短編集

枝浬菰

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陰間茶屋→完結

江戸時代

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時は江戸時代

陰間茶屋が賑わう時代
そんな時代を一生懸命生きる少年達の物語



『武士の家庭』


俺は福谷家の長男
福谷雅輝 17歳
二十歳の儀が終われば小隊を連れて戦に行くことになる
だがそんなある日

ある一声で今後の人生が変わってしまった

「火事だ!!」


屋敷が燃える 炎に包まれ俺は遠くで見ていた
武士の学業を学ぶために出ていたからだ

遠くから聞こえてくる
その声は俺の耳にはっきりと聞こえ
頭の中がぐわんぐわんと揺れる

朝方まで火ととの戦いは続いた

屋敷の前に呆然と立ち
周りの声を聞くと

「だれも生きてないそうよ」

「火は矢でつけられたとか」

「福谷家も終わったな、強い武士がいたんだがな」

「これからどうやって安心して暮らせば良いの?」


「おい、そこの雅輝お坊ちゃんじゃないか?」


汚い手で俺を触るな

「高く売れそうじゃないか?」


と聞こえた瞬間目の前が真っ暗になり
意識を失った…………









わいわい話し声が聞こえる

うるさいな、なんだこの話し方は女?


と目を開けると
のぞき込む者が

慌てて起き上がるとそののぞき込んだ相手とぶつかってしまった。


「いったーーー!!」


「急に起き上がるなよな」

と文句が聞こえる

襖がガラリと開き
そこにいたのは
「?女?」

「ふん、そう見えるか?」


着物姿のとても美しい女子が立っていた
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