47 / 124
ライゼン通りのお針子さん3 ~誉れ高き職人達~
十三章 職人達の誇り
しおりを挟む
翌朝。台所の扉が開かれソフィー達が自信満々な笑顔で出てくる。
「出来たわよ。さぁ、後は頼むわね」
「分かりました。任せて下さい」
彼女の言葉にアイリスも力強く頷く。そうして出来上がった素材を受け取ると段取りを決めたとおりにアイリスは服を縫い合わせ、イクトはアクセサリー類や細かい作業を行い、イルミーナと助手の二人は裁断と裏地を担当し手際よく仕上げていった。
「で、出来た!」
そうして完成した服を見詰め職人達は達成感に顔をほころばす。
トルソーには王様が着る事を想定して仕立て上げた礼服がかけられており、鮮やかな赤い色のマントには白いファーが縁取り、ジャケットはよく見ると薄っすら縦縞模様が入った深緑色。スカーフは紫色でそれを留めるブローチは銀の台座にエメラルドが煌く。絹で出来た白いワイシャツに黒のズボンのボタンには彫刻が施されたような王家の家紋が浮かび上がる。裏地にも力が込められておりマントは薄い赤色で、ジャケットはリバーシブルになっていて薄茶色。袖を折り返すと表の色である深緑色がワンポイントとなる仕組みであった。
「ソフィーさん達が頑張ってくださったのでとても良いものが出来ました。有難う御座います」
「いいえ、アイリスの頑張りが良かったのよ」
「そんな、イルミーナさん達が私の縫い上げた服に合わせて裏地を作ってくださったおかげです」
「イクトさんって手先起用なんですね。あっという間にアクセサリーが出来上がってしまってびっくりしました」
「おいらも頑張ったけど皆が頑張ったおかげだよ」
「まぁ、皆お疲れ様ってことで」
職人達が力を合わせて作り上げたどこにもない世界でたった一つの逸品が完成し皆誇らし気にそして満足気に微笑みお互いを称え合う。
それから献上の品が出来上がったと大臣に報告すると一週間後の健国際に間に合うように作ってくれればいいと考えていた程度だったのに、まさかこんなにも早く完成するとは思わなかったと驚きすぐに国王様に知らせると言って部屋を出て行く。
話しを聞いた王様から伝達があり職人達は一度家へと帰され健国際の日に再び謁見の間に集められた。
「うぅ……ついに献上の日か。緊張します」
「大丈夫。いつも通りに、ね」
これから式典が行われ献上の品を国王陛下へと賜るという事になると考えると緊張でがちがちに固まってしまうアイリスへとイクトが優しく穏やかな声で大丈夫だと安心させる。
「国王陛下、ジョルジュ王子、シュテリーナ王女のおな~り~」
わきに控えていた兵士が大きな声で言うとファンファーレが鳴り響き軽やかな音楽と共に王様達が謁見の間へと入り玉座へと立つ。
それから式典は滞りなく行われついに献上の品を手渡す瞬間となった。
「国王様。こちらが職人達が作り上げた献上の品になります」
大臣が高級そうな箱に収めた献上の品を差し出す。国王はそれを受け取ると暫く黙って箱を見詰めた。
「ど、どうしたんだろう?」
その様子に不安になりながらアイリスは固く両手を握りしめる。
「今すぐ箱を開けて中を見せよ」
「え? は、はい。畏まりました」
如何したのかと見守っていると国王がそう言って大臣も訝しげな顔をしたがすぐに箱を開け中を見せた。
「……うむ。なるほど」
中に入っていた服を手に取り細部まで細かく見ると納得したように独り言を零す。
「今すぐこの服を着る」
「え? い、今すぐにですか?」
国王の言葉に驚いて聞き返す大臣に大きく頷くも返事もしないで奥へと引き込む。
「王様如何されたのでしょうか」
「まぁ、心配しないで様子を見守ろう」
突然部屋を出て行った王様の様子に驚くアイリスにイクトがそっと声をかける。
数分後戻ってきた王様が着ていたのは献上された品。それを身にまとった彼の顔はとても嬉しそうに微笑んでいた。
「われはこの献上の品とても良く気に入った。この服には細部まで職人達のこだわりを感じる。このような品は世界中のどこを探しても見つからないであろう。この服を作り上げた職人達の腕は見たらわかる。其方等はこの国一の……いいや世界一の誉れ高き職人達であるとここに宣言しても良い。実に良い品を有り難う。ここに集まった職人達に盛大な拍手を」
国王の言葉に会場にいた人達からの割れんばかりの盛大な拍手が巻き起こりアイリスは驚く。
こうして国王様からお褒めの言葉を貰った職人達は国への献上品の納品の依頼を見事達成したのである。
後日。日常へと戻った仕立て屋にお客が訪れた。
「失礼する」
「いらしゃいませ。あ、レオさんお久しぶりです」
お客が来たことを知らせる呼び鈴に反応し作業部屋から店内へとやって来たアイリスはレオの顔を見て微笑む。
