文学フリマ東京40に向けた作品

枝浬菰文庫

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第8作品「戦国時代からやってきた神子様」

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 ❁あらすじ
 戦国時代の生け贄として私は神谷直人という青年に転生をした。水の神が祀られている神社に見覚えがありこの聖域も知っている。神谷直人と一緒にいた宇野行雄はこの聖域の神主で私は再びこの神社の生け贄となる。

 ❁登場人物
 ・宇野 行雄(うのゆきお)
 水野見神社 神主

 ・神谷 直人(かみやなおと)
 戦国時代の神子様 結弦(ゆづる)
 直人の体に転生した

 他
 ・柊誠(ひいらぎまこと)
 参拝者

 戦国時代
 ・村人
 ・神子様
 ・巫女様 杏
 ・蛾の妖怪

 ❁試し読み 10ページ
 東京某所 総合病院
「早く手術室に!!!」慌ただしく看護師が動いていた。ストレッチャーの隣で一緒に走るのは宇野行雄うのゆきおそして大怪我で意識朦朧としているのは行雄の恋人である神谷直人かみやなおと

 手術室に運ばれた。

「直人……どうにか無事でいてくれ……」
 手術室の目の前に椅子に座り祈りのポーズをとる。


 恋人とデートしている時に爆破事件が起こるとは思ってもいなかった。
 私が咄嗟に守るはずが直人が前に立ち瓦礫の下敷きになってしまった。私は直人を助けられなかったんだ。

 頭を抱えた。



 ---
 戦国時代 武蔵 秋
神子みこ様」と元気に走り回る子どもたち
「これ、走ってはならぬ」
 子どもたちと田んぼの稲刈りをしていた。
 最近は雨が降らず井戸水も残りわずかとなってしまった。
「神子様はいつも私たちの癒やしでございます」と顔を見て拝まれることが多々ある。
 しかし他の村から来た村人が持ってきた病でこの村もいつ全域に広がるか分からない。
 雨も降らなければ助かりようがない。

 どうしたものか。

 境内へと戻り神様に願いを届ける。

「阿弥陀仏阿弥陀仏……」どうか惠の雨を頂けないでしょうか。

 〈神子……〉不意にそう聞こえた。
 顔をあげるも誰もいなかった、思わず立ち上がろうとすると金縛りにあったかのように体が動かなくなった。

 〈神子よ、お主の願い叶えてやろう。しかし対価はお主の体だ〉

「か、体!? 私は男です、そのような対価を支払うなんてことはできません」

 〈神子よ、お主の体を捧げるか、雨を降らせないかどちらか選べ〉

 ……。私にできることはみなの生活を守ること……。
 ここで引き下がってしまえばきっと災いが起こってしまうだろう。

「分かりました、私の体をお使いください」そう胸に手をおいた。

 〈承知〉ぐぉぉぉぉと建物が揺れた後収まり外では歓喜の声が上がっていた。

「神子様雨です、惠の雨だぁ」
 そうはしゃいでいる村人を見ると嬉しく思った。
 私は私の役目を果たさねば。

「お礼を神様に伝えるから、悪いが一人にしてもらえるか」
「はい!」
 そう答えた村人を見送り襖を閉めた。

「神様……ありがとうございます、私の身をどうか……」

 袴を脱ごうとしたら腕を何かに掴まれた。
「あっ!?」

 触手なような何かで両手を掴まれ裸体に触れる何かはぬめぬめしていた。
「うっ……まさか妖怪!!?」

 〈妖怪ではない、神だ。信ずるも信じないもお前次第だ〉
 誤算だった。妖怪の仕業でもあるかもしれないのに、でも雨を降らすことが妖怪にできるものなのか。
「あっ……」

 〈どうした神子よ、感じているのか?〉

「うっ……こんなことで…」
 だが足を広げられ一物がぬめぬめしたもので握られる。
「うっ……」さらにそれを上下に扱うではないか。
 こんなこと自分でもやったことがないのに。
 私は……。
 なんてことを…っつ…。

