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第二章

伊東清蔵  望月

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   伊東清蔵

 独り身の清蔵は、実家にある離れ屋敷にはすぐ帰らない。
 夕七つの鐘の鳴る頃に牛一の屋敷に顔を出し、牛一の話に耳を傾け酒を飲む。暮六つの鐘を聞くとようやく腰を上げた。
 織田家中の侍のくせに理屈っぽいところがある。
 時に小言まで出るのが煩わしい。清蔵が好む話はもっぱら武術と戦の話だが、牛一はあまり話したがらない。さりとて家中に轟く『弓ノ者』の名は見掛け倒しではないから不思議だ。
 四書五経やら、源氏物語に始まる京の雅などの話は退屈だと、思い返しながら城から半里ばかりの道を清蔵は歩んだ。 
 退屈だと思えば、勝手気ままに座を立つ清蔵だが、旨い肴と酒がそれを押し留めた。
 お陰で気がつくと、素直に牛一の学識に耳を傾ける己がいた。知らぬ知識を身につければなにやら得した気分にならぬでもない。
 一本道の先に板塀いで囲まれた小体な屋敷が見えて来た。
 気安く立ち寄るには手間がかかる。
「城の近くに屋敷替えをしろ」、と勝手を言ったが、
「畑がないと、心が休まらぬ」
 などと、武士にあるまじき戯言をぬかした。
 勝手知ったる道を行く。屋敷脇の畑を行き交う下男郎党に短く声を掛け、玄関の式台を鳴らした。
 慣れたものだ、下女が黙って濯ぎ桶を持ってきている。
「又助どのー、今宵もまた説法を聞きに参った」
 奥へ声を掛けたが、心にもないお愛想だ。
 四間先の襖がすっと開いた。
「来たな。酒はたんと用意してある。どうせ某の話など聞く気はあるまい」
「いや、最近は向学の志がふつふつと湧いてきております」
「では、酒はほどほどにするか」
 と、牛一は意地悪そうな眼つきで清蔵をみている。すぐに、ひくつく鼻から吐息を吐いた。
「飯はお春が、かわいい弟分のために腕によりをかけてこさえておるわ」
「そいつはありがてえ。お春どのの料理は絶品だで」
 すでに箱膳に簡単な料理と酒が並んでいた。
 お春特製の焼き味噌の香りが鼻奥をくすぐり唾を飲み込む。
 近しさからの、愛想のない挨拶を決まり事のように交わし、すぐさま大振りの茶碗に注いだ酒を喉に流し込んだ。
「最近、観音堂には行かぬようじゃな、お小夜ちゃんは」
「どうしてそれを?」
 その夜の一声がお小夜からとは、驚いた。内所で、勤番の夕餉の仕込みを終えて、篠笛の稽古に観音堂へ赴くのは内々の話だ。
「お屋形さまも心配しておられる......風邪か」
「お、お屋形さまが?」
 下働きの女の話を......と考えて、とみに上がった女振りを想像すると、眉間に力が入る。
「なにゆえ、お小夜ちゃんに気を懸けるのじゃ......」
 不安で心配になった。清蔵は信長と同い年の二十四になる。
 慌てる牛一の顔が目に入った。
「おお、言うてなかったか? 直々のお声がかりで最近奥向きに召し出す計らいじゃ」
「直々の......お声がかり?」
 声が裏返りそうになるのを必死で堪えた。
「だ、大丈夫じゃ、側室などと、そんな話ではない」
 必死に手を煽る牛一の素振りで、己の顔つきが悪鬼の形相になっているのがわかった。清蔵はそっと手で覆い、強張る筋肉をほぐした。
「......某も早合点だったがの」
 牛一は溜息をつき己の首を擦っている。
「いや、清蔵はすでに詳しい話を聞いておるのかと、思っておった」
 何も聞いてなかった。清蔵が覗き見た様子では、
「――風邪ではない。ないが、何かあったようなのだ。気が塞いで、観音堂に入っておらぬ」
 牛一の話はお小夜にとって良い話だが、お小夜の最近の様子を思えば清蔵の心は冴えなかった。
「う~ん。その前に、お主の気持ちはお小夜にちゃんと伝わっておるのか」
「あ、当たり前にござる」
清蔵は耳たぶが火照った。照れながら怒鳴り声を出した。
 牛一は黙って微笑んでいる。
「うちのお春も心配しておる。一度相談してみろ。女の気持ちは女にしかわからぬものじゃ」
 牛一の助言をしばし考え、清蔵は顔を赤くして黙った。
 女子のことを口にすることがもどかしくなった。心の奥を見透かすような目を向けられれば、なおさら卑小な男のように思えてならなかった。ならば黙するが良いと、奥歯を噛み締めた。
「ほれ、どうした清蔵。何か言うたらどうじゃ」 
 清蔵は口を閉じ歪めるばかりで、ときおり茶碗酒を口に運んだ。
「無口は駄目じゃ。お主、武士は喋らぬが良いなどと、思い違いをしておらぬか」
 清蔵は片眉を跳ね上げ、またぞろ説法を口にする兄貴分を仰ぎ見た。
「違いませぬか?」微笑みにつられて口を開く。
「ならば顔に色を出すな」
「え、色が、出ておりまするか」