「この間の健国際で服の案を考えたのは君だと聞いたよ。流石はアイリス殿。見事な腕前だったな」
「そ、そんな。私の書いたデッサン画を見てソフィーさん達が頑張って作ってくれたからです。ですからこれは私一人の実力というよりも皆さんのおかげなんです」
彼の言葉に慌てて手を振って答えているとお店の扉が開かれる。
「お父様、自分達にはあまり城を抜け出してフラフラするなと言うくせに一人だけ抜け駆けしてずるいですよ」
「そうですわ。わたし達には駄目だというのに、自分だけお城を抜け出してアイリスさんのお店に行くなんて酷いです」
「おや、バレてしまったか」
入ってきたジョルジュとシュテリーナがレオへと向けて不貞腐れた顔で話す。その言葉に彼が笑って答える。
「え? お父様ってまさかレオさんは……お、王様!?」
「アイリス本当に気づいていなかったのかい? 俺はてっきり知っていてあえて普通に接しているのだとばかり」
驚く彼女の言葉にイクトもまさかといった顔で尋ねた。
「はははっ。アイリス殿はわしの正体にまったくと言っていいほど気付いていなかったからな。まさかこのような形でバレてしまうとは思わなかったが」
「言われてみればこの前お会いした王様のお顔と同じなような気が……」
「アイリス殿。わしが王様でも変に畏まったり敬ったりしないでほしい。ここに来ている間はただのレオとして見てくれないかな」
改めてレオの顔を見て王様と同じだと納得していると、真面目な顔で彼がお願いする。
「分かりました。レオさんが王様だとしても仕立て屋アイリスの大切なお客様に変わりはありません。これからも店主とお客様としてよろしくお願い致します」
「ああ。有り難う。君ならそう言ってくれると思っていたよ」
笑顔で了承するアイリスの言葉にレオも嬉しそうに微笑む。
こうしてこれからも国王様は城を抜け出しお忍びで仕立て屋アイリスへと度々訪れるようになるのであった。
「出来たわよ。さぁ、後は頼むわね」
「分かりました。任せて下さい」
彼女の言葉にアイリスも力強く頷く。そうして出来上がった素材を受け取ると段取りを決めたとおりにアイリスは服を縫い合わせ、イクトはアクセサリー類や細かい作業を行い、イルミーナと助手の二人は裁断と裏地を担当し手際よく仕上げていった。
「で、出来た!」
そうして完成した服を見詰め職人達は達成感に顔をほころばす。
トルソーには王様が着る事を想定して仕立て上げた礼服がかけられており、鮮やかな赤い色のマントには白いファーが縁取り、ジャケットはよく見ると薄っすら縦縞模様が入った深緑色。スカーフは紫色でそれを留めるブローチは銀の台座にエメラルドが煌く。絹で出来た白いワイシャツに黒のズボンのボタンには彫刻が施されたような王家の家紋が浮かび上がる。裏地にも力が込められておりマントは薄い赤色で、ジャケットはリバーシブルになっていて薄茶色。袖を折り返すと表の色である深緑色がワンポイントとなる仕組みであった。
「ソフィーさん達が頑張ってくださったのでとても良いものが出来ました。有難う御座います」
「いいえ、アイリスの頑張りが良かったのよ」
「そんな、イルミーナさん達が私の縫い上げた服に合わせて裏地を作ってくださったおかげです」
「イクトさんって手先起用なんですね。あっという間にアクセサリーが出来上がってしまってびっくりしました」
「おいらも頑張ったけど皆が頑張ったおかげだよ」
「まぁ、皆お疲れ様ってことで」
職人達が力を合わせて作り上げたどこにもない世界でたった一つの逸品が完成し皆誇らし気にそして満足気に微笑みお互いを称え合う。
それから献上の品が出来上がったと大臣に報告すると一週間後の健国際に間に合うように作ってくれればいいと考えていた程度だったのに、まさかこんなにも早く完成するとは思わなかったと驚きすぐに国王様に知らせると言って部屋を出て行く。
話しを聞いた王様から伝達があり職人達は一度家へと帰され健国際の日に再び謁見の間に集められた。
「うぅ……ついに献上の日か。緊張します」
「大丈夫。いつも通りに、ね」
これから式典が行われ献上の品を国王陛下へと賜るという事になると考えると緊張でがちがちに固まってしまうアイリスへとイクトが優しく穏やかな声で大丈夫だと安心させる。
「国王陛下、ジョルジュ王子、シュテリーナ王女のおな~り~」
わきに控えていた兵士が大きな声で言うとファンファーレが鳴り響き軽やかな音楽と共に王様達が謁見の間へと入り玉座へと立つ。
それから式典は滞りなく行われついに献上の品を手渡す瞬間となった。
「国王様。こちらが職人達が作り上げた献上の品になります」
大臣が高級そうな箱に収めた献上の品を差し出す。国王はそれを受け取ると暫く黙って箱を見詰めた。
