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溺れる愛は泳げない(サダルメリク×レグルス)@┌(┌^o^)┐ 5
しおりを挟む気持ちいい。気持ちいい。後孔からしたたり落ちたものでびしょ濡れになった結合部をゆさゆさと揺すってやりながら、繰り返し吹きこむ。耳朶も頬もとっくに真っ赤になっていて、まるでほころびたバラのようだ。首すじを伝い、鎖骨へと流れていく汗が流星のように煌めいて美しい。
「力を抜いて、……そう、わたしを感じてごらん」
「やらっ! やらっ、にいちゃ、……っ! やらぁ……っ」
「ああ、上手だね。さすがはわたしの弟だ。そのままわたしを受け入れて……奥まで招き入れて」
「も、やぁ……」
「これはそなたが大好きな『きもちいい』ことだ。嫌がる必要などなに一つない。……もうわかっているだろう?」
すりすり。すりすり。速度を落としてポイントにすり寄る。レグルスの眉根が悩ましげに寄った。拒絶の意思と弱められた刺激への不満。相反する二つの感情に葛藤が透けて見える。
我が弟は享楽主義者だ。もともと気持ちのいいことや楽しいことには弱く、貪欲ですらある。今はまだ「実の兄との濃厚なセックス」という経験のない現状に理性が怖気付いているだけだ。この行為が己を満たす享楽につながることを、本能はすでに嗅ぎ分けているはずである。
だからわたしは彼を揺さぶって理性の箍をゆっくりと外す。本能の解放へと至る道に、言葉をもって優しく導く。その先にこそすばらしい悦楽の世界があるのだ。躊躇すること自体が間違いで愚かな行為であると知らしめ、自ら手を伸ばすよう誘う。
「気持ちいい、気持ちいい。そなたも口に出してごらん? 気持ちいい、と」
「ぁう、……あっ。あッ」
「ほうら。気持ちいい。……きもちいい。きもちいい……」
気持ちいい、と一言口にするたびに強くこする。最奥の扉をコツコツとノックする。
収縮するうごめきに逆らってペニスを抽送するのは、どんな運動よりも、生業に勤しむよりも息が上がるものだ。ぬるま湯のようにあたたかかったはずの隧道にこもった熱は、今や灼熱の鉄棒のようにたぎって熱い。動きを止めてしまえば瞬くうちにチョコレートのようにどろどろに溶けて弟の一部と化してしまうだろう。
それも悪くない、と思うほどにわたしはこのかわいい弟を愛している。もし、弟が子を孕むための卵と育むための宮を持っていたのなら。たった一つも無駄にしないために、日夜泳ぐ無数の遺伝子を注ぎ続けてやっている。
「レグルス、きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。
「きもちいい。きもちいい」
きもちいい。きもちいい。──ビシャッ。
何度も何度も何度も何度も「きもちいい」だけを繰り返してしこりに優しく振動を与えてやっていると、腹部に生ぬるい液体がかけられた。息を呑む音。ギチッと強くわたしのペニスが噛み締められる。
レグルスが達したのはすぐにわかった。健気に快楽を耐えるようでいて、その実享受しきった恍惚に表情が乗っ取られている。
よくできたと褒めるように一際強く押し上げてやりながら吐息混じりにささやいた。
「ほら。気持ちよかっただろう?」
「あぁ、ぁ、ぁ、ぁ……」
絶頂の余韻に垣間見える忘我。荒い呼吸を繰り返し、合間に涙がぽろりとこぼれる。唇を舐めた。しめた。
「もっともっと、気持ちよくなりたくはないかい?」
「……き、……ぃ?」
「そう。恥ずかしがらずにこの兄におねだりしてごらん。もっときもちよくなりたい、きもちよくしてほしい、と」
「…………、り、たぃ……。きもち、く、なる、ぅ」
「ふふ、よく言った!」
ついに言葉を引き出した! 嬉しさを伝えるために、今までのどれよりも強く体の奥を叩いた。
「ひああ、ああ゛ッ!」
レグルスの喉が、背中が大きく反った。白濁まみれのわたしの腹部にペニスがこすれる。吐精したばかりだというのにもう硬くなり始めていた。若い。
「レグルス、わたしのかわいい弟。わたしとそなたで行う愛の交歓をその身でとくと味わっておくれ」
片腕を汗で湿った後頭部に差し入れ、もう片手でレグルスの下腹部──わたしが挿入っているあたりをさする。
「そなたの奥の奥で、わたしの愛を受け取っておくれ」
正直を言うとすでに限界が来ていた。心臓もペニスも愛しい弟に種付けしたいとはちきれんばかりに熱くたぎっている。気力で射精を抑えているようなもので、少しでも気を抜けば精を放ちかねなかった。
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