予約がとれない男娼

枝浬菰文庫

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なんで……なんで……

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いつ意識を手放したのか分からない。
でも性器が抜かれドバドバと精液が落ちた感覚はあった。

「柚……こんな可愛いお仕置きじゃないっての分かってるよね? もう君はここに幽閉するって決定してるから」

ぐいっと小瓶を飲まされ僕はまた深い暗闇へと落ちていった。


---------------------------------------------------
「柚を例の場所へ」
「御意」


「媚薬の効き目なかなかすごかったですね」
「ああ、これならあいつにも試せる」


「新しい入館者、【成瀬歩なるせわたる】まさか自分からここに入りたいなんてバカな子だよ」

『ザザっボス少しお時間よろしいか?』
『蒼真か、まぁ許そう』
無線でやりとりして部屋を出る。

「あっ辻もう始めてていいぞ、お客様お待ちかねだからね」
「御意」


「蒼真でしたね」
「ああ、あいつはなにを考えてるのか」
ガラっと会議室に入ると警察がいた。

「どうも、初めまして」
と小野寺拓巳が握手を求めた。

「これはこれはコスプレ隊ですか?」
「違いますよ、取引したいなと思いまして」

「へぇー で、なに?」
ドカっとソファーに座った、その後ろに白菊が立つ。

「というか君あの性○隷市場の神永かみながさんに喧嘩売った警察の人でしょ? 
知ってるよ小野寺拓巳って有名人だもん、この界隈のさ」

さらっと証拠を認めた。

「ええ、皆さんご存知のようで、こちらとしてもとてもやりづらいです」
「へぇーあんま動じないんだ、でも意外と可愛い顔してて驚いたよ、ネコでも全然稼げるんじゃないの?」

「私のことはどうでもいいです」
食えないやつ

「んじゃ菊地裕太きくちゆうた……どうしても救えないんでしょ? まじ笑えるわ」

「ええ、そうです、ですが彼なりにやるべきことがあるそうですよ」
にこっと笑顔で返してきた。

こいつこんなにも肝が据わってるのか。
つまんなっ。

「……で、俺にはなんのご用ですか?」
「神永同様秘密にしておく変わりに条件をのんでくれませんか?」
「ああ」
ちらっと見ると奥にいたのは福田蒼士だった。

な~る。

「ええ、もちろんいいですよどの子ですか?」
念のため、確認を……。

「木島柚月くん、ここでの通り名は柚くんを」


「小野寺拓巳さんはたしかお金のやり取りは禁止なんですよね?」
「ええ、これでも警察官なので」

「そうですか、いいですよ、最後に乱パやってからなら」
くすっと笑い返すと。

小野寺拓巳はなにも発さなかった。
でもきっとこう言いたかっただろう。

ゲスめ。

と。

くくくっ。

会議室から出て蒼真と福田、小野寺を乱パ会場に案内する。

「福田様ご機嫌どうですか?」
「最悪な気分です」
「へぇー意外と冷静ですね」


「あなたの考えることにはもう予測がつきましたから」
「俺そんな簡単な男に見えますか?」

扉をあけると眩しい光が入ってきた。

あまりにも眩しい光だったのでなにが行われているか分からなかった。
だんだんと目が慣れてくるとそこは大勢の人が集まり首輪や吊り下げられている男の子を襲っている場所だった。

「ようこそ、乱パ会場へ」
目を見開きその光景に嗚咽がこみ上げた。

「あらまぁ~刺激が強かったか」

2階席からその様子を見ることはできるがこれは酷すぎる。
とてもじゃないが人間としての扱いをされていない。

こんな中に柚月はいるのかと思うと全身が凍り付いた。


早く柚月を救ってあげないと。

「あちらをご覧ください、8番です」
手すりからその様子を見ると
「うっ」

「あんな子でも欲しいと思いますか?」

大勢の男に囲まれて喰われている姿だった。

ゴリっ

「うわぁーこわっ」
小野寺拓巳さんは銃をオーナーの頭に押しつけていた。

「ああ、いいですよ、ここで撃っちゃっても、殺人事件です、あなた方の警察の人がやりましたって俺言っちゃいますからね」
こいつは見逃されると思ってるのか。

「ああ、そうだもう一つあなた達だけがあれを所有してるわけじゃないですからね」
「くっ!! あの方をあれと呼ぶな」

「ふふっ忠誠心めっちゃある、ってことは分かりますよね? 危険にさらされるのはあの方も同じってことで……」

「くそっ……」
すごい効き目、取引持ちかけられたら使っちゃおうっと。
まぁそんな簡単にいかないとは思うけどね、あのお方は……。

「さてとお呼びしましょうか、木島柚月くんを」
白菊からマイクを受け取り

『はぁーい全員注目!!』
というと声が届いた人たちは2階席を見た。

『本日はお集まりいただきましてありがとうございます~~この店のオーナーやってる篠田祐でーす』

え? 今なんて言った?
男に掘られてようとその名前は僕の心をたたき起こした。

ふっと笑っている祐の顔が……何年ぶりかの顔が目の前に現われた。

「おい、締めんなっ出ちゃった……」
男がそういった。

「あ//」

「嘘……だって祐は……祐は……」
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