1 / 14
1:プロローグ
しおりを挟む
気づくともう8時になっていた。俺は急いで家を出て、学校へ向かった。
そう、俺はいつものように遅刻することになるだろう。どうでもいいとは思うけど、9時には学校が始まるが、ここから学校までは1時間半かかる…どうあがいても間に合わない。はぁ、今日もあの先生に怒られることになるのか…
あの先生とは俺の担任である山田大雅先生のこと。あの先生は本当にちょっとしたことですぐに怒ってきっちりしすぎだから俺好みの先生じゃない。
そうこうしているうちに学校の門まで来た。
もう着いちゃったか…早かったな。なんでこんなにも高校生をいじめるんだよ…俺たちだってもっとやりたいことがあるのに、こんなに締め付けるのはおかしい。だって…
そんなことを思っていると門の前で腕時計を見ながら怒った顔で待っている先生に話しかけられた。そう、山田先生である。
「またおまえ、遅刻か。一体何回言ったらわかるんだ。(以下略)
あと、おまえ、もっとやりたいことがあるというならまずはもっと早く来ることだな。」
げっ!俺、無意識に心の声を外に出しちゃってたのか。放課後にまた呼び出されそうだなぁ。放送かかる前に急いで帰るのが一番だな。
そして俺は2時間目から授業に参加した。一応授業はちゃんと聞くし成績もそこそこだと思うから、そこまで言われずに済んでいるんだろうけど、最近、勉強さぼってるから一気に成績下がって、そこでまた呼び出されそうだ。
「よっ。またおまえ遅刻かよ。先生に色々言われるのが嫌ならもっと早く来いっつーの。おまえ、成績いいから、そこさえ直せば優等生なのにな。」
意地悪な顔で笑いながら、隣の席の男子が俺にそう言う。
その男子とは中学校からの友達である、宮間勇吾だ。よく言うな、お前は俺より成績いいくせに。成績が良く、運動もできる、そして性格もいい。まさに理想の男子像と言えるだろう。時々、意地悪なことをされて不快感を抱くこともあるが、彼の笑顔ですぐにその感情は消え去っていく。みんなを明るくさせる力こそ、一番のパワーだと思う。
「お前、俺より成績いいのに、そんなこと言うのはあまり俺的にはいい気分じゃないんだけど?」
「ごめんごめん、あっ、でもお前ってさ、化学めっちゃできるじゃん。化学だけはお前に負けるわ。」
勇吾が少し焦った様子でいう。
「1つぐらいはお前よりもできるものがないと嫌だからね。」
少し顔が赤くなってしまった。褒められるのはやっぱり、どこか嬉しい。
そう、俺は化学だけはこの学校では一番になれるくらいの実力を持っている。なぜ、化学がそんなに得意かって?俺のお父さんが町一番の薬師だからだな。遺伝子的に俺も得意ってこと。このことはあんまり広めたくないから皆んなには言ってないけど。親や先生にも内緒にしといて、とそう言っている。
そして俺は、今日の授業をなんとか耐えきった。体から全ての力が抜けそうだ。でも、忘れてはいけないのが呼び出されるかもしれない、ということだ。さっさと帰ろう。そうすれば、明日には忘れているだろう。
そうして俺は門から出たのと同時に呼び出されるという危機から出ることに成功した。
そういえば、お父さんが言っていた珍しい花がこの近くの森にあるらしい。お父さんからは俺が子供の頃から家にいる時にはよく、色々な話を聞かされた。それで薬学についての話も多々聞かされたから、化学が得意になったのかもしれない。そして、ある時、お父さんの話である花について知った。その花1つで多くの人の命が救えるという。俺はその時から、化学について興味を抱いていたのかもしれない。今日は早く学校を出たから今から行っても、帰るのはそう遅くならないだろう。
森の中は暗くて、同じような木ばかり並んでいて、迷いそうな場所だった。正直な気持ちをいうと来なかったらよかったなんて思った。でも、その花を絶対に見つけたいという気持ちもあった。しかし、気持ちだけで来るのは間違いだったのだろう、完全に迷ってしまった。こんなこともあろうかと歩いてきたところの木に目印をつけてきた…って消えてる…
…どうしようかな。花を探すのは諦めて、帰る方法を探すべきだろう。
あれっ、あそこで光っているのって、お父さんが言っていた花?見に行ってみようか。
そう思い歩き始めた…足を進めたはずなのだが、地面を踏んだ感覚がない…ってわぁ!
