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〈悪役王子〉と〈ヒロイン〉王都編

【51】悪役王子とヒロインは結ばれる −最終日− ★

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 両腕をベッドの上につき、膝を曲げ。腰だけを高く突き出す姿勢になったアリシアの後孔から、にゅっと植物の先が顔を出す。

「うぅん……んっ、あぁん」
『アリシア、平気か?」
「はい……んっ、にゃん!」

 勢いのまま、ぷるんっと飛び出した蕾は、彼女の外で花開いた。薄紅が咲く尻尾を生やしたアリシアは、体勢も相まって、まるで花の魔獣であった。

「ふぅ……」

 花の頭をもつ蛇のように育ち、中を清め終えた植物を、彼女は今、外に出そうとしている。
 ふたりのフィリップの手は、彼女のお腹や腰を擦ったり、淫芽を捏ねたりしていた。
 青楼で、魔法士の仮面を被ったフィリップに愛された時――魔法の植物で責められた時のことを思い出し、アリシアの中はきゅんきゅんする。

「あっ、あ、はぁぁ……」
「ねえ、アリシア……その、あの。青楼でも、きみは、こういうもので支度を……?」
「あちらでは、すでに生えているものを――あっ、鉢植えで飼っている、ものをもって、しておりました。もっと細い品種のものですがっ、んにゃ」
『シシリーが品種改良したもの、なんだっけ? こういうの』
「はい……しっ、シシリー様……シエラさま……のおかげで、花街の女は、幾分か、生きやすくなったと。閨でのことも、その、支度のことも……あうぅ――っ」

 ぬるぬるぬるっと蔓が内壁を優しく擦り、外へと出ていく。つるんっと終端が外に落ちる。アリシアは潮を吹きながら果て、脱力した。
 準備はできた。

「はぁぁ………あぁぁ……」
『お疲れさま、アリシア』
「頑張ったね、よくできた」
「ん……」

 ふたりのフィリップに甘やかされて、アリシアはとろけるような気持ちになる。頭の中がふわふわと気持ちいい……。淫芽や腸内も、余韻で気持ちいい。きもちいい。

『触るよ』
「はい……っ、あぅ、にゃううぅ」

 ひくついていた穴を探るように指を挿れられ、はしたない声が出た。くにゅくにゅと後ろを弄られ、喘ぎ、またも果てそうになるアリシアのそこに、フィリップは雄槍を押し込む。
 指を抜くや否や、一気に。

「にゃああぁぁっ、ああぁぁ――!」
『はは、また、潮吹いちゃって……可愛いね』
「あぅ、はうぅ……」

 いきなりもたらされた圧迫感に、アリシアはくらくらとした。また、未だ空白のままである蜜壺に、耐えがたい寂しさをおぼえる。欲しくなる。

「ふぃっ、ふぃりっぷ、さま……っあぁ、ここ……ここも、挿れて……?」
「アリシア」
「……孕ませて…………っ」

 と、その時。もうひとつの穴に挿入していた背後の彼が、アリシアをさっと抱き上げた。

「にゃぁあ!?」

 青楼でしてきたように慣れた動きで体勢を変え、彼女の花心を、もうひとりのフィリップに見せつけるような体位にする。ぱかりと脚を大きく開かせ、逞しい腕で固定する。

『――ほら』

 片割れの一声を合図に、誘われたフィリップは、アリシアの膣内へと剛直を突き挿した。こつんっと亀頭で子宮口を叩いて、彼女を啼かせる。

「あああぁっ」

 どちらの穴もみっちりと塞がれ、穿たれ、未知の充足感がアリシアを満たす。温かな快楽が爪先まで行き渡るようだった。
 どちゅっ、どちゅっという音がして、前も後ろも気持ちよくされていく。

「フィリップ様、フィリップさま、フィリップさまぁっ、ああっ」
『アリ、シア……アリシアッ』
「可愛いな……ぅ、はぁ、気持ちいい、よ……好き」
「にゃう、うん、はぅん……っ、あん」
「アリシア――!」

