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ライゼン通りのお針子さん2 ~職人の誇り見せてみます~
四章 雨の日のお客様
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春の長雨が続くある日。今日はイクトが買い出しで出かけていて、お店はアイリス一人で切り盛りしていた。
「よう。元気か?」
「あ、マルセンさん。こんにちは。今日は如何されました」
お店の扉が開かれるとマルセンが店内に入って来る。その姿に彼女は笑顔で出迎えた。
「いや、ちょっと顔を見に来ただけだ。つい最近まで町の外に出ていたからな」
「冒険者としてのお仕事大変ですね」
彼の言葉にアイリスは冒険者の仕事で出かけていたのだと気付きそう話す。
「それでこの町が守られるんなら、どうってことない。それよりアイリス、仕事は順調か?」
「はい。最近新しいお客様もみえるようになって、いろんな人と出会いがあって休む間がないくらい順調ですよ」
マルセンの言葉に彼女は笑顔で答える。
「そうか、それならよかった。だが、あまり無茶はするなよ」
「はい」
その顔を見た彼が安心した様子で微笑むも無理はするなと言い、それにアイリスは素直に答える。
「これ、仕事中に拾ったんだが、俺には必要ないものだからな。この店で使えるならよかったら貰ってくれないか」
「これは……?」
マルセンが大きな袋を差し出してくるとそれを受け取りながら彼女は不思議そうに尋ねた。
「ミルムワームの糸と、アーゲシャロルの革だ」
「あぁ、これがそうなんですね。有難う御座います」
彼の説明を聞いて袋の中を開けて確認したアイリスはお礼を言う。
「職人が作ったものには劣るかもしれない素材だが、使えそうか?」
「職人が作ったものじゃなくても天然の素材なら大丈夫ですよ」
心配そうなマルセンの言葉に彼女はにこりと笑い答えた。
「以前もマルセンさんが下さった天然の素材で依頼品を作ったことがあったんです。ですから、今回のも大丈夫ですよ」
「そういえば、そんなこともあったな。また何か拾ったら貰ってくれると助かる」
アイリスの言葉に彼がそんなこともあったなと言って笑う。
「こちらこそ、素材を提供して下さり有り難う御座います」
「じゃあな」
彼女もお礼を言うとそれを聞いたマルセンが微笑み店を後にする。
それからしばらく経ったころ再びお店の扉が開かれる呼び鈴の音が鳴り響き、アイリスはカウンターから店内へと顔を向けた。
「いらっしゃいませ、仕立て屋アイリスへようこそ……あれ?」
確かにお客が入ってきたと思ったのだが店内には誰の姿もなかった。
「あ、あのぅ……」
「?」
その時カウンターの下から女の子の声が聞こえ彼女はそちらへと視線を落とす。
そこにはずぶ濡れの少女が一人立っていてアイリスは慌ててタオルを用意して彼女へと差し出す。
「う、大丈夫だよ。それより、ここで服を直してもらえるって聞いてきたの。お姉さんこれ、直せる?」
「これは……」
少女が差し出してきたのは子ども用の純白のドレス。だけどとても古いもののようで所々破れてしまっていた。
「とても大切なものなの……だから、お願い。直してください……」
「……大丈夫よ。それじゃあこれ預からせてもらいますね」
不安そうに涙目で見詰めてくる少女の姿に安心させるように優しく微笑み差し出されたドレスを預かる。
「……ありがとう。よろしくお願いします」
少女はそう言うと店を後にする。残されたアイリスは手の内のドレスを見直した。
「見た事のない生地でできてる。あれ、でもこれって……今日マルセンさんが持ってきてくれた素材。基はあれと同じだわ」
それならばこのドレス直せるかもしれない。そう思いいたると早速作業部屋へと移動して破れているところや糸の切れてしまっているところなどを確認しマルセンから貰った素材でドレスを仕立て直していった。
「ただいま。アイリス遅くなってごめん」
「あ、イクトさんお帰りなさい。って、ずぶ濡れじゃないですか?」
ドレスを仕立て直し店先で店番をしているとイクトが帰って来る。しかしその姿を見たアイリスは驚き慌ててタオルを彼へと持って行った。
「うん。途中で傘を持っていない女の子に出会ってね。ずぶ濡れになってしまうから傘を貸してあげたんだ」
「それでイクトさんが濡れて帰ってきたんですね」
経緯を説明する彼に彼女は納得して頷く。
「大丈夫。買い出したものは無事だから」
「私ココアを入れてきますね」
イクトの言葉に小さく笑うと奥の部屋へと向かっていく。彼もずぶ濡れになった服を着替えるために一旦家へと帰っていった。
「そうだ、ずぶ濡れの女の子といえば、私も今日ずぶ濡れになった女の子のお客様から依頼されたんです」
「そうだったんだね」
彼が戻って来るとココアで一息つきながら今日出会ったお客様の事を語る。
