短編集

枝浬菰

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メイド喫茶にようこそ

キモ男

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遠くで見てる隼人と光輝は
「すごく言いたい裕が男だってことを」
「こらこら、ダメだぞそんなことしたら裕が悲しむ」
「…」

そこに本人登場
「まだいたんだ」
「酷いな、その言い方」
「裕ちゃん、さっきカッコよかったぜ! ちょっと惚れ直した」
「惚れ直さなくていいだろ!!」
安積様の目線が友達2人に向けられる。

『裕! ちょっと裏にきて』
『はい』

「ちょっと店長呼んでるから行くね」
「怒られちゃうぞw」と面白がる2人
裏に向かい

「あっ裕さっきはありがとう、安積様にもお礼言ってくれたのね」
「あぁ、うん」
「こんな格好じゃなければ私も出れたのに怖い思いさせちゃったよね、ごめんね」
「さすがにその格好じゃね…」

店長は今足を怪我して松葉杖をついている

「でもまぁなんともなくて良かった…あ! 春ちゃんは落ち着いた?」
「春はご家族に迎えに来てもらって帰したわ」
「そっか…落ち着くまでは来れないよね…」
「あの子シフト結構入れてくれてたからね」

「…お、俺は入れないよ、今だって臨時で入ってるんだから」
「分かってるわよ、最終手段は、朱里ちゃんにお願いするしかないか」

「姉ちゃんは多分鬼畜バージョンになりそう」
「そしたら今週はそういうイベントにするのもありじゃない」
「みんなはどうすんの?」

「そうね、急に言われても無理よね…まぁ相談してみるわ」
「店が決まり次第、姉ちゃんに頼んでみるね」
「あら、ありがとう」


その日はバイトを終え帰宅した。


光輝に女装してることがバレたので、塾で弄られる、傍から見たらカップルか!
ってくらい近い距離まで。
そんな様子を隼人がパシャ写真を撮って朱里に送っていた、前に朱里から
「裕の可愛い女装写真撮ってきてね」

と頼まれていたからだ。

そして日曜日、さすがに友達2人は来ていないけどメガネ手汗野郎が来てた。

「裕任せた」
「また俺か」
ふぅー…。
メガネ手汗野郎、通称キモ男の相手はだいたい俺の務め、あんな手汗ベタベタで女の子に触るなんて許せないと言ったのが始まりで、じゃお願いと頼まれてしまい、
キモ男も俺の事を気にいって?しまったのでテーブルにご案内する。

「おかえりなさいませご主人様♡」
と軽く挨拶を済ませメニューを渡す。

「き…今日も可愛いね、カ…カチューシャの色もしかして違う?」
うわぁー気持ち悪い…。
「さすがご主人様そうなんです、今日ピンクから水色にしてみたの、似合う?」
「すごく似合うよ、水色も似合って可愛いな」

「ありがとう、今日はなに食べるの?」
「今日は…いつもの写真付きのがいいな」

「かしこまりました」

まぁこの人俺の写真を眺めるのが好きだから特に変な態度は…いやたまに手を握ってくる時はあるか。
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