先輩に恋しました。

枝浬菰

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真実

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晃に今日あったことを全部話をした。
部長も悠真先輩を気遣っているのか特にお咎めなしで仕事に戻りなんとか仕事を終えた。

晃が飲み行こうぜと言ってきたので飲みに向かう。
そこにいたのは晃の彼女、俺たちと同じ会社の事務員をしている。

「すみません、晃から話しを聞かせて頂きました」
「いえ、驚きましたが、俺ここにいても大丈夫すか?」

「はい、あの富樫さんと佐久間さんの話って事務でも噂になっていて」
「え?」

今一番聞きたくない話だけど、事務でも噂になるほどのことなのか?


「実は大学時代富樫さんと佐久間さんはお付き合いしていたそうです」
「へ?」

「なんか、事務員にいる先輩の人が大学同じらしくて理香に話し聞かせてくるんだって」
「そうなんだ」

「はい、ですがそこに面白がって2人の仲を引き裂く男が現れたそうです」
「それがDV彼氏ってことか」

「はい、その男に富樫さん騙されてその…言いにくいんですけど…」
「俺が代わりに言うよ、レイ○されたらしい」

!?

一瞬で息がつまった。

「それでその、佐久間さんをこれ以上傷つけたくなかったら富樫さんが犠牲になれって言われたそうで」
「それで?」

「それでそのあとから今の彼氏と富樫さんがお付き合いを始めたんですけど、なんか順応すぎて富樫さん本当は佐久間さんのこと好きだったのかな? って感じになったみたいです」

「? それってどういうこと?」
「つまり洗脳されてるってことかもしれない、たまに悠真先輩って大怪我してても全然平気な顔してるだろ?」

「たしかにおかしいところある、そうか洗脳されていれば変なことあったとしても自分がなんとかします的な態度になるな」

じゃぁ風呂場の時も…。

「DV彼氏の名前は?」

「それが先輩も分からないって言っていて」
「分からないっておかしいだろ」

「なんか最後のほうに入ってきた人で知ってる人あまりいないそうです」

「そうなんだ、理香ちゃんありがとう、辛い話してくれて」
「いえ、少しでもお役に立ててたら嬉しいです」

「もし、まだ悠真先輩が洗脳されたままで佐久間先輩がこのこと知らなかったら」
「伝えるべきか辞めるべきか」

「悠真先輩にはなんか言われたの?」
「いや、あの時は俺を逃がすのに必死だったから特には」

「そっか、先輩がいつ会社にくるか分からないけど、俺らにできることあったらやるしかないね!」

「うん」

この場は話が終わった。
だが俺も悠真先輩と佐久間先輩を助ける闇に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
吉とでるか凶とでるか。
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