今日おれの家にきてよ。かわいがってあげる。」わたしは笑顔をつくった。
「うん。ありがとう。大好き。」健斗はひいていたようだ。
「あ、鈴木くん、このことは内緒だよ。」笑顔で石田先生は言った。
健斗はなにも言わず教室に帰って行った。
「じゃあ、また帰りにね。」これから悪夢が始まるんだと覚悟した。
それからわたしは石田先生とデートをしたり、むりやりキスをせまられたりした。
もしさからえば、また春香や他の人を誘拐すると言われ、応じるしかなかった。
クラスでは誰かのうわさでセクハラ教師の彼女といじめられるようになった。
わたしはそんないじめにもたえた。
そして、わたしが大学生になると石田先生は結婚をせまるようになった。
「そろそろ結婚しようよ。さなえちゃんは働かなくていいよ。おれの帰りをご飯つくって待っててよ。」さからえば怖い。
自分の身の危険すらかんじていた。
わたしは20歳をすぎたから、親をおしきってできる歳だ。
「わかった。結婚してください。」
「うれしいよ。結婚式の予定と指輪はえらんであげる。」この人の花嫁になりたくないという気持ちでいっぱいだった。
そして、1年もたたないうちに結婚式はおこなわれた。
白いドレスに身をつつみ、下をむいて泣いてしまった。
バージンロードを歩いて石田先生のもとへ行こうとしたときだった。
「川谷、待ってくれ。」ふりかえると高村先生と春香がカメラをもって立っていた。
「二人とも今はひっこんでください。」石田先生が怒りをあらわにして言った。
「誓われたらこまるんですよ。これを見てください。」春香がビデオをまわした。
そこには、誰もしらないようなデートの映像がうつっていた。
わたしをおどしているところがうつされていたり、わたしが泣いている映像もうつされていた。
「ごめんな。気づいてやれなかった。」高村先生は泣きながらそう言った。
石田先生は警察につかまった。
その後、わたしは優しい男性と結婚できた。
高村先生と春香には感謝してもしきれない。
長い苦しみからようやくかいほうされた。
わたしはとてもうれしくて夢ではないかとうたがった。
「わたしでいいの?」涙をこらえていうと健斗はほほえんだ。
「おれ、ずっとさなえさんが好きだったんだ。さなえさん以外かんがえられないんだ。」こらえきれなくなった涙をながしてよろこんだ。
「わたしこそよろしくね。」その日は、いつもより空があかるく見えた。
つぎの日、学校に行くと友達の春香が休んでいた。
いつもなら休む日はわたしに連絡をくれるのにおかしい。
思い返せば、最近の春香はおかしかった。
勉強は学年1だったのに、最近は赤点ぎりぎりだったり、顔色もあまりよくなかった。
春香のことをかんがえているとチャイムがなりホームルームがはじまった。
「みんな、おはよう。」がらがらと教室のドアをあけて高村先生が入ってきた。
全員が声をあわせておはようございますと挨拶した。
「あの先生、松山さんがきていません。なにか聞いていますか?」わたしは悪い予感がして、先生に聞いた。
「松山がきてないのはめずらしい。おれにはなにも連絡はきてないが、後で川谷に話がある。」きっと春香のことだろうなとおもった。
「じゃあ、出席をとるぞ。」先生はたんたんと出席をとっていった。
授業が終わって昼休みがきたとき、先生に職員室によびだされた。
「悪いなきゅうに。じつは松山の母親から朝に電話があってな。松山が行方不明らしい。心当たりはないか?」高村先生から聞いたとき、おどろいて取り乱してしまいそうだったが、なんとかこらえられた。
心当たりはありすぎた。
春香は美人だから誘拐される可能性はある。
クラスの男子たちも春香の彼氏の雨宮くんもあやしいが、ふとわたしは体育の石田先生をあやしんだ。
石田先生は女子生徒の体をさわったり、セクハラをよくしていたからだ。
「あの、わたし石田先生があやしいとおもいます。」
「わかった。たすかる。石田先生は今日はきていないんだ。今日、おれが石田先生のところへいくから、待っててくれ。」わたしは春香が心配でたまらなかった。
「先生、わたしも行きたいです。」
「お前は女子だからなにかあったらおわりだぞ。それにお前はおれの生徒だ。きずついてほしくない。」高村先生の気持ちはうれしかった。だけど、春香をたすけたかった。
「わかっています。でも、わたしも松山さんをたすけたいんです。」必死におねがいした。
「わかった。松山の親友だからな。」わたしは覚悟をきめて石田先生の家に行くことにした。
放課後になり、わたしは高村先生の車にのり、石田先生の家にむかった。
石田先生の家には5分ほどでついた。
入る前に高村先生からボイスレコーダーをわたされた。
「なにかあったら、警察にとどけてくれ。」わたしも高村先生も覚悟をきめてチャイムをならした。
すると、ドアをあけて、石田先生がでてきた。
「高村先生に川谷さん?どうしたんですか?」あいそよく出てきた。