 何度も名を呼びあい、奥を突き、彼を締めつけ。フィリップとアリシアは最愛に溺れていく。獣のように愛しあう。

「あう、イ、く、イきゅ、あうっ、にゃぅう――っ!!」

 体内に粘ついた熱さが広がり、吐精を受け止め、アリシアは幸福な身震いをした。
 夫だけと番いながらも、こんなふうに、彼自身で二穴を満たされる――次期魔王たるフィリップが相手でなければできない、彼と結ばれたがゆえになせた行為だ。
 馬鹿らしい考えだとは思うけれど、この快楽を享受できるなら、やがて魔王妃になるのもいいなと思う。今の気持ちよさのおかげで、いつか魔界を治める未来だって嫌じゃない、怖くない。そう思える。……やっぱり馬鹿になっているのかもしれない。

「フィリップさま……」

 アリシアは前にいる彼にキスをし、振り向いて後ろの彼にもキスをし、ふたりともの胸に触れて目を瞑った。
 どちらの穴の中もねだるように蠢き、ふたりの彼を撫でる。襞が媚びる。彼の切ない声がふたつ、聞こえた。――愛おしい。

「っあぁ――」

 どぴゅっ、どぴゅっと再び中に射精され、アリシアもまた果てる。

 こうして蜜月の二日目は、ふたりの彼ともう二戦を交え――終わった。


 ***


 ――蜜月の、三日目。
 蜜の間に籠もって愛しあう最終日。
 ふたりは朝から昼までをのんびりゆったりと抱きあって過ごし、ふたりでお風呂に入り、夜に再び交わった。

「あっ」
「大丈夫か、アリシア」
「はぃ……きもち、よくて……」

 昨日は分身していたけれど、今日の彼はひとりきりだ。これもいいなとアリシアは思う。
 ふたりでも、ひとりでも、フィリップなら何でも愛おしい。
 ベッドの上に腰掛けたフィリップの上に、アリシアは彼と向かいあう形で座っている。もちろんのこと、アリシアの蜜窟には彼の雄茎が挿入っている。

「ぉく……っ、奥、刺さってぇ、気持ちいいの……にゃあぁん、きもちいい……きもちいっ」

 アリシア自身の体重でぎゅっと圧をかけられ、彼女の最奥は強く責められていた。ぐにぐにと子宮口を捏ねるように愛され、子種が欲しいと本能が叫ぶ。
 彼との赤ちゃんが、ここに欲しい――。
 アリシアはフィリップの胸に舌を這わせ、自分がしてもらうときのように乳嘴を食む。彼の雄芯はさらに張り詰め、アリシアの中をぐっと拓いた。

「はふ、ふぁ、あぅっ」

 彼女の後ろには昔のフィリップのものを模したあの張り形が挿入され、彼の手でずこずこと出し入れされていた。
 彼自身とは違う、宝石でもって造られた張り形の硬質な感触に、昨日とは異なる趣の快感が彼女の中を走る。

「っあ、にゃううぅぅ――っ!」

 頂に達し、アリシアは彼をきつく締めつけた。すると潮の穴に挿さった宝石の芯の感触をよりいっそう強く感じ、細い道がぎゅんぎゅんと疼く。
 アリシアは花芽と宝石の飾りとを彼に押しつけるように動き、弧を描いた唇の端から涎を垂らした。

「はぁー……あぁー……」

 彼女の花の一点でピアスのようにキラリと輝くそれは、今宵のアリシアを勝手には潮吹きできないようにさせている淫具だ。彼の魔力で固定され、解呪されないと抜けないようになっている。潮の穴に栓をされている。
 フィリップに体液を管理されている、という状況を再び意識して、アリシアの背筋はゾクゾクとした。悦いところを彼に押しつける動きが止まらない。止められない。気持ちよくって恥ずかしい。

