先輩に恋しました。

枝浬菰

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佐久間先輩のバカ

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誰だろう、誰か来てくれた。
僕を呼ぶ声が聞こえる、これは佐久間先輩?
いや、違う僕のことを先輩と呼んでいる、じゃぁ誰?

うっすらと顔が見えた。

どうしよう、怜於くんだ。
僕に関わっちゃいけないのに、一体誰がこんな酷いこと。

それにどうやってこの家に?
鍵を持っているのは佐久間先輩だけ…。

え、どうして…こんなこと…。

浩が怒ってる、止めなきゃ。
土下座してやられることは分かっていた。

どうにか怜於くんを逃がすことができた。

僕は…。



ドゴドゴと本気で殴られている。
あばら骨折れたかも…それで済むならマシかもしれない。


明日も会社には行けない、セック○して体壊してでも浩の傍にいたいって思ったのはいつの頃なのか。
考えられない…目の前が暗く。

-----------------------
「佐久間先輩!!」

喫煙所で佐久間先輩を見つけた。

他にも社員がいたが俺は佐久間先輩に詰め寄った。

「場所変えようか」
と言ってきたので10階の中庭に出た。


「どうして俺なんかに行かせたんですか?」
「ごめんね、悠真を守るためだよ」

「は? 意味分かんないですけど」
「命令だったんだ、俺以外の悠真のお気に入りを家に寄越せって、だから」
木の傍にあるベンチに座り頭を抱えていた。

「命令って誰のですか?」
「それは言えない、言ったら君も元の生活には戻れないから」

「それって悠真先輩のDV彼氏のことですか?」
目を丸くした先輩がいた。

「なんで知って」

「噂になってますよ、悠真先輩の怪我はDV彼氏から受けてるって」
「そうか、もうそんなところまで」

「この噂流したの先輩ですよね?」

「そうだよ、はぁーそっか」
立ち上がった先輩はどこか遠くを見ていたそして強い目で
「で、どうする? 悠真はDV彼氏から君には想像できないほどの暴力を受けてる、助ける? それとも見放す?」

「(そんなの……)俺は悠真先輩のことが好きです、絶対に諦めません」

「好き、そんな軽い気持ちで悠真に関わるな」
と言い残し先輩はどこかに行ってしまった。

「むかつく!!」
自分の席に座る前に鍵を部長の机に叩きつけた。

「おぅ、どうだった?」
「風邪だそうです」

大きな声で言ったので他の社員がこちらを見た。

「なんともないみたいで安心したよ」
と部長が言うから俺は泣き出してしまった。

!?  ?
全員がぎょ!!? とした表情になって、

晃が慌ててこちらに来て俺を休憩室に移動した。
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