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なに? なんか変なんだけど

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映画館で俺に似た人に声をかけられた後の記憶がない。
ただ、見たかった映画が見れなくてショック……。
直哉にはまた今度連れて行くからと言われたが、実をいうと先着順のぬいぐるみが欲しかったが理由なんだよね……。

はぁー仕方ないか。
それにしてもなんで今日はこんなにも具合が悪いんだ?
直哉は仕事行っちゃったから部屋の片づけとか週末の買い出しとかにも行かないといけないのに……。

だるくて動けない……。

お腹辺りがぞわぞわするし……。なんか気分も……。
「うぐっ気持ち悪い」

トイレに駆け込み、何かを吐き出す。

ヤバ眠気が……こんなとこで寝たら……。

うとうとしていると知らないまま寝てしまった。






どこか遠くで何かが鳴ってる。
ばっと起き、
「ヤバ、トイレで寝てた」

テーブルの上に置いてあるスマホを確認する。
「非通知?」

でないほうがいいよね……。
と待ってると切れた。

そしてまた鳴り出す。
俺が気が付かなかった間も鳴っていたらしい。
履歴がおぞましい。

まさか直哉が他の人のスマホ借りてかけてるとか?
そんなことないよね?

次来たら出る……。

待っていると数分後にきた。
また、非通知、恐る恐る出ると

「見つけた」
だけ言われ、切られた……。

え?? 都市伝説??
俺怖いの苦手なんだけど背筋がぞっとした。

ブーブーとまた鳴り出した。

「ひっ!!?」

画面には直哉と表示があった。

今出たら感情バレるかな?
でも直哉が仕事中に電話してくるの珍しいし。
『も……もしもし?』

『……唯斗どうした?』

『め……珍しいね、仕事中に電話かけてくるの』

『今日遅くなりそうだったからの電話だったんだけど、急いで帰るね』

『やっそんな、仕事優先にしてよ』
『なんで? 俺帰ってくるのやだ?』

『ちがっそんなんじゃなくて……』
『唯斗がちゃんと言ってくれなきゃ分からないよ』

『……ごめん』
と一言残し、電話を切った。


なんでだろ、涙が零れ落ちる。
分かってる、ちゃんと言わなきゃ伝わらないって、でも俺にはそんな勇気ないよ……。


【なんで連れてきちゃったんだろ】お母さんの言葉、怖い……。
お願い、捨てないで……。

あんな悪夢な日々を過ごしたくない、好きな人と一緒にいられる幸せを知ってしまったから
もうあの日々には戻りたくない。

------------------------------------------------------------------------------------------------
「あーあ唯斗、バカだね」
「電話出られましたね」
唯斗と直哉の家の前に一台の車が停車する。



「GPS、家の場所バレバレなんだけど、意外と大きな家に住んでるじゃん」
「お相手モデルなんですよね」

「そうだよ、由井浜直哉、今若い世代に人気の、本当に……」
羨ましいな、俺だけ浅沼家から逃げられない運命なんて唯斗兄、呪いたいよ。

「本当になんです?」

「誘拐しちゃおうか」

「今ですか? 予定ではないですよね、さすがに怒られますよ」

「だよねー、俺も早く男の子産んで解放されたーい」

「本当ですよね、なんで産まれないんですか? 逆に不思議です」

「知らないよ、バーカ」
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