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六章 地獄の鬼 煉獄
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テスト期間が終了したからと言って、直ぐに答案が返却されるわけではなく、教師陣が採点を終えるまでは、通常授業。
長期休暇と交流会を目前に、生徒達がどことなくそわそわと過ごし――――
「で、どうよ?」
「うむ。おそらくは、回避できたと思う」
「よかったじゃねーか!」
「ああ、そう言うテッドの方はどうなんだ?」
「おう、なかなかの手応えってとこだな。リールはどうよ?」
「……いつもより、できたと思う」
「ライアン先輩って教え上手なのなー。ありがとうございました!」
「感謝します、ライアン先輩」
「ありがとうございました」
「助かりました」
と、みんなでライアンさんへお礼。
「いえいえ、そんなことはありませんよ。僕は、自分がセディック様に教わったようにして教えただけなので、教え上手なのはセディック様の方ですね」
確かに、ライアンさんの教え方はセディーの教え方と似ていて、わたしはやり易かったかも。
「ぉ~、そこで謙遜……というか、ハウウェルのおにーさんが出て来るんですか」
「? いえ、特に謙遜ではありませんが……ハウウェル君はどうでしたか?」
「わたしも、多分赤点ではないと思いますが……まだテストが返って来ていないので、なんとも言えませんねぇ」
「それもそうですね。ですが、休暇日数が短くなると、セディック様が悲しまれるかと……」
「まぁ、そうですねぇ・・・」
悲しそうなセディーの顔が脳裏に浮かび・・・次いで、「もっと勉強しようか? ネイト」と言って勉強する時間が増やされそうな気が・・・
「赤点は、是非とも回避したいですね」
これ以上の暗記とか、勘弁してほしい。というか、セディーは次期侯爵としての自分の勉強の方はどうなっているんだろう? いや、セディーが非常に優秀なのは、十二分にわかっているんだけどさ?
帰省中とか、わたしに構ってばかりいて大丈夫なんだろうか? セディーに、あんまりわたしに構わなくていいんだよと言っても、「僕と過ごすのは嫌?」って寂しそうな顔で聞かれちゃうし。
わたしは、セディーの悲しそうな顔に弱い。そう自覚している。セディーも、その辺りをわかっていて利用しているように思う。それを判っていて尚、わたしはセディーに弱い。
お祖父様もおばあ様も、そんなセディーとわたしを微笑ましいという顔で見ていますし。あと、「勉強ばかりでは気が滅入るでしょ?」と言って、お茶とお菓子を用意してくれたり、「セディーに構ってばかりいるのはズルいではないか」と、ゲームを持って乱入して来るのはどうなんでしょうか?
いや、ずっと勉強漬けよりは助かりますけど。
「赤点だとかそんな湿っぽい話はやめようぜ! それよりも交流会、どうすんだ?」
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