気づいた時には遅かった。俺は既に真っ逆さまに落ちていたのだ。何をしているんだ、俺は…
………俺は死んだのか?意識が戻り、目を開けるとそこは今までいた森とは全然雰囲気が違う場所だった。
そう、俺はいつものように遅刻することになるだろう。どうでもいいとは思うけど、9時には学校が始まるが、ここから学校までは1時間半かかる…どうあがいても間に合わない。はぁ、今日もあの先生に怒られることになるのか…
あの先生とは俺の担任である山田大雅先生のこと。あの先生は本当にちょっとしたことですぐに怒ってきっちりしすぎだから俺好みの先生じゃない。
そうこうしているうちに学校の門まで来た。
もう着いちゃったか…早かったな。なんでこんなにも高校生をいじめるんだよ…俺たちだってもっとやりたいことがあるのに、こんなに締め付けるのはおかしい。だって…
そんなことを思っていると門の前で腕時計を見ながら怒った顔で待っている先生に話しかけられた。そう、山田先生である。
「またおまえ、遅刻か。一体何回言ったらわかるんだ。(以下略)
あと、おまえ、もっとやりたいことがあるというならまずはもっと早く来ることだな。」
げっ!俺、無意識に心の声を外に出しちゃってたのか。放課後にまた呼び出されそうだなぁ。放送かかる前に急いで帰るのが一番だな。
そして俺は2時間目から授業に参加した。一応授業はちゃんと聞くし成績もそこそこだと思うから、そこまで言われずに済んでいるんだろうけど、最近、勉強さぼってるから一気に成績下がって、そこでまた呼び出されそうだ。
「よっ。またおまえ遅刻かよ。先生に色々言われるのが嫌ならもっと早く来いっつーの。おまえ、成績いいから、そこさえ直せば優等生なのにな。」
意地悪な顔で笑いながら、隣の席の男子が俺にそう言う。
その男子とは中学校からの友達である、宮間勇吾だ。よく言うな、お前は俺より成績いいくせに。成績が良く、運動もできる、そして性格もいい。まさに理想の男子像と言えるだろう。時々、意地悪なことをされて不快感を抱くこともあるが、彼の笑顔ですぐにその感情は消え去っていく。みんなを明るくさせる力こそ、一番のパワーだと思う。
「お前、俺より成績いいのに、そんなこと言うのはあまり俺的にはいい気分じゃないんだけど?」
「ごめんごめん、あっ、でもお前ってさ、化学めっちゃできるじゃん。化学だけはお前に負けるわ。」
勇吾が少し焦った様子でいう。
「1つぐらいはお前よりもできるものがないと嫌だからね。」
少し顔が赤くなってしまった。褒められるのはやっぱり、どこか嬉しい。
そう、俺は化学だけはこの学校では一番になれるくらいの実力を持っている。なぜ、化学がそんなに得意かって?俺のお父さんが町一番の薬師だからだな。遺伝子的に俺も得意ってこと。このことはあんまり広めたくないから皆んなには言ってないけど。親や先生にも内緒にしといて、とそう言っている。
そして俺は、今日の授業をなんとか耐えきった。体から全ての力が抜けそうだ。でも、忘れてはいけないのが呼び出されるかもしれない、ということだ。さっさと帰ろう。そうすれば、明日には忘れているだろう。
そうして俺は門から出たのと同時に呼び出されるという危機から出ることに成功した。
そういえば、お父さんが言っていた珍しい花がこの近くの森にあるらしい。お父さんからは俺が子供の頃から家にいる時にはよく、色々な話を聞かされた。それで薬学についての話も多々聞かされたから、化学が得意になったのかもしれない。そして、ある時、お父さんの話である花について知った。その花1つで多くの人の命が救えるという。俺はその時から、化学について興味を抱いていたのかもしれない。今日は早く学校を出たから今から行っても、帰るのはそう遅くならないだろう。
森の中は暗くて、同じような木ばかり並んでいて、迷いそうな場所だった。正直な気持ちをいうと来なかったらよかったなんて思った。でも、その花を絶対に見つけたいという気持ちもあった。しかし、気持ちだけで来るのは間違いだったのだろう、完全に迷ってしまった。こんなこともあろうかと歩いてきたところの木に目印をつけてきた…って消えてる…
…どうしようかな。花を探すのは諦めて、帰る方法を探すべきだろう。
あれっ、あそこで光っているのって、お父さんが言っていた花?見に行ってみようか。
そう思い歩き始めた…足を進めたはずなのだが、地面を踏んだ感覚がない…ってわぁ!
気づいた時には遅かった。俺は既に真っ逆さまに落ちていたのだ。何をしているんだ、俺は…
………俺は死んだのか?意識が戻り、目を開けるとそこは今までいた森とは全然雰囲気が違う場所だった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる