予約がとれない男娼

枝浬菰

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仲直り

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目が覚めると体はものすごく痛くて隣に寝てるのって……。

ちらっと顔を見るとやはり蒼士先輩だった。
あの時あの店から救い出してくれたのは先輩だったのだろうか。


でも僕がここにいるだけで足かせになってしまうのではないのだろうか。
悶々と一人考えていると

ぎゅっと腕が僕の頭を抱え込み先輩の胸に引き寄せられた。

「すーすー」と寝息を立てている、ということは起きてはいないみたいだ。
先輩の顔をじーと見つめる。

この先ずっと先輩が傍にいてくれる保証はない。
でも、いてくれるならいてほしい。

「ゆづき……すーすー」
……。どんな夢を見てるのだろうか。

「先輩好きです」
ちゅっと胸板にキスをしもぞもぞと腕の中で目をつぶった。

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皆様、おはようございます。
福田蒼士です。

恋人になりたい子の行動がいちいち可愛すぎてち○こ痛いです。
普通胸板にキスする?
唇にされても…………絶対に襲ってた。

かぁー可愛い、今すぐにでも抱き潰したいけどまだちゃんと仲直りできてないからそれはしたく…………ない。


まぁでもそろそろ起きないとな。

朝ご飯の準備しに立ち上がった。
おんぶ紐でも買って背中に装備したい。
あやしながらご飯作って…………。

私はいつからこんな気持ちになったんだ?
どちらかというと朝から女の子に無理させてセック○するの普通だった気がするのに。
大事に思ったり無理させるのはって考えるようになったのは柚月に出会ってからだと思う。

大切にしたい。

いやでも本当は本当は朝からINしたいんだよ、でも昨日のこともあったし、柚月にもっと笑顔になってほしいから、私は我慢…………する。

「あの…………」
ひたひたと布団を身に纏い壁から覗いていた。

「…………柚月、歩いて平気なの?」
「はい…………」
「もう少しでご飯できるから席に座りなさい」
「うん」

素直……かわいい。

席に座ろうとしていた柚月はビクっと震えていた。
「どうした?」

「あの……ト…トイレかお風呂貸してくれませんか?」

? 

「あれ、もしかしてまだ中入ってた? いちを綺麗にはしたけど」
こくりと小さく頷いた。

待って、抱っこしたい、抱っこだけしていい?

だが柚月は無理しているようで崩れ落ちた。
「大丈夫!?」
顔を見るとほんのり赤くなっていた。
額を触ると
「熱あるかもしれないね、ちょっと横になろう、薬も必要だね」
「せん…ぱい……大丈夫です」

「大丈夫じゃないよ、時間はたっぷりあるからね、少しずつ元気になろう」
「はい」

おかゆを作って柚月に食べさせた。

待って、彼シャツ可愛いんだけど。
ズクンズクン。落ち着け下半身よ。

布団を被せると
「せん……ぱい?」
「どうした? 傍にいるよ」
手を握ってきたので握り返した。

「あ……の…僕…先輩に酷いこと言っちゃってその……それなのにこんなによくしてもらっちゃってるのって」
「うん、私もね、悪かった。でも今は体を休めてからにしよ」
「うん」

どうしても幼い子に声をかけるように喋ってしまった。
柚月もそう喋るから……つられた。
すーっとまた眠りについた。

柚月はちゃんと仲直りしたいって気持ちがあってよかった。


今日は大学行かなくても平気だけど、柚月の単位が心配だな。
不快だが鈴山や瀬尾に聞いてみるしかないか。

2人に連絡をとってとりあえず課題が出たことと単位の話をした。
仕事をして柚月の具合を見ながらあっという間に時間は18時になっていた。

「柚月……具合どう?」
「んぁ」
……。

もぞもぞっと動いて体をよじよじさせているところは理性が持つか分からなくなってくる。

「ゲホゲホ」
ぽけーとこちらを見ると

「あ、えへへ、大丈夫っぽいかな」と言ってきた。

まだ具合悪そうに見える。

ベッドに私も入って体を支えた。

「じゃぁちょっと仲直りさせてくれる?」
「うん」

「正直、柚月を知ったのは柚が初めだった。 たまたま学校が一緒でたまたまな出会いは本当にたまたまなんだ。 元々女性のほうが好きだったんだけど柚月を見た瞬間触れてみたいと思った」

「先輩、初め僕のこと女の子って思ってましたよね」
「うん、そうだから触れてみたいって思ったのかもしれない、他の女性とは違う魅力を感じてしまったから」
「でもそれが男の魅力だったってことでしょ?」
「最終的にはね、でも柚月だけに感じた魅力だよ」

「柚じゃなくて?」
「……初めに恋したのは柚だったかもしれないけど、柚月を抱いたら全然違った、反応も行動も言葉でさえも、だから君が欲しかったんだ」

「ふふっよかった、もし僕じゃなくて柚が欲しかったんだって言われたらどうしようかと思った」
そう笑いながらいう表情が少し切なかった。


柚と柚月、同じ2人だけどまったく性格も違う、二重人格ともまた違うと思う。

「僕もあそこで仕事だからしょうがなかったけど、嫌々抱かれるのは正直辛かった、こんなことが続くんだと思ったら早くこの世界からはいなくなりたかったよ」
「それはダメ、私は許さないから」

「うん、先輩僕…ここにいてもいいですか?」
「ああ、もちろんだ、柚月は私だけのものだ」

ちゅっと唇を重ねた。

熱っぽい吐息がかかった。
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