 〈良いではないか、良いではないか〉

「な、なにが……」

 〈知っておるか? 女には存在しない男のポイントを〉

「そ……そんなのっ……あああっ知らない……んぁ」
 全身を舐めとられガクガクと震えてしまう。

 〈ああ、美しい蜜だ〉

 べろりと一物を咥えられ吸われるとガクガクとさらに身震いしてしまう。
「うっうわぁああっ……あっそんなぐっ」

 屈してはなるぬが生温かいもので包まれた感じが私の息を荒くする。

「はぁ……はぁ……んぐっ……」

 〈どうじゃぁ、これが快楽というものだよ、君は美しいからきっとここも美味だろうね〉

 そう言うと一物の下側にある穴をなぞった。
「は? そこは……排泄をするところであって……ひっ……」
 白く縁取られたような指が実体化しゆっくりと中へと入ってきた。
「えっ……なっっつ……」中をこじ開けて入ってくるそれは感じたことがあるようでないような感覚だった。
「はぁ……はぁ……うわぁっっ」

 〈お主をもっと鳴かせてやりたいのぉ〉

 女子にちょっかいを出す男の言葉のように私は今全身で遊ばれている。
「あっそこは……」
 ゴリと指が擦った瞬間ビクンと震えてしまった。

 〈ああ、やっと見つけた、君は少し奥のようだ〉

「なっ……」
 薄らと見えていた影がしっかりと見えるようになった。

 〈ゲヘヘヘ……ああこんな美しい男を喰える日が来ようとはな〉

「お前……妖怪だな」

 〈今さら気がついても遅い、お前は私の術中にハマっている〉

 周りをよく見ると妖怪に取り囲まれていた。

「ね、願いはなぜ叶えられた」

 〈ふん、簡単なことだ、私が水を司る妖怪だからだ、だがなお前の行いでこの村に洪水だって起こしてやれるんだからな、そうなれば村は水没、お前は神に頼みすぎたせいで次は太陽の神にでも懇願することになる〉

「なぁっ……」
 妖怪共が笑っていたので私は清めの呪文を唱えるも……。

「え?」

 〈お前バカだな、もうここは妖怪の住処になっているんだ、聖なる結界とか術とかは俺達には利かないからな〉

「妖気が満ちあふれている……!?」
 体が反転し後ろに向かせられた。

 〈おひょー一度でいいから神子を味わってみたかったんだよな、綺麗な顔に綺麗な体、そして綺麗な内側……〉

 妖怪の一物が入ってきた。
「んぐっ……いっ…」

 〈ああ、汚して穢してやるからな〉

 何度も出入りを繰り返していた。こんなことをしたら神子である私が穢れてしまう。
「あっくっ……っつ」

 〈ほら、良い声で鳴きなよ、神子の声聞きたいな〉

 べろりと顔を舐められ、舐められた場所から痛みを増した。

 〈瘴気に当たったか、人間は弱いな〉

「くっ……んぐっ……」でも良いところにあたると腰が動いちゃう……バレたら……どうなるか。

 〈ああ? こいつ自ら腰振ってやがる〉

 やばいバレた……。かっと顔が熱くなった。

 〈いいぜ、可愛い神子様よ、一緒に楽しもう〉

 腕を引かれピンポイントのところに当たるとぴゅっと自分の一物からなにかが出た。

 〈うひょーいいね、最高だよ神子様……これは俺達の大好物だ〉

 人間に似た妖怪かと思ったが姿形を変えた。
「ひっ……」

 〈今さら気がついても遅い〉

 その正体は蛾だった。もちろん後ろにいて私の中に入っているのも同じく蛾だ。しかしこいつはさきほど水を司るといっていた。虫ごときがそんな大層な役割をもらえるとは思えない。
「お前は……何者だ…はぁ……はぁ……」

 〈俺は蛾を従える主だよ〉
 私を覆うように蛾は羽を広げた。

 そして中で誰にも見られないように腰を振ってきたのだ。
「はぁ……はぁ……やめっ…んんっ」

 〈良い声で鳴くのう……俺の子を孕ませよう〉

「なにを言って……」

 終わらない快楽が私を徐々に弱くさせる。そしてドクドクと脈打つそれらはお腹に溜まった。
「はぁ……はぁ……」
 引き抜かれ、穴から垂れるものを男は口をつけていた。
「ひっ……何をして……」

 〈精子にはこれも必要だろ〉

 そう言うと息を吹きかけさらにゾクゾクと身震いさせた。体の内側からの瘴気が身を蝕む。


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