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第4章
4-8ちゃんと向き合う ☆
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ちゃんと向き合う、ちゃんと向き合う、ちゃんと向き合う……
「美頼」
「んえ!?」
「どうした、仕事中だろ」
「ああ、うん。ごめん」
ちゃんと向き合う、そう決めてリュヌに行くことになっていたから最初は優哉にって思って来たけど……。
ちゃんとってなんだろう……!?
どうしようとしてたっけ? 待ってもしかして考えておかなかった? いや~私って馬鹿だな~。とか思っている場合じゃない!
テーブル席で手が挙がるのに気付いた。
間違えることなく注文を取って、店長に伝えた。
優哉はまだ少し不安そうだった。
「いや大丈夫。大丈夫だから」
◇
休憩時間、更衣室で一人になった。
あれから考えてみたけど、中学の頃ってうちが好かれていたんだった。でも今ってうちが好きなんだよね。立場が逆だ。じゃあ優哉、君島、新城くんがあの時のうちだ。
あの時のうちは……
うん。くずだね!
いや違う! どう思ったかの方!
正直、嫌っていうか、怖かった。いつからそういう風に思われていたんだろう、断ってもそう思われ続けそうって。
それから、もう一度優哉に会えるって信じていたな。今はこれ関係ないか。
よし。向き合い方決まった!
時間もちょうどだし戻ろう。
更衣室を出ると、目の前に優哉がいた。
あ……もう今!!
「優哉!」
「うおっ! どうした!?」
「うちといて嫌?」
「本当にどうした……? そうだな……」
どんなこと考えているんだろう。どんなこと言われても受け止めるつもりだけど。
「嫌、かもな」
「そっか。理由訊いてもいい?」
「自分が一番分かっていると思うが」
え? うちが?
「悪い。休憩させてくれ」
「あ、うん」
行っちゃった……。
なんだろう、うちが一番分かっている理由って。……思い当たる節が多すぎる。そりゃそうだよね。こんな女といて嫌じゃないわけないか。
……でもなんか引っかかる。単純にそれだけじゃないのかな?
◇
お昼時も過ぎた頃、新城くんが来店した。
「コーヒー一杯でお願い」
「お一つですね。かしこまりました」
いつも思うけどなんでいつもこれだけなんだろう?
注文された品をお届けすると、
「お、ありがとう」
と言った後、流れるように
「テストお疲れさま」
と話しだした。
「新城くんもね。追試減ってると思うんだけどな~」
「悪くなさそうな感じ?」
「うん」
「俺は相変わらず地理がよく分からん」
「あ、それだけ絶対追試」
「まじかよ」
ちょっと笑い合って新城はコーヒーを飲むのを見て、今に決めた。
「新城くん、聴きたいことがあるんだけど」
「美頼」
「んえ!?」
「どうした、仕事中だろ」
「ああ、うん。ごめん」
ちゃんと向き合う、そう決めてリュヌに行くことになっていたから最初は優哉にって思って来たけど……。
ちゃんとってなんだろう……!?
どうしようとしてたっけ? 待ってもしかして考えておかなかった? いや~私って馬鹿だな~。とか思っている場合じゃない!
テーブル席で手が挙がるのに気付いた。
間違えることなく注文を取って、店長に伝えた。
優哉はまだ少し不安そうだった。
「いや大丈夫。大丈夫だから」
◇
休憩時間、更衣室で一人になった。
あれから考えてみたけど、中学の頃ってうちが好かれていたんだった。でも今ってうちが好きなんだよね。立場が逆だ。じゃあ優哉、君島、新城くんがあの時のうちだ。
あの時のうちは……
うん。くずだね!
いや違う! どう思ったかの方!
正直、嫌っていうか、怖かった。いつからそういう風に思われていたんだろう、断ってもそう思われ続けそうって。
それから、もう一度優哉に会えるって信じていたな。今はこれ関係ないか。
よし。向き合い方決まった!
時間もちょうどだし戻ろう。
更衣室を出ると、目の前に優哉がいた。
あ……もう今!!
「優哉!」
「うおっ! どうした!?」
「うちといて嫌?」
「本当にどうした……? そうだな……」
どんなこと考えているんだろう。どんなこと言われても受け止めるつもりだけど。
「嫌、かもな」
「そっか。理由訊いてもいい?」
「自分が一番分かっていると思うが」
え? うちが?
「悪い。休憩させてくれ」
「あ、うん」
行っちゃった……。
なんだろう、うちが一番分かっている理由って。……思い当たる節が多すぎる。そりゃそうだよね。こんな女といて嫌じゃないわけないか。
……でもなんか引っかかる。単純にそれだけじゃないのかな?
◇
お昼時も過ぎた頃、新城くんが来店した。
「コーヒー一杯でお願い」
「お一つですね。かしこまりました」
いつも思うけどなんでいつもこれだけなんだろう?
注文された品をお届けすると、
「お、ありがとう」
と言った後、流れるように
「テストお疲れさま」
と話しだした。
「新城くんもね。追試減ってると思うんだけどな~」
「悪くなさそうな感じ?」
「うん」
「俺は相変わらず地理がよく分からん」
「あ、それだけ絶対追試」
「まじかよ」
ちょっと笑い合って新城はコーヒーを飲むのを見て、今に決めた。
「新城くん、聴きたいことがあるんだけど」
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