レンタル彼氏

養子

なにもかもなくなった。

「よかった」


それから今回の詳細を話してくれた
どうやって俺を逃がせたのか


「条件つきなんだけどね、千鶴はもう成瀬グループとは関係ないよ、で…悲しいんだけどもう俺との出会いも禁止になった…」


え？　という顔しかできなかった


「さすがに成瀬さんとこの息子さんがやりすぎたってことで成瀬社長が激怒してね、そこに俺でしょ、俺も報道されたくなければ千鶴をこちらによこしなさいと言ったの
俺と千鶴の関係を知らないでしょ成瀬社長は、だから条件つきでもう千鶴とは会えないってことでその場は収まったんだ、
だから今日で最後、千鶴とこうやって話せるのは、もう戻れないみたい関係は…」


ずるい、俺が喋れないの知ってて


伝えられない…この悔しい気持ち
どうしたらいいのかわかんない


「だから最後声聞けないときがいいかなと思って、今伝えた、千鶴さようなら」


行かないで…待って…まっ…


五十嵐さんは秘書と一緒に病室をあとにした


ひとりぼっちだ
またあの頃に戻る
まだ五十嵐さんとの同居生活していないのに
どうしてこうもうまくいかないのかな
俺の存在ってなんだろ…