冷酷魔法騎士と見習い学士

枝浬菰

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炎と氷を司る弟子

師匠との約束事

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俺は異様にその話にむかついてしまった。
師匠がこの話をマーベラス様にさせる意味ってなんだ?

やっぱり弟子はとりたくなかった、だから他のところに行けって言われてるみたいで……。

「マーベラス様ちょっと師匠捜しに行ってきます」
「ほっほっほ」


この時間に師匠がいそうな場所……。
俺はほうきを取り出しある場所に向かった。


マーベラス様のご自宅から右側の崖の山頂に1本の木がありそこの幹に寄りかかって寝ていた。

俺は目を閉じて休息をしている師匠の横に立った。
ドラゴンが小さくなりすやすやと寝ていた。

「師匠」

「んぁ」
と目を擦りながら起きた。

「どうしたー」とのびをしていた。

「あの、俺マーベラス様から師匠の昔話聞きました、弟子を追い払うためにあのようなお話をされるのですか?」

「あーまぁな追い払うというよりも俺の弟子になったら冷たい目で見られるかもしれない、もしくは氷樺のご両親に見放されるかもしれないとかいろいろあるだろ?」

赤く燃え上がる瞳がこちらに向き、少し潤っているのが見えた。


「師匠……俺は冷たい目で見られるなんてもう馴れてます、というのも魔法研究会メンバーに入るということはすでにルイス様の配下につくということ、これはジュンさんより教えていただきました、それでもよいかと確認もされました。

俺はもっと広い世界をもっとたくさんの魔法の知識を深めたいという気持ちしかなく学院卒業後魔法研究会メンバーに所属しました。
変な目で見られようと冷たくされようと俺は特に気にもなりません。

それに俺いちを貴族ですがルイス様を師としていたいです、駄目ですか?」

「一つ言い間違いがあるんじゃないか?」
「??」
まさか俺の正体に気づいているのか?


「氷樺、君は王族の息子だろ?」

「うっ……なぜそれを?」
「氷魔法を得意とするのはアハーレ王国しかありえない、なんのために魔法国で魔法研究会メンバーに入っているのかずっと疑問に思っていた」

「アハーレ王国出身としてもなぜ王族ということをご存じなのでしょうか?」

「昔、俺はアハーレ王国に立ち寄ったことがあるんだ、そこで見た奇跡の子供を目にしたとたん、きっと彼は俺の元にくる、どんな思いを抱えていても……」

「それはつまり予知されたのですか?」
「まぁそんなところだ、だから俺はお前の身の安全を第一に優先したい、俺の弟子ではなくクラウスの弟子なら外部に出たりせず安全に魔法国の結界の中でずっと過ごすことができる」


「俺、さきほど言いましたよね、もっとたくさんの魔法を学び、広い世界を見たいと……」
「分かった、俺の負けだ、すまなかったな試すような真似をしてしまって」

「いえ……俺も師匠に対して失礼な言葉を使ってしまい、申し訳ありません」
というと頭にポンと手を乗っけられた。

「1ついいか、俺は俺の仕事がある、そして外部に出ることもある、強い敵と戦わなければいけなくなる時もあり、絶対お守りすることはできない、それを分かってもらえるか?」

「はい、だから今俺のことを鍛えていただいているのですよね?」
「そうだ、氷樺は賢いから1ヶ月の修行も上手にこなしたからな、大丈夫だと思う」

「はい」
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