「はい。とても大切なドレスを仕立て直してほしいとの依頼でした」
「その顔はもうでき上ってるって顔だね」
アイリスの言葉に彼が微笑み尋ねるように言う。
「はい。今日マルセンさんがくれた素材と同じもので作られていたので、それで今日はこの雨で客足も少ないので暇な時間に依頼の品を作ったんです」
「そうか、アイリス大分時間の使い方が上手くなってきたね」
彼女が答えるとイクトが嬉しそうに笑いながら話す。
「最初は覚えなきゃって気持ちで一杯だったのですが、今はずいぶん余裕ができるようになって、落ち着いて考えることができるようになりました。イクトさんが色々と教えて下さったおかげです」
「アイリスにいろいろやらせすぎたとは思っているよ。だが、店長としてしっかり実戦をつみ、経験したからこそ今はこうしてお店の事がやれるようになったんだ。俺も昔は先代からいろいろとやらされてね。そのおかげでたいていのものは一年でやれるまでに覚えた。アイリスは呑み込みが早いから、だから自分で考えて動けるまでに達したんだと思うよ」
アイリスの言葉を聞いた彼がカップを置くと落ち着いた声で話す。
「イクトさんみたいに何でもこなせるまでになるにはまだまだ時間がかかります。ですから、これからもよろしくお願いしますね」
「うん。アイリスが立派な仕立て屋の主として自信がつくまでは、俺がちゃんと側で指導していくから、だから不安に思うことは何もないんだよ」
彼女の言葉を聞きながらその顔が不安に歪んだことに気付きイクトが優しく言い聞かす。
「私、イクトさんとずっと仕事がしたいです。だから私が一人前の仕立て屋アイリスの店長となった後もずっと、ずっとここで仕事をしてくれますよね?」
「アイリス……言っただろう。こんなに頼りない君を一人置いて俺はどこかへ行ったりなんかしないって。だから、泣かないで」
アイリスの気持ちをしっかりと理解している彼が優しくそうなだめると彼女を安心させるように微笑む。
彼女は泣いていたことに気付き慌ててその涙を拭うとはにかんだ顔でイクトへと答えた。
「こんなに泣き虫じゃあ、お客様にも心配させてしまいますよね。私、頑張らなきゃ」
「泣き虫でも構わないよ。それに、泣かせてしまったのは俺だから、だからごめんね」
「いいえ。私こそ不安になってイクトさんに迷惑かけて……ごめんなさい」
小さく笑いながら話すアイリスへと彼が申し訳なさそうな顔で謝る。イクトへと首を振って答えると彼女もごめんと言った。
「これからもよろしくね。アイリス」
「こちらこそ、頼りない店長ですがよろしくお願いします」
二人でにこりと笑い合うとココアを飲みゆったりとした午後の一時を過ごした。
「よう。元気か?」
「あ、マルセンさん。こんにちは。今日は如何されました」
お店の扉が開かれるとマルセンが店内に入って来る。その姿に彼女は笑顔で出迎えた。
「いや、ちょっと顔を見に来ただけだ。つい最近まで町の外に出ていたからな」
「冒険者としてのお仕事大変ですね」
彼の言葉にアイリスは冒険者の仕事で出かけていたのだと気付きそう話す。
「それでこの町が守られるんなら、どうってことない。それよりアイリス、仕事は順調か?」
「はい。最近新しいお客様もみえるようになって、いろんな人と出会いがあって休む間がないくらい順調ですよ」
マルセンの言葉に彼女は笑顔で答える。
「そうか、それならよかった。だが、あまり無茶はするなよ」
「はい」
その顔を見た彼が安心した様子で微笑むも無理はするなと言い、それにアイリスは素直に答える。
「これ、仕事中に拾ったんだが、俺には必要ないものだからな。この店で使えるならよかったら貰ってくれないか」
「これは……?」
マルセンが大きな袋を差し出してくるとそれを受け取りながら彼女は不思議そうに尋ねた。
「ミルムワームの糸と、アーゲシャロルの革だ」
「あぁ、これがそうなんですね。有難う御座います」
彼の説明を聞いて袋の中を開けて確認したアイリスはお礼を言う。
「職人が作ったものには劣るかもしれない素材だが、使えそうか?」
「職人が作ったものじゃなくても天然の素材なら大丈夫ですよ」
心配そうなマルセンの言葉に彼女はにこりと笑い答えた。
「以前もマルセンさんが下さった天然の素材で依頼品を作ったことがあったんです。ですから、今回のも大丈夫ですよ」
「そういえば、そんなこともあったな。また何か拾ったら貰ってくれると助かる」
アイリスの言葉に彼がそんなこともあったなと言って笑う。
「こちらこそ、素材を提供して下さり有り難う御座います」
「じゃあな」
彼女もお礼を言うとそれを聞いたマルセンが微笑み店を後にする。
それからしばらく経ったころ再びお店の扉が開かれる呼び鈴の音が鳴り響き、アイリスはカウンターから店内へと顔を向けた。
「いらっしゃいませ、仕立て屋アイリスへようこそ……あれ?」
確かにお客が入ってきたと思ったのだが店内には誰の姿もなかった。
「あ、あのぅ……」
「?」