 清蔵は盛んに己が頬を弄っている。
「すぐに出るぞ。淡い桜色じゃ。特にお小夜ちゃんの話になればなおさらじゃ」
 清蔵の困った顔を見て、牛一は笑いを噛み殺している。
「まだまだ、修行が足りませぬな」
「いや、そうではないのだ、清蔵。顔に出るものなれば口にも出せば良いだけじゃ」
「さすれば女々しい振舞いとなり、余人のそしりを受けるやも知れませぬ」
「それは、お役目だけのことにすれば良い。じゃがの、内々のことなればよく話さねば駄目じゃ......」
「内々のこと?」
「男と女の話じゃな」
 牛一の声が小さくなり、視線が辺りを彷徨った。あれはお春を探している目だ。
「昔は某もな、要らぬ心配を掛けまいと、お春にはほとんど話さなんだが、ある時どえりぁ怒りだしてな。荷物を纏めて飛び出さんばかりじゃった」
「えー、あのお春どのが、でござるか?」
「『お独りだけのお力でこの戦国の世を乗り切れるのならそうなさいませ。わたくしは邪魔はいたしませぬ』と、こうじゃ」
 話し出すと、興に乗るのはいつものことだが、牛一は楽しそうに身を乗り出し、手ぶりを加えて話している。
「それは、お春どのが無茶じゃ。武士の女房は黙って主を支えるのが務めと昔から決まっておる」
「それにな、『わたくしは、家に参ったのではございませぬ。又助さまをお慕いして、一人の女としていていくと決めたのでございます』とな」
「しかし......」
 戦国の世に、家を守るために男は血を流し、女は黙って従うものではないのか。清蔵は呆れた話に顔を顰めた。
「しかしも糞もない」
 と、きつく口にしながら顔をだらしなく綻ばす牛一は、不思議な男だ。
「そのお陰で儂は幸せじゃ。心の迷いがお春のお陰で取れる場合も度々ある」
 理屈ではないようだ。
「はあ、お二人を見ているとわかるような気がします」
だから早く祝言を挙げるのもよいかと考えるようになった。しかし......、
「心を通わせ、お互いを理解するには、まずは言葉を以て伝えねばなるまい。日本やまとの国には言霊信仰があるではないか」
 また何やら難しい話が顔を覗かす。
「聞いた覚えはありますが、仔細は、ちと......」
「古事記にもあるぞ......」
 しばし清蔵を見て、牛一は言葉を飲みこんだ。難しい言葉を清蔵のための言葉に換えている顔だ。
「簡単に説明するとじゃな、口に出すと思いが実現する。と言う意味じゃ」
「そういうものでありましょうか? 喋らぬほうが、姿がよくはありませぬか、殊に武士ならば」
「以心伝心と申しても、お互いの理解があっての話じゃな」
 言い聞かすように牛一の傾ぐ目付きが語りかける。
「理解するにはまず言葉があってこそであろう」
話を噛み砕く牛一に誘導されて、清蔵は不本意ながら頷いた。
「殊に武士ならば......か」
 言葉尻を繰り返して。牛一は気味の悪い笑みを零した。
「黙って槍を振るうお主の姿は、女子たちの憧れの的じゃとお春に聞いたことがある。......おや、お主、意識して無口を装うてか?」
 見透かすように目を細める。なんかどこかで見た覚えのある気味悪さを感じ、急ぎ振り払った。
「な、何を、人聞きの悪い」
 清蔵はきっぱりと否定した。
 小さいながらも伊東家は武門の出だ。黒母衣に選抜されたばかりの兄の武兵衛が聞いたら、目を吊り上げるに違いない。
「いや違うぞ。意図的ならば逆に心配などせぬのじゃがな」
 何を言いだしているのかわからず、清蔵の顔が勝手に捻じれそうになる。
襖が開いた。
 焼き物が並んだ平折敷ひらおしきを抱えてお春が入ってきた。
 芳ばしい香りに強張った顔がほぐれた。お腹が鳴っては決まりが悪い。腹の虫は主人より少しばかり素直な性質たちだ。
「ほらほら清蔵さま、お小夜ちゃんはいい子だから、ちゃんと印を付けておかないと、いなくなっちゃうわよ。子供だと思っても、女子の成長は早いのですもの」
 清蔵を子供扱いにするお春の声が弾んで聞こえる。癪に障るが腹は立たなかった。
お春は手際よく焼き立ての赤鰯の干物を笊から皿に移す。
「熱いから、よく冷ましてから召し上がれ」
 くりっとした黒目が清蔵を捉えて、揺れている。艶っぽく濡れて見えるのはどういう訳だ......。
「――お春どの、何を仰いますやら。それがしは心配など、何も......」
 気も漫ろとはまさに己が姿か。清蔵の手は膳の上を彷徨さまよい動いた。
「うわっー、ちんちん(熱々)だが~」
 誰の手だ? おれの手か? 清蔵の手は、片口を倒し箸まで飛ばした。
「だから、言ったではありませぬか、焼き立てでございますと」
 お春の優しい言葉の端々に笑みが溢れている。
「これこれ、お春。清蔵どんを揶揄うでない。槍の清蔵もお春の前では童と一緒じゃな」
「申し訳ござらぬ。このような粗相をして」
 牛一は、赤鰯を拾う清蔵に向き直り、
「落ち着け、清蔵」
 お春は黙っていた。
