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ライゼン通りのお針子さん7 ~幸せのシンフォニア~
プロローグ
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春色の風が穏やかに吹き抜ける暖かなある日の朝。
「どう、かな?」
姿見の前で服装をチェックするアイリスは不安そうな顔で呟く。
「マーガレット様がデートするなら普段着は駄目だ。可愛くておしゃれで少し大人っぽく見える服を着なさいって言っていたから仕立てて見たけど……似合ってるかな」
姿見に映る自分の姿を眺めながら不安がる。普段着る素朴で柔らかな形の町娘スタイルではなく白い生地で作ったスケーター・ドレスに薄いピンク色のボレロを合わせたお出かけスタイルに身を包んでいた。
「アイリス。キース君が下で待っているよ」
「え、もう来たの? 今行きます」
階段の下からイクトの声が聞こえてきて慌ててバッグを手に取り部屋を出る。
「お、おはよう。待たせてごめんね」
「っ。ア、アイリス!?」
ぎこちない挨拶を交わすと頬を真っ赤に染めたキースが固まる。
「な、何よ。その顔は」
「いや、その……普段着ている服もアイリスにとても良く似合っているけれどお洒落をした君の姿があまりにも可愛くて素敵で」
「「っ!」」
彼女の言葉に彼が弁解するように話すと二人して耳まで真っ赤になり俯く。
「ふふ。若いっていいね。二人ともゆっくり話をしている時間はないんじゃないのかな」
「あ、いけない。早くいかないとミュウさんから折角もらったチケット無駄になっちゃうわ」
「急ごう」
微笑ましく微笑むイクトの言葉で現実に戻って来た二人は慌てて仕立て屋を出る。
「いってらっしゃい。楽しんでくるんだよ」
優しい微笑で見送る彼の言葉を聞きながらアイリスはキースと一緒に中央街へと向かう。
中央街には大きな建物があり。そこには食事が出来るレストランを始め約四千人もの人が収容できる舞台があったり、温泉施設や広い遊び場などがある。こちらはつい最近国王の命令により作られたばかりの娯楽施設であった。
施設へとやってきたアイリス達は舞台を見て目を丸める。
「凄い広くて素敵な舞台だね」
「えぇ、そうね」
客席へと付きながら二人は圧巻されていた。
「お待たせいたしました。もう間もなくミュゥリアムさんによる踊りが始まります。皆様舞台に注目を!」
司会者の声が轟き舞台の袖からミュゥリアムが現れる。すると背後の舞台が競り上がりオーケストラが姿を現した。
「皆さん。今日は私の舞台を見にいらして下さりありがとございます。最後まで楽しんでいってください」
彼女が言うと指揮者が指揮棒を振う。すると壮大な音楽が流れ始めた。音に合わせてミュゥリアムが踊り出す。
「す、凄いね」
「えぇ、まるでミュウさんの為だけに作られた特別な舞台のようだわ」
驚きすぎて目が飛び出すのではないかと思うくらいの表情でキースが言うとアイリスも小さく頷き呟く。
舞台を見たその後二人はレストランで食事をして時間を過ごした。
こうしてアイリスの恋物語は幕を開けたのである。
「どう、かな?」
姿見の前で服装をチェックするアイリスは不安そうな顔で呟く。
「マーガレット様がデートするなら普段着は駄目だ。可愛くておしゃれで少し大人っぽく見える服を着なさいって言っていたから仕立てて見たけど……似合ってるかな」
姿見に映る自分の姿を眺めながら不安がる。普段着る素朴で柔らかな形の町娘スタイルではなく白い生地で作ったスケーター・ドレスに薄いピンク色のボレロを合わせたお出かけスタイルに身を包んでいた。
「アイリス。キース君が下で待っているよ」
「え、もう来たの? 今行きます」
階段の下からイクトの声が聞こえてきて慌ててバッグを手に取り部屋を出る。
「お、おはよう。待たせてごめんね」
「っ。ア、アイリス!?」
ぎこちない挨拶を交わすと頬を真っ赤に染めたキースが固まる。
「な、何よ。その顔は」
「いや、その……普段着ている服もアイリスにとても良く似合っているけれどお洒落をした君の姿があまりにも可愛くて素敵で」
「「っ!」」
彼女の言葉に彼が弁解するように話すと二人して耳まで真っ赤になり俯く。
「ふふ。若いっていいね。二人ともゆっくり話をしている時間はないんじゃないのかな」
「あ、いけない。早くいかないとミュウさんから折角もらったチケット無駄になっちゃうわ」
「急ごう」
微笑ましく微笑むイクトの言葉で現実に戻って来た二人は慌てて仕立て屋を出る。
「いってらっしゃい。楽しんでくるんだよ」
優しい微笑で見送る彼の言葉を聞きながらアイリスはキースと一緒に中央街へと向かう。
中央街には大きな建物があり。そこには食事が出来るレストランを始め約四千人もの人が収容できる舞台があったり、温泉施設や広い遊び場などがある。こちらはつい最近国王の命令により作られたばかりの娯楽施設であった。
施設へとやってきたアイリス達は舞台を見て目を丸める。
「凄い広くて素敵な舞台だね」
「えぇ、そうね」
客席へと付きながら二人は圧巻されていた。
「お待たせいたしました。もう間もなくミュゥリアムさんによる踊りが始まります。皆様舞台に注目を!」
司会者の声が轟き舞台の袖からミュゥリアムが現れる。すると背後の舞台が競り上がりオーケストラが姿を現した。
「皆さん。今日は私の舞台を見にいらして下さりありがとございます。最後まで楽しんでいってください」
彼女が言うと指揮者が指揮棒を振う。すると壮大な音楽が流れ始めた。音に合わせてミュゥリアムが踊り出す。
「す、凄いね」
「えぇ、まるでミュウさんの為だけに作られた特別な舞台のようだわ」
驚きすぎて目が飛び出すのではないかと思うくらいの表情でキースが言うとアイリスも小さく頷き呟く。
舞台を見たその後二人はレストランで食事をして時間を過ごした。
こうしてアイリスの恋物語は幕を開けたのである。
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