その時カウンターの下から女の子の声が聞こえ彼女はそちらへと視線を落とす。
そこにはずぶ濡れの少女が一人立っていてアイリスは慌ててタオルを用意して彼女へと差し出す。
「う、大丈夫だよ。それより、ここで服を直してもらえるって聞いてきたの。お姉さんこれ、直せる?」
「これは……」
少女が差し出してきたのは子ども用の純白のドレス。だけどとても古いもののようで所々破れてしまっていた。
「とても大切なものなの……だから、お願い。直してください……」
「……大丈夫よ。それじゃあこれ預からせてもらいますね」
不安そうに涙目で見詰めてくる少女の姿に安心させるように優しく微笑み差し出されたドレスを預かる。
「……ありがとう。よろしくお願いします」
少女はそう言うと店を後にする。残されたアイリスは手の内のドレスを見直した。
「見た事のない生地でできてる。あれ、でもこれって……今日マルセンさんが持ってきてくれた素材。基はあれと同じだわ」
それならばこのドレス直せるかもしれない。そう思いいたると早速作業部屋へと移動して破れているところや糸の切れてしまっているところなどを確認しマルセンから貰った素材でドレスを仕立て直していった。
「ただいま。アイリス遅くなってごめん」
「あ、イクトさんお帰りなさい。って、ずぶ濡れじゃないですか?」
ドレスを仕立て直し店先で店番をしているとイクトが帰って来る。しかしその姿を見たアイリスは驚き慌ててタオルを彼へと持って行った。
「うん。途中で傘を持っていない女の子に出会ってね。ずぶ濡れになってしまうから傘を貸してあげたんだ」
「それでイクトさんが濡れて帰ってきたんですね」
経緯を説明する彼に彼女は納得して頷く。
「大丈夫。買い出したものは無事だから」
「私ココアを入れてきますね」
イクトの言葉に小さく笑うと奥の部屋へと向かっていく。彼もずぶ濡れになった服を着替えるために一旦家へと帰っていった。
「そうだ、ずぶ濡れの女の子といえば、私も今日ずぶ濡れになった女の子のお客様から依頼されたんです」
「そうだったんだね」
彼が戻って来るとココアで一息つきながら今日出会ったお客様の事を語る。
「はい。とても大切なドレスを仕立て直してほしいとの依頼でした」
「その顔はもうでき上ってるって顔だね」
アイリスの言葉に彼が微笑み尋ねるように言う。
「はい。今日マルセンさんがくれた素材と同じもので作られていたので、それで今日はこの雨で客足も少ないので暇な時間に依頼の品を作ったんです」
「そうか、アイリス大分時間の使い方が上手くなってきたね」
彼女が答えるとイクトが嬉しそうに笑いながら話す。
「最初は覚えなきゃって気持ちで一杯だったのですが、今はずいぶん余裕ができるようになって、落ち着いて考えることができるようになりました。イクトさんが色々と教えて下さったおかげです」
「アイリスにいろいろやらせすぎたとは思っているよ。だが、店長としてしっかり実戦をつみ、経験したからこそ今はこうしてお店の事がやれるようになったんだ。俺も昔は先代からいろいろとやらされてね。そのおかげでたいていのものは一年でやれるまでに覚えた。アイリスは呑み込みが早いから、だから自分で考えて動けるまでに達したんだと思うよ」
アイリスの言葉を聞いた彼がカップを置くと落ち着いた声で話す。
「イクトさんみたいに何でもこなせるまでになるにはまだまだ時間がかかります。ですから、これからもよろしくお願いしますね」
「うん。アイリスが立派な仕立て屋の主として自信がつくまでは、俺がちゃんと側で指導していくから、だから不安に思うことは何もないんだよ」
彼女の言葉を聞きながらその顔が不安に歪んだことに気付きイクトが優しく言い聞かす。
「私、イクトさんとずっと仕事がしたいです。だから私が一人前の仕立て屋アイリスの店長となった後もずっと、ずっとここで仕事をしてくれますよね?」
「アイリス……言っただろう。こんなに頼りない君を一人置いて俺はどこかへ行ったりなんかしないって。だから、泣かないで」
アイリスの気持ちをしっかりと理解している彼が優しくそうなだめると彼女を安心させるように微笑む。
彼女は泣いていたことに気付き慌ててその涙を拭うとはにかんだ顔でイクトへと答えた。
「こんなに泣き虫じゃあ、お客様にも心配させてしまいますよね。私、頑張らなきゃ」
「泣き虫でも構わないよ。それに、泣かせてしまったのは俺だから、だからごめんね」
「いいえ。私こそ不安になってイクトさんに迷惑かけて……ごめんなさい」
小さく笑いながら話すアイリスへと彼が申し訳なさそうな顔で謝る。イクトへと首を振って答えると彼女もごめんと言った。
「これからもよろしくね。アイリス」
「こちらこそ、頼りない店長ですがよろしくお願いします」
二人でにこりと笑い合うとココアを飲みゆったりとした午後の一時を過ごした。
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