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最終回
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バン!!
浩輔は右足を撃たれ倒れ込む。
「うぎゃぁ!!」
「浩輔!!」
「蒼士、言うことを聞けこれ以上近づいたら撃つぞ」
「……柚月はどこ?」
「柚月?? 知らねぇな」
「誤魔化しても無駄だよ、私は全部知ってる」
「ふん、勝手なこというなよ!!」
蒼士が走ってきたので取っ組み合いになった。
「柚月を返して!!」
「あれは俺が見つけて、俺の物だ!!」
「柚月は誰のものでもない」
「は? それは本当か?」
ぐっと壁に追い込んだ。
首を絞めて自由を制限した。
「くっ……柚月はどこ? !? 柚月!!」
「ちっでもなぁもう遅いんだよ、柚は俺の言うことしか聞かないように調教したからな」
「……どういうこと?」
「薬漬けにしてもう意識さえもないんだよ」
「へ? うそ……」
「だから死ね!!」
左肩を撃ち抜いた。
「うがぁあああ」
肩を抑え痛みに耐えている蒼士を上から見る。
「柚……逃げよう、俺たちしかいない場所へ」
「ダメだ。 柚月!!」
ドン、ドンと2回銃声が聞こえた。
貴文は腹部に受け倒れ込む。
柚も致命傷をおい、血が流れ出ていた。
ここまでか……。
--------------
「え……うそ、なんで……どうして撃ったんだよ!!!」
そう2人を撃ったのは花咲だった。
私は大きな声をあげ柚月の元に駆け寄った。
血が流れていたので掌で止血しようとするが思った以上に流れ出ていた。
これじゃぁ、死んじゃう……。
「……先輩……ごめんなさい……」を最後にして柚月はゆっくりと目を閉じた。
「ゆ……づき……」
なにも喋らない花咲に対して
「人殺し」と私は言った。
こちらを見ずに仲間に
「盤上は少年を、水野は彼らの手当を頼む」
「了解」
盤上という男は私から柚月を奪い、その場を後にする。
その後ろを花咲もついていった。
私はきっとこの男をずっと許さないだろう。
こうなるしかなかったのか。
他の方法でもいいから柚月を助けられなかったのか。
イギリスに帰ってからもずっとそのことが頭から離れなかった。
そして大学を卒業、あっという間に私は家族を持った。
小さな光である、息子が生まれ、その子には愛斗と名前をつけた。
愛に溢れて育ちますようにと……。
そして今後柚月のような借金を返済しようとして体を売りに行かないように相談ができる施設を建てた。
寄付金として花咲から毎月のように多額金が送られてくるがすべて受け取っていない。
貴族会議に出向けば、ジョン殿下の傍には花咲がいた。
少しやつれたようにも見えるが私は彼を無視した。
人殺し……。
あの時言った言葉と柚月の死が脳裏に焼き付いている。
どうしても忘れられない。
どうにも助けられなかった。
今だから分かるのかもしれない。
花咲から一通の手紙が届いた。柚月のことだったので目を通した。
柚月は貴文により薬漬けにされていた。
もし助かったとしてもその効果によって不自由が強いられるかもしれないと。
でもそういうことではない。
少しでも柚月の傍にいたかった。
綺麗に埋葬してイギリスの墓で毎日足を運んで今日何をしたかの報告をしたかった。
ただそれだけをしたかった。
あの男はすべてを奪ったが。
だから私は許せないのだろう。
そんな自由も奪われたから。
家に帰ると
「お父様」
と駆け寄ってくる小さな可愛い息子。
抱き寄せ頬にキスをすると嬉しがっていた。
この子と我が妻は必ず守る。
「蒼士さん、花咲さんがいらっしゃってます」
浩輔が従者として傍にいてくれた。
だが花咲を通したとは驚いて愛斗を妻に預け応接間にむかった。
「あなたはお呼びではありません、お帰りください」
と発した。
「はい、すぐに……」と立ち上がると後ろから
「先輩……?」
私はその声と言葉の意味をすぐに理解した。
「え? 柚月?」
「蒼士先輩!!」と走り寄ってきた。
ぎゅっと抱き寄せ何年ぶりかに会う、柚月を抱きしめた。
「ど、どうして?」
「えっと話は」ちらっと後ろを向いていた。
「あの後、緊急治療室に柚月さんは運ばれました、そこで一命は取りとめたのですが投与された薬が幻覚剤が多く含まれており成長はしないが生き延びられる処置を行いました、また不死身ではないので年齢はちゃんと数えていってくださいね、今だと33歳ですね」
と説明を受けた。
体は離ればなれになってしまった当時と同じだ。
未だに疑問しかわいてこない。
「なにがどうなって?」
「説明は以上になります、私からのお願いになってしまいますが柚月さんを引き取っていただくことは可能でしょうか?」
「それは……柚月は傍にいてほしいです」
「僕も……できれば先輩とずっと一緒にいたい、ダメ?」
首を傾げどこか瞳に涙を浮かべ訴えていた。
「私はOKだ、シャーナ、愛斗」と妻と息子を呼んだ。
「あら、可愛い子」
「僕のお兄ちゃんになるの??」
と来たので私は
「そうだよ」と伝えた。
天気のよいイギリス郊外で私の妻シャーナと息子愛斗、そして帰ってきた柚月と一緒に幸せに暮らしましたとさ……。
