短編集

枝浬菰文庫

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陰間茶屋→完結

日記

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「占埜様、益山様がご来店されまして、占埜様を希望と仰せつかっております」


「な…占埜は今日は休みだぞ」

占埜の表情が少し重たい

「分かりました、すぐに準備しますのでしばしお待ちくださいとお伝えください」


「な…おい! 今日は休みだろ、なんで働くんだよ」


「益山様はお優しい方だから大丈夫」


「大丈夫もなにもお前顔ヤバいぞ!」

「え! 化粧しなきゃ」



「ちがーう!」


「大丈夫、心配しないで、さっき言ったことだけ準備しておいて、その間は好きにしてていいからさ」
といい身支度を整え案内役について行った




「くそ…俺にはなんにもできないのかよ…」
と近くにあった物を蹴ると中からなにか出てきた

「なんだこれ」

ノート?

ボロボロになったノートが出てきた


1ページ目に名前と身売りを始めた日
売上、借金といろいろな情報が書いてあった

「あーこれ読んじゃだめなやつか…」
としめようとしたがやはり中身が気になってしまい
2ページ3ページと読んでしまった


酷かったのが10ページ目
「なんだよこれ…」

ナンバー2って昼間のやつだよな
と『3-5のナンバーでまわしレイ○をやられた主が来てくれなかったら、あそこで死んでた


主には感謝しきれない…』


と涙がこぼれてしまった

襖があき、羽瑠が俺の手にある物を見つけて取り上げる


「馬鹿者!! これは占埜様の大事な日記だぞってどうして、泣いてんだ?」


「う…羽瑠はこれ読んだことある?」


「いや、ないし、読んだらいけないと思う」

「うん、そう読めない方がいいと思う」


「とにかく用心棒修行を占埜様に仰せつかったからやるぞ」

「うん、必ず守ってみせる」
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