「ど、どうしたんだろう?」
その様子に不安になりながらアイリスは固く両手を握りしめる。
「今すぐ箱を開けて中を見せよ」
「え? は、はい。畏まりました」
如何したのかと見守っていると国王がそう言って大臣も訝しげな顔をしたがすぐに箱を開け中を見せた。
「……うむ。なるほど」
中に入っていた服を手に取り細部まで細かく見ると納得したように独り言を零す。
「今すぐこの服を着る」
「え? い、今すぐにですか?」
国王の言葉に驚いて聞き返す大臣に大きく頷くも返事もしないで奥へと引き込む。
「王様如何されたのでしょうか」
「まぁ、心配しないで様子を見守ろう」
突然部屋を出て行った王様の様子に驚くアイリスにイクトがそっと声をかける。
数分後戻ってきた王様が着ていたのは献上された品。それを身にまとった彼の顔はとても嬉しそうに微笑んでいた。
「われはこの献上の品とても良く気に入った。この服には細部まで職人達のこだわりを感じる。このような品は世界中のどこを探しても見つからないであろう。この服を作り上げた職人達の腕は見たらわかる。其方等はこの国一の……いいや世界一の誉れ高き職人達であるとここに宣言しても良い。実に良い品を有り難う。ここに集まった職人達に盛大な拍手を」
国王の言葉に会場にいた人達からの割れんばかりの盛大な拍手が巻き起こりアイリスは驚く。
こうして国王様からお褒めの言葉を貰った職人達は国への献上品の納品の依頼を見事達成したのである。
後日。日常へと戻った仕立て屋にお客が訪れた。
「失礼する」
「いらしゃいませ。あ、レオさんお久しぶりです」
お客が来たことを知らせる呼び鈴に反応し作業部屋から店内へとやって来たアイリスはレオの顔を見て微笑む。
「この間の健国際で服の案を考えたのは君だと聞いたよ。流石はアイリス殿。見事な腕前だったな」
「そ、そんな。私の書いたデッサン画を見てソフィーさん達が頑張って作ってくれたからです。ですからこれは私一人の実力というよりも皆さんのおかげなんです」
彼の言葉に慌てて手を振って答えているとお店の扉が開かれる。
「お父様、自分達にはあまり城を抜け出してフラフラするなと言うくせに一人だけ抜け駆けしてずるいですよ」
「そうですわ。わたし達には駄目だというのに、自分だけお城を抜け出してアイリスさんのお店に行くなんて酷いです」
「おや、バレてしまったか」
入ってきたジョルジュとシュテリーナがレオへと向けて不貞腐れた顔で話す。その言葉に彼が笑って答える。
「え? お父様ってまさかレオさんは……お、王様!?」
「アイリス本当に気づいていなかったのかい? 俺はてっきり知っていてあえて普通に接しているのだとばかり」
驚く彼女の言葉にイクトもまさかといった顔で尋ねた。
「はははっ。アイリス殿はわしの正体にまったくと言っていいほど気付いていなかったからな。まさかこのような形でバレてしまうとは思わなかったが」
「言われてみればこの前お会いした王様のお顔と同じなような気が……」
「アイリス殿。わしが王様でも変に畏まったり敬ったりしないでほしい。ここに来ている間はただのレオとして見てくれないかな」
改めてレオの顔を見て王様と同じだと納得していると、真面目な顔で彼がお願いする。
「分かりました。レオさんが王様だとしても仕立て屋アイリスの大切なお客様に変わりはありません。これからも店主とお客様としてよろしくお願い致します」
「ああ。有り難う。君ならそう言ってくれると思っていたよ」
笑顔で了承するアイリスの言葉にレオも嬉しそうに微笑む。
こうしてこれからも国王様は城を抜け出しお忍びで仕立て屋アイリスへと度々訪れるようになるのであった。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
お城のお針子~キラふわな仕事だと思ってたのになんか違った!~
おきょう
恋愛
突然の婚約破棄をされてから一年半。元婚約者はもう結婚し、子供まで出来たというのに、エリーはまだ立ち直れずにモヤモヤとした日々を過ごしていた。
そんなエリーの元に降ってきたのは、城からの針子としての就職案内。この鬱々とした毎日から離れられるならと行くことに決めたが、待っていたのは兵が破いた訓練着の修繕の仕事だった。
「可愛いドレスが作りたかったのに!」とがっかりしつつ、エリーは汗臭く泥臭い訓練着を一心不乱に縫いまくる。
いつかキラキラふわふわなドレスを作れることを夢見つつ。
※他サイトに掲載していたものの改稿版になります。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる