冷酷魔法騎士と見習い学士

枝浬菰

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炎と氷を司る弟子

ルイスとアルゴ

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「俺、そのことだけでもルイス様にどうにかできないか相談してみます」
「ええ、ありがとう」

----------------------------------------------------
【ドゥーラ王国】
氷樺を置いてきた間違えはないはず。

でも心配だ、すぐにでも迎えに行きたい。
でも今氷樺は俺に対して反感を買うだろう、それを解決するのには…………。

ドラゴンは山脈を越えドゥーラ王国の王城に降り立った。

「やぁルイス、こんな遅くにどうしたんだい?」
「ああ、夜分すまない」

「城のみなが敵襲だ! って騒いでたよ」
「…………」

アルゴが寝室から出てきてくれた。
「どうした?」

俺が悲しい顔でアルゴを見ていると

「少し相談があるのだが聞いてくれないか?」
「ルイスが俺に相談ごと??」
なにやらにやにやしていた。

アルゴは特に俺のことを意識している、変な意味ではなく尊敬の意味ではあるらしいがたまに本当にそうなのか疑問に思うこともある。

「で、なんだい?」

「山脈を越えたところに疫病が盛んな村があってそこの人々をドゥーラ王国に移住させてほしい」
「…………疫病があるのにか??」

「疫病といってもその土地の病ということは俺が研究して分かっている、解毒剤や治療薬もすでにある、でも暮らしはいいとはいえない、農作物も時期によっては野犬が大量発生して村を荒らしているのが現状だ」

「なるほどね、ちなみにどこの国の人かってのも分からないのか?」
「アハーレ王国の人々だ、国が再建できればそんな心配もいらないのだが、俺の力だけだと世界のバランスを崩してしまうからな、ここは戦闘準備が整い次第アハーレ王国を魔獣から解き放ちたいとは思っている」

「ルイス、俺は協力するよ、でも俺だけの国ではないからね協議にはかけさせてもらう。あと俺が視察した後に実行するというのでいいか?」
「もちろんだ」

「俺がたまたま訪れた村でそこを救いたいってことにしておかないと意味がないからな」
「ああ、助かる」

アルゴはにこっと笑っていた。
「山脈を越えるとなると視察には誰か同行してくれないと俺の身も危ないな」
とちらっとこちらを見てきた。

「悪いが国を通してくれないか?」
「分かってるよ」

俺はアルゴとの約束を交わした。

「今日はもう遅い泊まっていきな」
「ああ、ありがとう」


【あまいろ】と一緒に宿泊施設を借りることにした。
王族御用達ではあるが。

そこで一晩休み夜が明けた。
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