捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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決着編

にっこにこな笑顔

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研究施設
「お母さん……僕足っ」
「そうね、立ち上がれるのはリハビリしないといけないわよ」
「そっか、琉璃は?」


「琉璃はここよ」といい琉璃をお母さんから僕にきた。
こんな状態でもすやすやと寝ていた。


「大丈夫、琉璃君は僕が絶対に守るからね」
-----

大貫という男に連れられ俺と琥珀はとある場所に向かっていた。


異様な状況に頭なんてついていかない。
稚里の目的は初めから俺だった、でもなぜだ?

稚里に出会ったのは大学の時、歳も離れてるし接点という接点はないはずなのに……。
もしかして一度繋がったのが原因?


「稚里の目的はただ一つ”お気に入り”それだけだ」
俺の考えが読まれたのか琥珀はそう口にした。


「お気に入りそれだけで俺と琉架を引き離そうとするのか?」
「……そもそも琉架が小鳥遊璃亜武と番にならなければこんな展開にはならなかった」


「でも元々璃亜武くんと琉架は友人関係で稚里は初めから璃亜武くんを狙ったってこと?」
「いや、あの時はたまたまだろ、αからΩの薬を投与し続けた結果小鳥遊病院で”運命の番”という誤作動を起こし稚里は小鳥遊璃亜武と番になってしまった。 それだけでよかったはずなのに……」


「ちょっと待って俺、大学生の時稚里と一回やってるんだけど」
一瞬驚いた表情をしていた。

「ああ、あいつは欲しいものは手に入れる、最低なやり方しか持ってないからな……いろいろ考えた末、Ωの薬を飲んでお前に会ったが強い薬だったからきっとαであるお前との性行為も上手くいかなかったんだろうな」


「……それは運命の番じゃなかったから」
「そうだ」


「でも稚里はいつまでαだったんだ?」
「それはいつだろうな……俺と最初に会った時はαだったような、気がする」

悩んでいると運転していた男が
「着きましたよ」と言うので車から降りた。

玄関先にはにっこにこな笑顔の稚里がいた。


「待ってましたよ、要さん♡」


ビリっと感じるのはαの威圧だ。
「さぁ中へどうぞ」


そう言われ中に入った。


中に入るなり稚里は腕にくっついてきた。
「稚里……俺はお前を許さないからな」


「どうして?」
こてんと首を傾げていた。


どうして? 
そう聞く彼が俺は分からない。
大切な人をこれでもかというほど危ないめにあわせてきたのに……。


「琥珀琉架はまもなく死ぬよ」
!?

そう彼は言った。


「でも残念だね、死ぬ間際をあなたは見られないなんて……」


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