「昨日から松山がいないんですよ。先生の家にいないか見にきたんです。」高村先生がいうと、石田先生は冷静に言った。
「なるほど。おれを疑ってるんですね。でも、あいにくいませんよ。」高村先生は石田先生がしてきたセクハラをしっていた。
「それは見てみないとわかりませんよ。なにもないならあがってもいいですよね。」石田先生はため息を1つついた。
「わかりました。ただし、高村先生お一人であがってください。おれは川谷さんと待ってますから。」高村先生は了承した。
「わかりました。川谷、しばらく待っていてくれ。」高村先生は行ってしまった。
石田先生と二人になるといやな雰囲気になった。
わたしはボイスレコーダーのスイッチをおした。
「春香ちゃんのためにきたんだね。でも、春香ちゃんはここにはいないよ。でも、春香ちゃんを誘拐したのはおれだよ。」怒りの感情がこみあげてきた。
わたしは石田先生にむかって怒りの感情をむきだしにした。
「春香はどこにいる?だせ。教師だろうと春香を誘拐するやつはゆるさない。」石田先生はわたしの頭をかるくたたいて言った。
「そうそう。もっと怒って。彼女は人質なんだよ。おれは、さなえちゃんが好きなんだ。だけど、さなえちゃんはふりむくどころかセクハラするおれに怒ったりしてたよね。さなえちゃんがおれの彼女になってくれないから、春香ちゃんを人質にとったんだ。ねえ、今チャンスをあげるよ。おれの彼女になってくれたら春香ちゃんはかえしてあげる。ことわったら、春香ちゃんは殺しちゃうよ。さなえちゃんのかばんのボイスレコーダーもこわしちゃうから。」わたしは、泣いてしまった。
ボイスレコーダーの存在に気づかれたことも春香を誘拐されたこともかなしかった。
わたしは泣きながら返事をかえした。
「わたしとつきあってください。」石田先生は笑みをこぼした。
「おれ、君が大人になるまで待っててあげるからね。ただ、これがあるなら都合が悪いから。」石田先生はわたしのかばんからボイスレコーダーを奪うようにしてとり、こわしてしまった。
しばらくして、高村先生がでてきた。
「松山はいませんでした。すいません。」
「いえ、かまいません。松山さんがでてくるのを心からねがってます。」わたしと高村先生は車で帰った。
涙を必死にこらえていた。
家につくと、わたしは自分の部屋で大泣きした。
石田先生は悪魔だと心からおもった。
つぎの日、ホームルームの時間に高村先生から春香が無事家に帰ったとつたえられた。
今はショックで家で休んでいると聞いた。
わたしは、安心した気持ちと昨日のショックがまじった。
健斗にはやくわかれをつげなきゃというかなしさがあった。
昼休みになり、わたしは健斗を誰もいない校庭によびだした。
「話ってなに?」健斗は笑顔で聞いた。
「ごめん。わたしとわかれて。」すると健斗はおどろいていた。
「どうして?おれ、本気で好きだったのに。」わたしが説明しようとしたとき、石田先生がわたしを見つけてかけよった。
「さなえちゃん、今日おれの家にきてよ。かわいがってあげる。」わたしは笑顔をつくった。
「うん。ありがとう。大好き。」健斗はひいていたようだ。
「あ、鈴木くん、このことは内緒だよ。」笑顔で石田先生は言った。
健斗はなにも言わず教室に帰って行った。
「じゃあ、また帰りにね。」これから悪夢が始まるんだと覚悟した。
それからわたしは石田先生とデートをしたり、むりやりキスをせまられたりした。
もしさからえば、また春香や他の人を誘拐すると言われ、応じるしかなかった。
クラスでは誰かのうわさでセクハラ教師の彼女といじめられるようになった。
わたしはそんないじめにもたえた。
そして、わたしが大学生になると石田先生は結婚をせまるようになった。
「そろそろ結婚しようよ。さなえちゃんは働かなくていいよ。おれの帰りをご飯つくって待っててよ。」さからえば怖い。
自分の身の危険すらかんじていた。
わたしは20歳をすぎたから、親をおしきってできる歳だ。
「わかった。結婚してください。」
「うれしいよ。結婚式の予定と指輪はえらんであげる。」この人の花嫁になりたくないという気持ちでいっぱいだった。
そして、1年もたたないうちに結婚式はおこなわれた。
白いドレスに身をつつみ、下をむいて泣いてしまった。
バージンロードを歩いて石田先生のもとへ行こうとしたときだった。
「川谷、待ってくれ。」ふりかえると高村先生と春香がカメラをもって立っていた。
「二人とも今はひっこんでください。」石田先生が怒りをあらわにして言った。
「誓われたらこまるんですよ。これを見てください。」春香がビデオをまわした。
そこには、誰もしらないようなデートの映像がうつっていた。
わたしをおどしているところがうつされていたり、わたしが泣いている映像もうつされていた。
「ごめんな。気づいてやれなかった。」高村先生は泣きながらそう言った。
石田先生は警察につかまった。
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