 視線を合わせると、胸の内を盗み見されそうで、清蔵は顔を上げなかった。
「清蔵さま、いつでも相談に乗りますよ」
 と、空の器を片づけて、静かに台所へ戻っていった。
 遠ざかる足音を確認して、清蔵は恨めしそうにお春の後姿を追った。
「恋心に関して女の勘は鋭いぞ、まるで聞き耳を立ててるようだ。遠耳の清蔵も敵わぬ」
 牛一は、すでに閉められた障子を睨みながら口を歪めた。まるで風流を楽しむ貴人の趣きを見せた。
 清蔵は、きまり悪そうにとってつけたしわぶきを一つ鳴らした。
「拙者よりも、お小夜ちゃんの身が心配でござる」
「なぁに、奥向きの勤めの支度やらで何かと忙しいのだろう」
「いや、なにか......、嫌なことが、あの観音堂であったようなのですが......」
 清蔵は、弱々しい視線を牛一に送った。
「ほう、そんなことがあったか? ほかの男に言い寄られでもしたのではないか」
 牛一は気楽にいう。
「そうであれば、拙者に言うであろうに......」
 清蔵は眉間に力を入れた。が、出鼻をくじかれた己の勘働きは狂ったままだった。
 ゆっくり襖が開く。いつの間にかお春が顔を覗かせ、優しく清蔵を見つめていた。
「あら、そのようなこと、女子おなごの口から言えるものですか。まだ十五、十六の娘御なのですよ、お小夜ちゃんは」
 牛一は、二人のやり取りを横目に、にやりとして酒を口に運んだ。
「お春、だがの。清蔵どんはお小夜ちゃんとすでに将来を誓い合うたそうじゃ」
「あらま! これは清蔵さま、見掛けによらず天晴れでございます」
 お春は嬉しそうに声を上げ、燗酒を片口に移している。動きに無駄がない。清蔵は思わず見惚れた。
「で、いつ? どこで?」
 無駄をそぎ落とした問いが矢継ぎ早に出る。
「観音堂で、笛を吹いているときらしい。そうだのう、清蔵」
 牛一が促すと余計に恥ずかしい。だが、お春の視線には、張っていた気が溶けだした。
「――好きだ。将来、拙者と一緒にならぬか......」
 己れでも驚くほどあけすけに言葉が出た。顔は熱い。明石の茹で蛸と見紛う赤に違いない。あとは盛んに首を掻いた。
 お春は、揺れる黒目で嬉しそうに頷いている。清蔵はお春を見て一息吸うと、話を続けた。
「不意にお小夜ちゃんの持つ笛の音が止まると、『お慕いしております。清蔵さま......』と、お小夜ちゃんが答えたのじゃ」
 一息に話すと、ひと戦終わったような渇きを覚えた。清蔵は勢いよく酒を喰らう。
「若いって良いなあ、お春」
 牛一も安堵して酒を流し、喉を鳴らした。
 お春は宙を見ている。
「でも、笛を吹いていたんだ。清蔵さまのお言葉は、ちゃんと伝わったのかしら」
 お春はゆっくり考えながら、躊躇いがちに口にした。
 牛一はそんなお春と顔を見合わせ、同じ拍子で顎を上下に揺すっていた。
 正直に話したのに、二人揃って疑う態度に清蔵は怒りを感じ始めた。
 清蔵は自分の耳を指した。尾張一の遠耳に誇りを持って意地を示す。
「ちゃんと聞きましたぞ、この耳で」
 どうだ、ぐうの音も出まいと清蔵は思った。
「あっ、その耳でか......」
 牛一は目をぱちりと見開いた。
「観音堂の石階段を上がってすぐに、と言ったな。......お小夜ちゃんはお堂のきざはしに腰を下ろしていたのだな」
 小さな落ち着いた声音で、牛一が聞いてきた。
 ほれ見ろ! と、清蔵は笑顔で歯をむき出しに頷いた。
「駄目だ~」
(な、なんだと!)
 頓狂な声で牛一はお春を睨んだ。お春は顎を引いて牛一を見据えた。
「二十間の距離があるぞ」
 隣のお春は同調する顔で頷いた。
「あ~~」
 清蔵は、酔いが回っているせいか、お春の声が残念そうに聞こえた。おかしいと思った。
「清蔵どんは、確かに聞いた。お小夜ちゃんの声を。だが、それは単なる独り言だ。そもそも、お前の声は届いておらんじゃろ」
 急ぎその場面を思い出し、ぶつぶつ念仏のようにあの日の言葉を繰り返す。たしかに声を張り上げた記憶はなかった。
「おお~、この耳が、聞こえ過ぎたがや」
 清蔵は両耳を引っ張ったまま板の間に這い蹲った。
「自分の異能を忘れてその距離感を失い、覚え違いの記憶を作っていたようだの」
 牛一は小さな声でお春に話し、清蔵には声を掛けずに酒を飲んでいる。
 お春はお春で、静かに片付けを始める気配が伝わった。
 いたたまれぬ清蔵は、無性に腹が立った。誰にともなく、むしろ己にだが。こんな時こそ、そっとしておくな! と二人の気遣いが腹立たしかった。
 石になったままどれほど時が流れたかわからなくなった。
 起き上がった清蔵は屋敷を飛び出した。
「もう又助どのに、相談などせぬわ!」
 遠耳の清蔵を追いかけて、お春の笑い声が聞こえる。
『――あらあら、耳が良すぎるのも大変だわね、ふふふ』
『――おい、笑い過ぎだぞ』
 牛一が笑いを堪えて嗜めた。


