短編集

枝浬菰文庫

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陰間茶屋→完結

美しい男

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「面白いな、ハチは」


「だ…だから俺はハチじゃなくて福谷雅輝だって、言ってるだろ」


「知ってるよ、本名は隠した方がいいよ、いざこざに巻き込まれることが多いからね」


「占埜は? 本名なのか?」


「俺も芸名だよ」


「本当の名前は?」

「しの」

「え…バカにしてんの?」


「漢字が違うんだよ、芸名は占埜だけど、本当は屍嚥って書くんだ」

占埜の顔は暗い表情になっていた


「こんな漢字思いつくとか…お前の親」

「まぁ今は主に新しい名前もらえたからいいんだ」


「占埜様竹野浦様がお見えでございます、ご準備を」


「あ! まだ清めてないから、他の人に変わってもらってください」


「御意」

「清めるってなんだよ、てかお前さっき稼ぐとかなんとかって」


「竹野浦様はダメなんだよ、キレイにしてないと、それにまだ前の客の残りが入ってるし」

「え…」
俺は少し赤面してしまった

というか男同士ってなんだ?
セックスするのか?



襖の奥から何かくる気配が

「失礼します、占埜様竹野浦様はあなたをご所望で何分でもいいので待つと」


「あ! ちょっと待っててください確認してきます」


部屋の奥に清めの風呂がある
そこに呼びに行く


「おい占埜さっきのやつが何分でも待つって…」

襖をあけ声を発すると

白い肌 細い肩 細い腰つき きっと抱きやすいんだろうななど考えてしまった
いけないと思い、慌てて戸をしめる
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