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30話・意地悪

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 一瞬、意識を失っていた。グレンに抱きかかえられて目が覚めた。



「あ……」



 グレンはチュッとアシュリーに口づけた。



「部屋の中に行こう。……少し意地悪しすぎたかもしれない」

「意地悪……? すごく気持ちよかったのに……」



 アシュリーがそう言うと、グレンは片眉を上げ、なんだか少し悪い顔で微笑んで言った。それはよかった、と。



 そっとアシュリーをベッドに寝かせると、グレンは窓を閉めに行った。そしてすぐに戻ってくると自分も裸になった。月明かりを背後から受けたグレンの裸は、細身ながらに適度に筋肉がついていて、アシュリーはそのシルエットをうっとりと眺めた。視線を落とすと、下半身にはエルナンが言うところの『男が興奮するとこうなる』ものが立派に立ち上がっている。



 「続きをしてもいい?」



 グレンはアシュリーに覆いかぶさってくる。返事を待たずにくちびるを合わせるとすぐに深いものに変わっていく。



「ん……んん……ん……」



 少し顔を上げると両手でアシュリーの頬を挟み込み、親指で擦るように撫でて見つめてくる。



「夢みたいだ」



 チュッチュと顔に口づけては、何度も「好きだ」と言ってくれる。こんなふうに求められるのは初めてで、アシュリーは喜びと戸惑いとでいっぱいになる。いつも自分が相手に一方的に求めるばかりだったのに、今日は主導権はグレンのものだ。アシュリーは何もできずただ身を任せていた。



「アシュリーの体、気持ちいいよ……」

 グレンはアシュリーの胸に顔をうずめてささやいたかと思うと、ペロペロと先端を舐めたり、くちびるで挟んだりして感触を味わっている。



「ぁん…んん……お兄さん……気持ちいい……」

「その呼び方は背徳的な気分になる……。グレンって呼んで」

「グレン……」

「ああ……」



 グレンは自分の体でアシュリーの脚を割り開かせて、既にたっぷりと蜜の溢れている入り口に屹立したものを擦りつけるように動かした。



「あっあ!」



クチュクチュクチュクチュ……水音が静かな部屋に響く。



「グレン……グレンッ……」

 アシュリーはグレンの首にしがみつき、彼自身が入ってくるのを乞い求め、腰を押しつけた。



「すごく濡れてるね……」

 グレンが嬉しそうにアシュリーの耳元で囁く。アシュリーがこくこくとうなずいて答えると、入れて欲しい?と少し意地悪に訊いてくる。



「欲しい……ほしいの……」

 アシュリーもグレンの耳に口づけて必死でおねだりすると、予告なくグイッと入り口を割り込むようにグレンのものが押し入れられた。



「あああぁっ!」

 そのまま一気に奥まで貫かれ、またアシュリーは頭が真っ白になって達してしまう。グレンが押し入ったところの隙間からグチュリと蜜があふれ出すのがわかった。



 腰を揺らされると、ズッズッと中の擦られている所からどんどん快感が生まれ、渦を巻くように体を貫いてくる。



「ぁあ……あっあ……あっ……あっ……!あっ……!あっ……!あっ……!!」



(気持ちよすぎておかしくなっちゃう……!!)



 苦しいのに、気持ちよくて、もっとしてほしくて……。必死にグレンにしがみついて、快感を逃がすように口づけて、アシュリーは荒波の中の小舟のように翻弄されていた。突かれるたびにジュプッジュプッと吹き出すように蜜があふれ、その放出感も快感に変わる。



 グレンの動きがだんだん速くなってきて、強い快感が一気にせり上がってくる。



 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ……!!



 激しく水音を立ててグレンが腰を打ちつけてくる。



(あっ、来ちゃう……!)