「ふにゃ、にゃ、ごめにゃさい……ぅんあっ、こんな……堕ちて、しまっれぇ……ひゅ、淫乱れ、あぁ、きもちぃ……」
「大丈夫、だよ、ちゃんと……っ、きみは、今日も、可愛い……っあ、堕ちて、ほしかった……から、今のアリシアも、とても、いいよ……僕も、きもちぃ――ぐあっ」
「あぁ! ……うぅ、おなか、あちゅいの――っ、はあぁっ、精子いっぱい……っ、おなかいっぱいぃ……」
「アリシア……ッ」

 過ぎた快楽に泣きはじめたアリシアを、フィリップは優しく抱きしめる。けれども腰の動きは、なおも乱暴なほどに激しかった。

「あぅうっ」

 きゅっと締まった後孔からは手を離されても張り形は抜けず、アリシアに快楽を与え続ける。

「ちょっと……体位、変えるっ、ね」

 言うとフィリップは彼女を抱き上げ、立ち上がり、アリシアを貫いたままに体勢を変えた。彼女をベッドの上に降ろし、浅いところを擦りながら彼女を転がし、今度は背後から穿つ。

「はぅんっ」
「僕、重たい……? これ苦しい……?」
「……っ、好き……、きもちい……」
「じゃあ、このまま、するっ、ね!」
「あぁっ、あぁー……はぁぁー………」

 潮の穴が疼いて、吹きたくなる――けれど、彼に止められているので発散できない。じゅわじゅわと道を進むだけ進んで、行き止まる。細い道の中で、潮に浸かった宝石の棒が小さく揺らいでいる。
 フィリップはアリシアの上にのしかかるような体勢で、彼女を後ろから突いていた。慈しまれながらも体重をかけられ、押し潰され、奥をごりごりと抉るように愛でられる。張り形もぎゅっと押し込まれ、揺らされる。
 気持ちいい。

「フィリップ、さま、わたくし……もうっ、もう、やぁっ! あっ、だめぇ、らめ、れす……イくっ、イっちゃいます!」
「僕、も……そろそろ、くる、かも……ッ」

 ごちゅ、ごちゅ、と奥に響く音がする。今までに出した精液を子宮口に擦りつけるように、彼の雁首が奥を捏ね弄る。

「フィリップさま……っ、ああっ!」
「アリシア……! 出す、よ」
「~~っ! にゃああぁぁ――っ!!」
「うぐっ、あっ、あぁ――!」

 彼の重さにで潰され、ドクドクと奥に精液が注がれる。そのすべてを搾り取るように彼女の中は収縮し、精をごくごくと呑みこんだ。まるで魔物のようだった。
 くったりとしたアリシアの耳に、フィリップの囁き声が届く。

「もう出せない、けど。最後に、もう一回……。きみの顔を、見せて。見ながら、させて」

 アリシアは、ふにゃふにゃと何を言えたかわからないような声で呟き、応えた。頷いた。
 フィリップは彼女を正面から抱き、キスをしながら、朝昼のようにゆったりと腰を振る。
 キスとキスとの間に息継ぎをした時、アリシアは、中で再びの熱さを感じた。

「もう、出せない、って言ったのに……」
「はは、ごめん……可愛くて、嬉しくて……射精しちゃった」
「……好きです、フィリップ様」
「ああ」

 彼はにこりと微笑んで、アリシアの下腹部をそっと撫でた。それから不意打ちで、潮の穴から宝石を引き抜く。解放する。

「にゃああ――っ!!」

 アリシアは甘く高く叫び、彼のお腹へと勢いよく潮を吹きかけた。がくがくと腰が浮き上がる。快楽に溺れる。

「あー……」

 壊れそうなほどに気持ちよくされたアリシアの身体は、優しく、優しく、フィリップに抱きしめられた。

「愛してるよ、アリシア」
「……はい」

 そうして――ふたりの蜜月の三日間は、終わった。
 フィリップとアリシアは、名実ともに結ばれた。

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