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大切な指輪が……

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「やっなにこれ!!!?」

皮膚で感じたとたん精液が飛び散った。
止まらない、嫌だ、感じたくないのに。

「唯斗、嬉しいんだな」
四つん這いにされ指を絡ませる、だがそこで俺は感じてしまった、指輪の存在に
「あっあっ」

指輪を凝視しながら嗚咽と吐き気がこみ上げる。
取り返しのつかない、直哉じゃない人との子作り。

「唯斗、こんな指輪いらないな」
と指から抜かれる。

「はっダメ」
「もうずっと私のものだ」

後ろからキスを求められ、口内を犯された。

父さんは膨らんだ中に精液を出した。
「はぁはぁっ」
ビクビクと腰をぐりぐりと抑えつけ、大切な指輪と共に大事なものが奪われていく。

も……もう直哉の、俺の大切な場所に戻ることはできないのか……。

直哉が俺のものと世間にも言ってくれた、あの日ことを思い出す。
つい先日、結婚しようと指輪をもらったあの日、もう戻れない。

穴が収縮して呼吸をする。


「あと、何分?」

「あと、3分ほどで癒着します」

その間も指を絡ませている。
父さんの息遣いが耳に聞こえ、涙が落ちる。

「面白い話をしてやろう、唯斗が母さんと出て行ってから湊斗は男に犯されまわされた、男の子を生むためにね、元々浅沼家はそういう研究をしていたんだ、男でも出産が可能になれるようにね、だが幼い湊斗に薬を投与した結果、生まれてきたのは女ばかりだった。何人殺したかな? 流産しまくって、湊斗の体が情緒不安定になりかけたこともあったな、学校にも行けず1人家で性接待を繰り返す、ビジネス的にはいい道具だったよ、唯斗もこれからそうなるんだよ」

はっと話を理解すると怖さというよりも死にたいという気持ちが大きくなった。


もう帰れないと悟る。
さよなら蒼維、
さようなら直哉。


「癒着しました」
「唯斗の中気持ちがいいな」

そう言われ性器を取り出された。
ぐぽっと空いた穴は呼吸していた、だが他の男が近づいてきてアナルプラグを挿入された。
「あっ」

「しばらくこのまま」
と言われ儀式部屋ではなく違う部屋、小さい頃に湊斗と一緒に寝ていた部屋に連れていかれた。

布団を被せられ、涙とともに嗚咽が込み上げた。

何度も吐いた。
気持ちが悪い……こんなもう俺でいられない……。


「唯斗」
と呼ばれ部屋に入ってきたのは颯斗兄さんだった。

「半月だけ我慢して、あとは俺がなんとかするから」

……。この家族にはもう期待できない。
涙を流しながら気を失った。


-------------

どこか遠い昔の日を思い出す。
これは俺が小学生のころの記憶だ。
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