   望月

 清蔵は、耳に届く天の声を振り払うように漆黒の闇の中で剣を振るった。
 人気のない歩き慣れた道を逃げるように走った。見えぬ乱麻に向けて無茶苦茶に刀を振るうと肌が汗ばんでくる。雲間から漏れる月明かりに己を包む湯気が見えた。
「なんだ、今宵は望月か......」
 闇夜のお陰で、恥ずかしい姿を見られずに済んだと思ったら、雲隠れの月夜だった。「ふん」と、月に向かって鼻息を漏らした。すると雲が見る見る流され月明かりに加えて錦紗の煌めきが天蓋を覆った。寸刻前とは打って変わった明るさだ。
 清蔵はふと、我に帰った。
 目の前に石段が見える。顔を上げればその先に観音堂の山門が見えた。
 闇雲に歩いたつもりだったが、もう一人の己が連れて来たのかもしれない。
 黙って杉木立に囲まれた長い石段を登った。
 観音堂が静かに佇んでいる。確かに御堂の階まで隔たりがあった。ただそれだけだった。清蔵の耳には何も聞こえなかった。鳥の音も木々の葉ずれも、お小夜の吹く篠笛の音さえ。
 観音堂裏手から高台へ上がる。月明かりに映える山裾の湖沼が見渡せた。
 冷気を孕んだ風が清蔵の顔を撫でつける。ちくりとした。
「わかった。冬の風に打たれて頭でも冷やせ、か」
 清蔵は、物見岩に腰掛けた。
 ようやく清蔵の耳に大地の営みが伝わってきた。
 風の唸りに耐えきれず清蔵は小袖の襟首を締め上げた。
「うむ......?」
 梟の遠音に混じって足音が聞こえた。聞き逃すまいと、眉間に力が入る。
お堂の反対側の石段を登る足音だ。
 清蔵は身を隠し、何者かの姿が見えるところまで、そっと移動した。
 六つの胡乱うろんな影がお堂に入る。
 何人かが葛篭つづらを持ち、杖を持っている。旅人か、商人のようにも見えた......そのとき杖が鳴った。錫丈しゃくじょうだ。修験者が持つ杖の上部の銅環が音を立てた。
 清蔵は、お堂のきざはし近くまで行き、身を伏せた。耳を欹てれば、話し声が聞こえる。筋道のない話が錯綜し何を話しているかわからなかった。
 しばらくすると銭金の話と下卑た笑い声が聞こえてくる。
 清蔵は忍び足でそっと近づき顔を寄せようとした。
 扉が突然開いた。
 暴力的な扉の悲鳴に隠れるように地面に身を倒した。
「どうした、いたちでもおったか」
 中から笑いを帯びた胴間声が聞こえた。
 扉を開けた男は黙って顔を左右に回している。男の三角に上がった双眸が、月明かりを弾くように光った。
 清蔵は暗闇から息を潜め、眼だけが光る黒い顔を凝視した。
   
 
 
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