短編集

枝浬菰

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メイド喫茶にようこそ

女装した俺に惚れるなよ//

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この春高校1年生になった。

「いいじゃんやれば?」と中高一貫校で姉は中学の頃から秀才すぎて頭の悪い俺を見下すことが多かった。

いつも双子で行動してて、姉が面白がって塾の面接についてきたら案内された、
『双子割り』


たしかに姉といればおこぼれが貰えたりするので後をついて行くことが多かったのだ。
姉の勧めで塾に入った。

川辺の土手で友達と話をしていた。

「お前朱里あかりに惚れてるだろ」

「な!? 別にちげーし、ちょっと可愛いなぁって思ってるだけだし…」
「くくくっ」
「なにがおかしいんだよ」
「いや…(笑)なんでもない」
「絶対になにかあるだろ!!」

分かりやすいように笑う友達にむっとする。

ジャンケンで負けた俺が自販機に買いに行き3本飲み物を買ってきた。

「なんの話してんの?」
「あ、裕こいつ朱里に惚れてんだって」
「姉ちゃんに?」

朱里に惚れてるのは友達の笹原光輝ささはらこうき
笑いを堪えてるのが対馬隼人つしまはやと
2人とも同じ学校、塾に通ってる仲良し3人組だ!

「お前! さらっとバラすなよ」
「隠し事はよくないだろ」
「姉ちゃんに惚れるって…」

「でも裕、学校では朱里に会えないだろ、俺たちドベ組は」
「あっ確かにSクラスにいる、姉ちゃんには敷居が高すぎて会えないよな」
「なに敷居って、格とかじゃね?」

「どっちでもいいよ」
「じゃあさ会うとしたら塾しかないだろ?」
「あ…う…ん?」

「阿吽の呼吸!!」
「はい、ぶー」
「問題じゃねぇし、裕顔真っ赤だよ」
「だって…バカ」

俺が顔を真っ赤にしている、腕でで隠すが隼人が両腕を後ろで拘束する

「はぁ? なんで裕がそんな顔すんだよ!」
「塾に通ってる朱里は実は女装した裕なんだよ!」
「はぁー!!」

ぼっとしたあとぷしゅーと隼人にもたれかかる。

「よしよし」と頭を撫でる

「双子割りってあるらしいんだけど朱里と申し込んだんだって、でも朱里って頭いいだろ、だから月水金土は裕が行って火木は朱里に変装した裕が行ってるってこと、
こいつ俺たちよりおバカちゃんだからさ毎日勉強教えてもらわないとついてけないって言ってた」

「じゃ俺が好きになったのは朱里ちゃんじゃなくて」
「そ!」
「女装した裕のことが好きになったってこと!!?」
「そゆこと!」
「おおお…男と分かれば俺の言葉は撤回だよ」

光輝も赤面しながら言う。

「でもさ裕女装しても可愛いよね、本当に女の子に見えちゃうもん」
「か…可愛いって言うなよ!」
「その態度が可愛いんだよ」
「うっわぁ!!」

隼人が俺に抱きついた、顎をくいっと持ち上げ目と目が合う。

「だぁーやめろ!!」
「なになに妬いた?」
「違う、でもみんな見てるし 」

ジョギングしてる人、
ペットの散歩の人、
帰りの学生が
そこに集中していた。

「バカー」と頬を叩かれ1人塾に向かった。
裕が駆け出したので残された隼人と光輝はひそひそと日曜日の約束を交わす。
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