106 / 281
第2章
2-46到着後:女子たちの合流 ☆
しおりを挟む
「どう? ソナくん」
そう言って卯月さんが見せつけたのは白のビキニだった。小柄だから大胆さが際立つ、とは思ったがパレオを巻いて落ち着いた感じもあるのが卯月さんらしい。
それにしても……
「本当に大学生の子がいる女性ですか……?」
「えー? へへへ~」
「旦那さんにも写真で見せてあげたら良いと思いますよ」
「うん! そうする!」
「……あたしには何も無いわけ?」
そう木庭に文句を言う草壁は、首の後ろで紐を引く形状の水着……無いわけじゃないのに持ち上げているのが良いと思いました。木庭! 本当なんか言ってやれよ!
「いや、一緒に買いに行ったから今更……」
そこまで言ったが、ちゃんと見て、口をもごもごさせて目を逸らしていた。やっぱり何も言わなくていいや。
そして、そもそも大きい西沖さんは、フレアタイプの水着を突っ張らせていた。
「ゆったり揺れる感じが君には似合うな」
油井はそんな感想を伝えていた。
何がだ。
「いいよね。お店入ってすぐ目に着いたんだよね~」
「なるほど。飲食店とかも外したことがないのだろうな」
「うん。最初周りに止められるけど」
相変わらずのこの二人らしい会話だ……。
「私は……どう? 変じゃないかしら」
僕と宮国の前に出て冴羅さんが見せた。首元まであるような水着だ。相変わらず大人っぽい。
しかし、すぐ近くに凛紗さんがいる中、どう反応すればいいんだ?
「ああ、綺麗だ。いつもとはまた違って」
そんなこと堂々と言い放つなんてさっきまでとはえらい違いだ。
「かっこいいぐらいだよ」
……我ながらなんて間抜けな感想だ。
「……それは少し威圧的ということかしら」
しかも心配させてしまった。
「そうじゃなくて……」
よく見て、よく考えろ!
「その、上手く活かしているってこと。下手に全部抑え込むより良いよ」
冴羅さんは不安が晴れ、微笑んでくれた。
「ふふっ。ありがとう。凛紗、行きましょうか」
「あ、はい」
あ、凛紗さんのことまだ見てない……と思って窺ったけど、本人は特に気にしていないらしかった。良かった。
その凛紗さんの水着は、お腹が露になったタンクトップ型だ。……ハーフパンツでも脚を出し過ぎたと言っていたのに?
「凛紗さん。今日は泳ぎやすいのを選んだんですか」
気になって、呼び止めて訊いた。
「あ、その、実はスクール水着を持って来たのですが、えっと……合わなくて、今買ったんです」
別に太ってはいないいないけど?と思っていると、凛紗さんが腹部を隠すように抱えたことで、合わなくなったであろうそれに気付いた。
「大きいですよね」
大きい。幸恵さんほどではないけど、確かに大きい部類だ。これまで全然気付かなかった。着痩せするってこと?
そんな僕が見ている様子を凛紗さんに見られていた。
「あ、ごめ……」「変な気」「起こさないよ!?」
その目をよく見るとどこか物欲しげで慌てた。
「みんなで買ったんだ?」
後ろから宮国の声がした。
「はい!」
「良かった。素敵なのがあって」
「あ……はい。みなさん選ぶのが上手なおかげです」
「凛紗、私たちと一緒に来ない?」
凛紗さんが話し終わってから草壁が声をかけた。
「え? でも姉が……」
「大丈夫。今話してきたところ」
向こうでは幸恵さんと油井が冴羅さんと話していた。
「それなら、お願いします」
図らずも、作戦の第一段階を完了していた。
ところで。
「すごく……良かった」
宮国は左胸を押さえながらそう呟いていた。
そう言って卯月さんが見せつけたのは白のビキニだった。小柄だから大胆さが際立つ、とは思ったがパレオを巻いて落ち着いた感じもあるのが卯月さんらしい。
それにしても……
「本当に大学生の子がいる女性ですか……?」
「えー? へへへ~」
「旦那さんにも写真で見せてあげたら良いと思いますよ」
「うん! そうする!」
「……あたしには何も無いわけ?」
そう木庭に文句を言う草壁は、首の後ろで紐を引く形状の水着……無いわけじゃないのに持ち上げているのが良いと思いました。木庭! 本当なんか言ってやれよ!
「いや、一緒に買いに行ったから今更……」
そこまで言ったが、ちゃんと見て、口をもごもごさせて目を逸らしていた。やっぱり何も言わなくていいや。
そして、そもそも大きい西沖さんは、フレアタイプの水着を突っ張らせていた。
「ゆったり揺れる感じが君には似合うな」
油井はそんな感想を伝えていた。
何がだ。
「いいよね。お店入ってすぐ目に着いたんだよね~」
「なるほど。飲食店とかも外したことがないのだろうな」
「うん。最初周りに止められるけど」
相変わらずのこの二人らしい会話だ……。
「私は……どう? 変じゃないかしら」
僕と宮国の前に出て冴羅さんが見せた。首元まであるような水着だ。相変わらず大人っぽい。
しかし、すぐ近くに凛紗さんがいる中、どう反応すればいいんだ?
「ああ、綺麗だ。いつもとはまた違って」
そんなこと堂々と言い放つなんてさっきまでとはえらい違いだ。
「かっこいいぐらいだよ」
……我ながらなんて間抜けな感想だ。
「……それは少し威圧的ということかしら」
しかも心配させてしまった。
「そうじゃなくて……」
よく見て、よく考えろ!
「その、上手く活かしているってこと。下手に全部抑え込むより良いよ」
冴羅さんは不安が晴れ、微笑んでくれた。
「ふふっ。ありがとう。凛紗、行きましょうか」
「あ、はい」
あ、凛紗さんのことまだ見てない……と思って窺ったけど、本人は特に気にしていないらしかった。良かった。
その凛紗さんの水着は、お腹が露になったタンクトップ型だ。……ハーフパンツでも脚を出し過ぎたと言っていたのに?
「凛紗さん。今日は泳ぎやすいのを選んだんですか」
気になって、呼び止めて訊いた。
「あ、その、実はスクール水着を持って来たのですが、えっと……合わなくて、今買ったんです」
別に太ってはいないいないけど?と思っていると、凛紗さんが腹部を隠すように抱えたことで、合わなくなったであろうそれに気付いた。
「大きいですよね」
大きい。幸恵さんほどではないけど、確かに大きい部類だ。これまで全然気付かなかった。着痩せするってこと?
そんな僕が見ている様子を凛紗さんに見られていた。
「あ、ごめ……」「変な気」「起こさないよ!?」
その目をよく見るとどこか物欲しげで慌てた。
「みんなで買ったんだ?」
後ろから宮国の声がした。
「はい!」
「良かった。素敵なのがあって」
「あ……はい。みなさん選ぶのが上手なおかげです」
「凛紗、私たちと一緒に来ない?」
凛紗さんが話し終わってから草壁が声をかけた。
「え? でも姉が……」
「大丈夫。今話してきたところ」
向こうでは幸恵さんと油井が冴羅さんと話していた。
「それなら、お願いします」
図らずも、作戦の第一段階を完了していた。
ところで。
「すごく……良かった」
宮国は左胸を押さえながらそう呟いていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
クールな生徒会長のオンとオフが違いすぎるっ!?
ブレイブ
恋愛
政治家、資産家の子供だけが通える高校。上流高校がある。上流高校の一年生にして生徒会長。神童燐は普段は冷静に動き、正確な指示を出すが、家族と、恋人、新の前では

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる