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第2章
2-18大事に思ってくれる人たち ☆
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「お疲れ様~」
「お疲れ様でした」
そうか~~。君島がか~~。
気付けばあれから今までずっと君島と凛紗のことを考えちゃっていた。
そうだよね~。まあなんだかんだ君島って優しいもんね。小言も言うけど。
それに……悪いけど凛紗のことを今まで全然知らなかった。副会長にめちゃくちゃ似てたし、知らないうちに何回か見かけているのかも。こういうのなんだっけ……何武者……落ち武者……? まあいいや。
影が薄くておどおどしていても、というかそういう子にこそ君島は優しくするだろうな。しかも真面目だし。うちは迷惑かけてばっかだから。あれ、それなら小言も言わない? そうなるとただ優しいだけ……。お似合いってことじゃん。
…………。
うちはこうなって当然だと思う。気持ちを決めずにいたんだから何か言う権利は無い。むしろ喜ばなきゃ。君島には彼女が出来てうちは決めるのが楽になる。良いことだらけじゃん。それに君島と喋っちゃいけないわけじゃない。これまで通りの関係でいいんだ。なんなら焦って君島に決めてなくて良かった。一番困らせただろうな。
………………。
なんで……だろ……。
もう電車に乗って、周りに人もいるのに、涙が流れそうだった。
駅に着いて、すぐに改札を出て、人のいない所でしゃがみこんだ。
どうすればいいかな?
――ミラちゃんを大事に思ってくれる人だと思うんだ。だから、ちゃんと本当のことを話してあげて。ね?――
優哉がうちの話を聴いてくれるのか不安だったとき、店長が言ってくれた言葉。
そうするのが、一番かな。
君島は大事に思ってくれているか分からないし、凛紗はお似合いだし、一応夏休みの間だけだし、気持ちが決まったわけじゃないし、絶対困らせるし、うちは結局最低だし。
けど、ちゃんと思っていることを伝えたい。
◇
三連休明けの朝。
教室内は挨拶と談笑で騒がしく、入室する君島にも挨拶がかけられる。
君島は自身の席に近付き、草壁に気付く。
「おはよう」
「うん、おはよう」
「珍しいね、草壁が僕より早く来ているなんて」
「うん……」
「……何かあったの?……いや、こんな訊き方無いか。凛紗さんのこと?」
「お疲れ様でした」
そうか~~。君島がか~~。
気付けばあれから今までずっと君島と凛紗のことを考えちゃっていた。
そうだよね~。まあなんだかんだ君島って優しいもんね。小言も言うけど。
それに……悪いけど凛紗のことを今まで全然知らなかった。副会長にめちゃくちゃ似てたし、知らないうちに何回か見かけているのかも。こういうのなんだっけ……何武者……落ち武者……? まあいいや。
影が薄くておどおどしていても、というかそういう子にこそ君島は優しくするだろうな。しかも真面目だし。うちは迷惑かけてばっかだから。あれ、それなら小言も言わない? そうなるとただ優しいだけ……。お似合いってことじゃん。
…………。
うちはこうなって当然だと思う。気持ちを決めずにいたんだから何か言う権利は無い。むしろ喜ばなきゃ。君島には彼女が出来てうちは決めるのが楽になる。良いことだらけじゃん。それに君島と喋っちゃいけないわけじゃない。これまで通りの関係でいいんだ。なんなら焦って君島に決めてなくて良かった。一番困らせただろうな。
………………。
なんで……だろ……。
もう電車に乗って、周りに人もいるのに、涙が流れそうだった。
駅に着いて、すぐに改札を出て、人のいない所でしゃがみこんだ。
どうすればいいかな?
――ミラちゃんを大事に思ってくれる人だと思うんだ。だから、ちゃんと本当のことを話してあげて。ね?――
優哉がうちの話を聴いてくれるのか不安だったとき、店長が言ってくれた言葉。
そうするのが、一番かな。
君島は大事に思ってくれているか分からないし、凛紗はお似合いだし、一応夏休みの間だけだし、気持ちが決まったわけじゃないし、絶対困らせるし、うちは結局最低だし。
けど、ちゃんと思っていることを伝えたい。
◇
三連休明けの朝。
教室内は挨拶と談笑で騒がしく、入室する君島にも挨拶がかけられる。
君島は自身の席に近付き、草壁に気付く。
「おはよう」
「うん、おはよう」
「珍しいね、草壁が僕より早く来ているなんて」
「うん……」
「……何かあったの?……いや、こんな訊き方無いか。凛紗さんのこと?」
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