わたしの友達

わたしの友達

　ある日、ももかちゃんの家に文鳥がやってきました。
「今日から新しい家族よ。なかよくしてあげてね。」まっしろでふわふわな文鳥を見て、ももかちゃんはそれはそれはよろこびました。
「わーい。ママありがとー。」
　ももかちゃんは、その文鳥の名前をしろちゃんと名付けました。
　ももかちゃんとしろちゃんはいつもいっしょ。遊ぶときも、ねるときもはなれることはありません。
　ある日のこと、幼稚園でだれとも遊ばないももかちゃんを先生が心配しました。
　「ねえももちゃん、お友達と遊ばないの？」先生がやさしく聞くとももかちゃんはこたえました。
「わたしにはしろちゃんがいるもん。」
　「だけどももちゃん、幼稚園でもお友達つくったら、もっとたのしいよ。」先生がそう言ったけど、ももかちゃんにはよくわかりませんでした。それからも幼稚園ではお友達とは遊びませんでした。
「ももちゃん、今日わたしの家であそぼうよ。しゅんくんもまゆちゃんもくるから。」おなじ幼稚園のみかちゃんにさそわれたけれど、ももかちゃんのこたえはおなじ。「しろちゃんと遊ぶからいい。」
　ある日、ももかちゃんの夢にしろちゃんがあらわれました。
「ももちゃん、いつも遊んでくれてありがとう。だけど、幼稚園のお友達とも遊んだほうがいいよ。わたしは大丈夫だから。」夢でしろちゃんはそう言いました。
　つぎの日になりました。幼稚園に行くとまゆちゃんに話しかけられました。
「ももちゃんとあそびたいな。」ももちゃんは笑顔でこたえました。
「うん、あそぼう。なにする？」
　あの日、夢にでてきたしろちゃんのおかげで、ももかちゃんにお友達がたくさんできました。