短編集

枝浬菰

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陰間茶屋→完結

この男を知っている

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キスをし羽瑠を呼ぶ


「羽瑠、いるか、終わったんだが、占埜寝ちゃって」

と益山様の声が聞こえ襖を開ける


「本日はお越し頂き誠にありがとうございます、先日から占埜様の用心棒として入りました
ハチでございます。まだ研修中で不届きがあるかもしれませんが
どうぞ宜しくお願いいたします」
とご挨拶も述べ頭をあげ益山様を初めて見ると


「え…」

「あ…宜しくな」

と返ってきた
でもこの目の前の男を知っている。

「益山城の主 将軍様ですか?」

とおそるおそる言葉を並べた


「…」
益山は答えない

おっと俺の正体知ってるってことは武士家の人間か、でもなんでこんなところに?


「なんのことだね? 私を将軍様と一緒にしたら大変なことになってしまうよ」


「あ…大変失礼しました」
と慌てて謝罪を述べる


「占埜がね気を失っちゃったんだ、処理とか仕方分かる? 羽瑠呼ぼうか?」


「いえ…羽瑠は他の方の用心棒にお仕えしているので私が預からせて頂きます」


「そうか、では頼んだよ」

「はい」


益山様の背中にお辞儀をし

占埜をお風呂場に持って行く
体を洗い、布団に寝かす











「う…うん…ういぃ」
目が覚めた

辺りを見回すと益山様はおらずいたのは隣でぐーすか寝てるハチだった


「あー起き上がれない…でも今日はもう休息じゃないからまた無理しないといけないな」
と体に鞭を打った。
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