 突かれながら、乳首をコリコリと弄られ、アシュリーは一気に高みに連れていかれる。



「ああーーーーーー!!」



 ビクンビクンと痙攣しながらのけぞるとガクリと脱力した。



「イケたね。気持ちよかった?」

 グレンが抱きしめてくれる。彼自身はアシュリーの中をまだ硬く押し広げたまま挿さっている。アシュリーを抱えてクルリと反転すると、自分の上に乗せ、また下からゆさゆさと揺さぶりはじめた。



「あっあっダメっ!まだ気持ちよすぎて……ああん!!あん!あん!あん!あん!ひぁあっ!やだぁー!」



 強すぎる刺激にアシュリーが涙をこぼすと、グレンは動きを止め上体を起こして、アシュリーを抱きしめ頭を撫でてくれる。



「ごめん。俺、余裕がなさすぎたね」



 アシュリーは甘えたい気持ちになり、グレンにもたれかかりキスをねだった。



「チューってして……」

「いいよ……」



 二人は繋がったまま、優しいキスをしばらく堪能した。



「好き……グレン……好き……」

「俺も……好きだ。離したくない、アシュリー……」



 グレンの言葉を聞いて、アシュリーの中がキュッと締まる。それを合図のようにまたグレンが腰を動かしはじめ、アシュリーは喘いだ。



「あぁ……あっ……あぁん、気持ちいぃっ……」



 強すぎない動きで、ゆさゆさとゆっくり揺さぶられていると、中からまたコポリと蜜があふれてきて、動きに合わせてグチュグチュと粘着質な水音をたてはじめた。



「あっあっあっあっ……あっあ、グレン、グレン……」



 必死にグレンにしがみつき、彼の動きに合わせてアシュリーも自分の腰を振った。



 パンパンと音を立ててだんだん動きが激しくなってくると、グレンはアシュリーの背中を抱えて倒し、また覆い被さる体勢になって腰を打ちつけた。



「あっあっあんっ!あっあっあっ!!あっ!あっ!あっ!あっあっあっ!!ああっ!!」



 アシュリーが大きな声を抑えられなくなり、グレンも苦しそうに眉を寄せている。



「っ……!外に出すよ」



 グレンがそう言うと、アシュリーは反射的に嫌だ!と思った。脚をグレンの腰に回し、抱きしめていた腕にも力を込める。



「いやっ!」

「うわっ!アシュリー!」

「抜かないで!!やだぁ!」



「そんなに締めないで……出ちゃうよ」

 無意識に中もグレンのものを締め付けていたらしい。それでもグレンは動きを弱めながらゆるゆると腰を振り、快感を与えてくる。



「んっ……んっ……んっ……」



 抜かないで……できればこのままグレンと一緒に一つに溶け合いたい。アシュリーはそういう気持ちだった。



「……アシュリー。中に欲しい?」

「んっ……欲しいの……」

「それじゃあ、結婚しよう。アシュリー……ん……はぁっ」

「えっ……あんっ!」

「俺をアシュリーのものにしてくれ……っ」



 グレンは腰を止めないから、中を擦られていて気持ちよくて頭が回らない。でも、イキたくてもイケないような緩慢な動きなので、苦しくて仕方がない。



「待って……今、わかんない……はぁっ」

「OKをくれないとこのままだよ、アシュリー」

「やだぁっ、グレンお願い……ぅんっ……あっ」

「結婚しよう。アシュリー、うんって言ってくれたら……ああ……最後まで気持ちよくしてあげる……く…っ」



 アシュリーの中はぎゅうぎゅう締まっていて、グレンも苦しそうな顔をしているのに譲らない。ゆるゆると場所を変えながら、アシュリーの我慢できないところを的確に探し出して擦り付けてくる。



「ぁあんっ、ああんっ……あたしっ……あたしっ……あっ」

「答えは、『はい』だけだっ、アシュリー……!!」

「あっあっ……だって……あんっ」

「アシュリー……」



(もう、我慢できない……!)



「はいっ!グレンッ!ぁあっ……お願い、お願いぃ!もっと突いてぇ……!!」



(イキたいよう……!!もう何も考えられない!!)



「うん、俺も、限界だ……!」

 グレンが片頬を上げて笑うと、一気に奥を突きまくられアシュリーは一気に高みに昇ってしまう。



「ひゃっ!ああぁ!!!あっあっあっあっ!!あっあっあっあっ!あっあっあっあっ!!んーー!んーーーー!!!」

「ううっ!出るよっ」



 アシュリーが達したと同時に、その中にグレンの精がほとばしった。

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