end……。
浩輔は右足を撃たれ倒れ込む。
「うぎゃぁ!!」
「浩輔!!」
「蒼士、言うことを聞けこれ以上近づいたら撃つぞ」
「……柚月はどこ?」
「柚月?? 知らねぇな」
「誤魔化しても無駄だよ、私は全部知ってる」
「ふん、勝手なこというなよ!!」
蒼士が走ってきたので取っ組み合いになった。
「柚月を返して!!」
「あれは俺が見つけて、俺の物だ!!」
「柚月は誰のものでもない」
「は? それは本当か?」
ぐっと壁に追い込んだ。
首を絞めて自由を制限した。
「くっ……柚月はどこ? !? 柚月!!」
「ちっでもなぁもう遅いんだよ、柚は俺の言うことしか聞かないように調教したからな」
「……どういうこと?」
「薬漬けにしてもう意識さえもないんだよ」
「へ? うそ……」
「だから死ね!!」
左肩を撃ち抜いた。
「うがぁあああ」
肩を抑え痛みに耐えている蒼士を上から見る。
「柚……逃げよう、俺たちしかいない場所へ」
「ダメだ。 柚月!!」
ドン、ドンと2回銃声が聞こえた。
貴文は腹部に受け倒れ込む。
柚も致命傷をおい、血が流れ出ていた。
ここまでか……。
--------------
「え……うそ、なんで……どうして撃ったんだよ!!!」
そう2人を撃ったのは花咲だった。
私は大きな声をあげ柚月の元に駆け寄った。
血が流れていたので掌で止血しようとするが思った以上に流れ出ていた。
これじゃぁ、死んじゃう……。
「……先輩……ごめんなさい……」を最後にして柚月はゆっくりと目を閉じた。
「ゆ……づき……」
なにも喋らない花咲に対して
「人殺し」と私は言った。
こちらを見ずに仲間に
「盤上は少年を、水野は彼らの手当を頼む」
「了解」
盤上という男は私から柚月を奪い、その場を後にする。
その後ろを花咲もついていった。
私はきっとこの男をずっと許さないだろう。
こうなるしかなかったのか。
他の方法でもいいから柚月を助けられなかったのか。
イギリスに帰ってからもずっとそのことが頭から離れなかった。
そして大学を卒業、あっという間に私は家族を持った。
小さな光である、息子が生まれ、その子には愛斗と名前をつけた。
愛に溢れて育ちますようにと……。
そして今後柚月のような借金を返済しようとして体を売りに行かないように相談ができる施設を建てた。
寄付金として花咲から毎月のように多額金が送られてくるがすべて受け取っていない。
貴族会議に出向けば、ジョン殿下の傍には花咲がいた。
少しやつれたようにも見えるが私は彼を無視した。
人殺し……。
あの時言った言葉と柚月の死が脳裏に焼き付いている。
どうしても忘れられない。
どうにも助けられなかった。
今だから分かるのかもしれない。
花咲から一通の手紙が届いた。柚月のことだったので目を通した。
柚月は貴文により薬漬けにされていた。
もし助かったとしてもその効果によって不自由が強いられるかもしれないと。
でもそういうことではない。
少しでも柚月の傍にいたかった。
綺麗に埋葬してイギリスの墓で毎日足を運んで今日何をしたかの報告をしたかった。
ただそれだけをしたかった。
あの男はすべてを奪ったが。
だから私は許せないのだろう。
そんな自由も奪われたから。
家に帰ると
「お父様」
と駆け寄ってくる小さな可愛い息子。
抱き寄せ頬にキスをすると嬉しがっていた。
この子と我が妻は必ず守る。
「蒼士さん、花咲さんがいらっしゃってます」
浩輔が従者として傍にいてくれた。
だが花咲を通したとは驚いて愛斗を妻に預け応接間にむかった。
「あなたはお呼びではありません、お帰りください」
と発した。
「はい、すぐに……」と立ち上がると後ろから
「先輩……?」
私はその声と言葉の意味をすぐに理解した。
「え? 柚月?」
「蒼士先輩!!」と走り寄ってきた。
ぎゅっと抱き寄せ何年ぶりかに会う、柚月を抱きしめた。
「ど、どうして?」
「えっと話は」ちらっと後ろを向いていた。
「あの後、緊急治療室に柚月さんは運ばれました、そこで一命は取りとめたのですが投与された薬が幻覚剤が多く含まれており成長はしないが生き延びられる処置を行いました、また不死身ではないので年齢はちゃんと数えていってくださいね、今だと33歳ですね」
と説明を受けた。
体は離ればなれになってしまった当時と同じだ。
未だに疑問しかわいてこない。
「なにがどうなって?」
「説明は以上になります、私からのお願いになってしまいますが柚月さんを引き取っていただくことは可能でしょうか?」
「それは……柚月は傍にいてほしいです」
「僕も……できれば先輩とずっと一緒にいたい、ダメ?」
首を傾げどこか瞳に涙を浮かべ訴えていた。
「私はOKだ、シャーナ、愛斗」と妻と息子を呼んだ。
「あら、可愛い子」
「僕のお兄ちゃんになるの??」
と来たので私は
「そうだよ」と伝えた。
天気のよいイギリス郊外で私の妻シャーナと息子愛斗、そして帰ってきた柚月と一緒に幸せに暮らしましたとさ……。
end……。
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