予約がとれない男娼

羽山大学 河豚島理事長

カツンとナイフが落ちた。

「くっ……」
手首を押さえていた。

「うわーお、絶体絶命のピンチに現われた翔太ナイスすぎる」
「なんだ、この状況……」

3人目の明らかに学生ぽい人が入ってきた。

年上？？　な気がするけどそれとも童顔なのか。

「で、何してるんだ？」
ちらっとこちらを向くと

「はぁーどこの学校も指導が足らんな、中村そこの少年を抑えろ」
「了解」

別れさせ屋の男は手錠をされた。

「未遂とはいえ、事情聴取は受けてもらう」
「女の子たちどうします？」

「斉藤は外で待機してる講師を呼んできて」
「りょーかい」
斉藤という男は外に出た。

こちらに後から来た青年が近づいてきて拘束を解いてくれた。


「えっとまずは服を着てほしい」
「はい……あの、助けてくださりありがとうございました」
「まぁまだ解放はしない、こんな状況どう見ても事件だからね、事情聴取は受けてもらうよ」

「はい」
勃起早く収まれ……。

『片山、悪い警察を数人呼んでくれないか？』
『了解、あの事件ですか？』
『事件というほどでもないが少し指導が必要と判断した』
『場所は羽山大学で』

『ああ』

数人の講師が入ってきた。
「ああ、これはこれはなんと言った冗談ですか福田くん」
手を広げ大袈裟に言ってきた。

「す……すみません」
「状況からしてこの子は被害者でしょう」

「そうですか、ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません」
「いえ、羽山大学初の警察介入ですか？」

「ええ、羽山高校ほどではありませんけどね」
「そうですねあなたの指導力が足りないのではないですか河豚島ふぐじま理事長」
「恐ろしい発言ですね花咲理事長」


お互いにこにこと会話を交わしていた。

「あの……あなたはいったい」

「初めまして、あなたは優秀な生徒と聞いております、綾瀬大学理事長の花咲と申します、さきほどからお邪魔していたのが斉藤と中村です、彼らは綾瀬大学の講師をしております。本日は理事長会議で本校にお邪魔させていただきました」

「花咲さん……どっかで……」
「私もいろいろと現場をまわっていますのでもしかしたらその時にお会いしたのかもしれませんね」
にこっと笑顔で言われた。

「そうですね」

「先に事情聴取したいのですがよろしいですか？」
「はい」

「なぜこの状況になったのでしょうか？」

他大学の理事長に今回あったことを話した。

「それで、第一被害者となったあなたの連れの方は今どちらに？」
「私の家です」

「じゃ、とりあえずは安全ということですね」
「はい、あの男や女性の方々はどうなるのでしょうか？」

「そうですね、学校の風紀を乱したことも含めると最悪退学でしょう」
「……そうですか」

「ああ、福田くん大丈夫ですよ、私は誰かさんと違って簡単に生徒を退学にはさせませんので」

「それはそれで大学契約違反ですよ」
「えー厳しい項目なしって言ったじゃないですか！！」

「羽山大学はまだ年も浅い、下手したらそういう学生のたまり場になってしまう」

「……ケチ、すぐそうやって言うんだから……」
「……すみません、大人になってもらってもいいですか？」

「ぶー」

河豚島先生と花咲さんどちらが年上なのか分からなくなってきた。

「あー綾瀬大学の姉妹校として今回面倒を見ることになったのが羽山大学なんですよ、それで私の指示の元河豚島理事長には動いてもらっています」

「え、そうなんですか」
「はい、綾瀬大学は唯一東大や京大といったレベルの高い生徒を育てるための大学なのでそのレベルの少し下げたくらいが羽山大学として今育成中なんです」

「そうそう、君は特に鮫島理事長のお気に入りらしいからね、打ち合わせも早くすんだよ」
「鮫島理事長のお気に入りなんてことは一切ありませんけどね」
※羽山高校の話とかは小さな怪獸に載せてます

「へぇーそうなんですか」


「すみません、花咲さん今よろしいですか？」
「とりあえず警察来たので君は病院に行く？　それともこのまま警察署まで行く？」
「あれ？　私は解放されないのですか？」
「悪いけど、議事録残しのためにも同行してほしい」

「分かりました、体は特になにもないので警察署に行きます」
「んじゃ川角かわずみ彼は被害者だからよろしく」
「はい！」

本当に理事長なんだよな？
警察の人たちきたけど指示ってほぼ花咲さんがしているような……。
それに斉藤、中村って人も警察手帳持ってたし……。あと川角って人すごい嬉しそうに指示聞いてた。

あーくそ意味分かんない。

「いやー迷惑かけるね～～」
「あなたも来るんですよ、生徒がこんなめにあってるんだから」
「はいはい仰せのままに」

と河豚島理事長と他講師も同行した。