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第2章
2-58話し合った結果/俺は断った
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僕は双子姉妹と別れた後、屋台を手伝うことになって……。
家に着いた夕暮れ時、冴羅さんからメッセージが届いていた。文面を見るにどうやら凛紗さんと一緒に書いているようだ。
あれから話し合ってくれたんだ。良かった良かった。
……という感慨はすぐに吹き飛んだ。
「あの二組の様子を見たい……?」
送られてきた文を最初からしっかり読み返す。
まずは僕への感謝とこれまでの姉妹関係の詳細。ここまではしみじみと読んでいた。
それから、お互いに色々と話し合ったと書かれていた。これで本当に僕、いや僕たちの目的が果たされたのだと知れて安心した。まあ、今日の今日だよ?もうちょっとゆっくりでも良いよ?とは思ったけど。
その次が、お言葉に甘えて、という言葉とともに僕に対する衝撃の質問となっていた。
二人は草壁・木庭及び幸恵さん・油井が一緒にいる様子を見たいそうだ。というのも、双子揃って宮国のことが嫌いではないものの、何か引っ掛かっていることがあったらしい。そこまで一緒なんだ。
だから、すごく良い関係に見える二組を基に、自分たちのことを確かめたいとのことだった。
恐らく許してくれるとは思う。けど、どちらも独特だからどの程度参考になるのだろうか……。
◇
「優哉、二人が来たよ……」
いつもは喧しい美頼が困ったように言った。
困るぐらいなら引き受けるな。
祭りの一日目、君島は深町姉妹と蹴りが着いたらしかったが、察せられること以上を詮索するつもりもなかったし美頼が満足なら後はどうでも良かった。
そこから次の日まで何も無く、屋台が忙しいこともあってすっかり忘れていた。
だからその更に翌日に勝手に作られていたグループでメッセージを受け取った時、その送り主が誰なのか最初は理解できていなかった。しばらくは美頼がやり取りをしていて、その流れから漸く思い出すことができた。
俺は断った。見世物でもなければ……俺と美頼は参考になるような関係でもないからだ。
だが。
>あたしはいいけど
>凛紗と副会長のためなら
美頼はそう答えた。
俺はそう答えると思っていた。まだ相手が誰かも判然としていない時点から。美頼がそう安請け合いをしてしまえば、
>なら美頼の好きにしてくれ
俺は受け入れる他無くなる。俺に止める道理など無い。
そうして今に到る。
「そうか。自分だけでも二人に伝えるって言ったのお前だろ。精々頑張れ」
俺は最初に断ったことを理由に我関せず決め込むつもりだ。
「う~! 優哉の意地悪!」
俺はそれを鼻で笑い、美頼は踵を返して件の双子の下に戻っていった。
……なんだ今の可愛い。思わず笑ってしまった。
「ごめん二人とも。せっかく来てくれたけど優哉が全然で」
「「いえ」」
落ち着いた声と勢い付いた声が同時に聞こえた。
「昨日の今日だし、無理は承知だもの」
「こうしてこのお店に来られただけでも嬉しいですから」
「そう? ごめんね」
話し振りだけでも、前に会った時から姉妹間の雰囲気がかなり変わっているように見受けられた。君島の目論見通り改善していると思う。
家に着いた夕暮れ時、冴羅さんからメッセージが届いていた。文面を見るにどうやら凛紗さんと一緒に書いているようだ。
あれから話し合ってくれたんだ。良かった良かった。
……という感慨はすぐに吹き飛んだ。
「あの二組の様子を見たい……?」
送られてきた文を最初からしっかり読み返す。
まずは僕への感謝とこれまでの姉妹関係の詳細。ここまではしみじみと読んでいた。
それから、お互いに色々と話し合ったと書かれていた。これで本当に僕、いや僕たちの目的が果たされたのだと知れて安心した。まあ、今日の今日だよ?もうちょっとゆっくりでも良いよ?とは思ったけど。
その次が、お言葉に甘えて、という言葉とともに僕に対する衝撃の質問となっていた。
二人は草壁・木庭及び幸恵さん・油井が一緒にいる様子を見たいそうだ。というのも、双子揃って宮国のことが嫌いではないものの、何か引っ掛かっていることがあったらしい。そこまで一緒なんだ。
だから、すごく良い関係に見える二組を基に、自分たちのことを確かめたいとのことだった。
恐らく許してくれるとは思う。けど、どちらも独特だからどの程度参考になるのだろうか……。
◇
「優哉、二人が来たよ……」
いつもは喧しい美頼が困ったように言った。
困るぐらいなら引き受けるな。
祭りの一日目、君島は深町姉妹と蹴りが着いたらしかったが、察せられること以上を詮索するつもりもなかったし美頼が満足なら後はどうでも良かった。
そこから次の日まで何も無く、屋台が忙しいこともあってすっかり忘れていた。
だからその更に翌日に勝手に作られていたグループでメッセージを受け取った時、その送り主が誰なのか最初は理解できていなかった。しばらくは美頼がやり取りをしていて、その流れから漸く思い出すことができた。
俺は断った。見世物でもなければ……俺と美頼は参考になるような関係でもないからだ。
だが。
>あたしはいいけど
>凛紗と副会長のためなら
美頼はそう答えた。
俺はそう答えると思っていた。まだ相手が誰かも判然としていない時点から。美頼がそう安請け合いをしてしまえば、
>なら美頼の好きにしてくれ
俺は受け入れる他無くなる。俺に止める道理など無い。
そうして今に到る。
「そうか。自分だけでも二人に伝えるって言ったのお前だろ。精々頑張れ」
俺は最初に断ったことを理由に我関せず決め込むつもりだ。
「う~! 優哉の意地悪!」
俺はそれを鼻で笑い、美頼は踵を返して件の双子の下に戻っていった。
……なんだ今の可愛い。思わず笑ってしまった。
「ごめん二人とも。せっかく来てくれたけど優哉が全然で」
「「いえ」」
落ち着いた声と勢い付いた声が同時に聞こえた。
「昨日の今日だし、無理は承知だもの」
「こうしてこのお店に来られただけでも嬉しいですから」
「そう? ごめんね」
話し振りだけでも、前に会った時から姉妹間の雰囲気がかなり変わっているように見受けられた。君島の目論見通り改善していると思う。
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