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番解消編
復讐と永遠の愛
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大峰稚里。
昔俺がまだ琥珀組の組長をしていた時に一度だけ会ったことがある と思われる。
こんなΩっぽくなかった、楽しいというよりも蔑むような目をしていた。
大峰一族は昔から親父よりも危ない組織と言われていて関われば死を連想させた。
むしろマフィア関係とも言われていた。
海外の組織とつるみΩが必要とされる道具作りに関心を持っていたようだ。
だから今目の前にいるΩもカラーが外れているのだろう。
「あっそうだ、琥珀さんこの子どうします? 知らなくていいこと知っちゃったのでやっちゃいますか?」
「そうだな」
ビクリと体が強ばっていた。
「なんなら、番にしてもいいですよ」
「ふん、俺の嫁は梨架だけだ」
「梨架さん……誰ですか? あ、もしかしてついこないだ来日した」
「そうだ、帰ってきたのに俺に挨拶もねぇとはな」
「会ったらやっぱり抱いちゃうんですか?」
「いや、梨架とはそういう仲じゃねぇんだ」
「おりょっそうなんですか? なのに息子を産んだんですか?」
「質問攻めかよ、そうだ、あいつの希望だったしな、それにまさかα家系からβが産まれてくるとは、それにΩになっちゃうとはあいつも災難だよな、そして今やお前に殺されそうになっている」
「あはっ……それはあなたも同じことをしているじゃないですか」
「ふん、そうだな」
大峰稚里の最終的な目標はやはり ”日暮要” を手に入れることかな。
「で、お前はなにを目標に動いてるんだ?」
「あーそれは秘密です、でも復讐と永遠の愛ですね」
「復讐……それは琉架にか?」
「ええ、なのであなたのご協力をえたいなっと思いまして」
「俺はなにをすればいいんだ? なにもすることはないと思うが」
「ありますよ。 まずは赤ちゃんを取り上げることと、今実行中の番解消の毒薬がちゃんとあいつの体で動いているかの確認が必要になります!」
「……どうやって」
「毒薬については監視カメラに入り込める栗花落家の力を借りましょう」
急にベッドの上にいたΩに目線を移した。
ゆっくりと近づき
「ねぇ栗花落くん君は僕の言うことを聞けるね」
「うぐっ……はぁ……はぁ……はい」
暗示をかけているのか、Ωは酷くビクつきながら命令を聞いていた。
「よしよし、いい子だね」
とそこにバイブレーションが鳴り響いた。
「おっといけない、璃亜武のことを忘れていた。 琥珀さん栗花落くんをお家まで護送してくれますか?」
「俺に命令とは……」
「あと、それと」と言い別れた。
まさかあいつ俺のことを知っているとは……。
気の抜けない相手だな。
昔俺がまだ琥珀組の組長をしていた時に一度だけ会ったことがある と思われる。
こんなΩっぽくなかった、楽しいというよりも蔑むような目をしていた。
大峰一族は昔から親父よりも危ない組織と言われていて関われば死を連想させた。
むしろマフィア関係とも言われていた。
海外の組織とつるみΩが必要とされる道具作りに関心を持っていたようだ。
だから今目の前にいるΩもカラーが外れているのだろう。
「あっそうだ、琥珀さんこの子どうします? 知らなくていいこと知っちゃったのでやっちゃいますか?」
「そうだな」
ビクリと体が強ばっていた。
「なんなら、番にしてもいいですよ」
「ふん、俺の嫁は梨架だけだ」
「梨架さん……誰ですか? あ、もしかしてついこないだ来日した」
「そうだ、帰ってきたのに俺に挨拶もねぇとはな」
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「いや、梨架とはそういう仲じゃねぇんだ」
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「あはっ……それはあなたも同じことをしているじゃないですか」
「ふん、そうだな」
大峰稚里の最終的な目標はやはり ”日暮要” を手に入れることかな。
「で、お前はなにを目標に動いてるんだ?」
「あーそれは秘密です、でも復讐と永遠の愛ですね」
「復讐……それは琉架にか?」
「ええ、なのであなたのご協力をえたいなっと思いまして」
「俺はなにをすればいいんだ? なにもすることはないと思うが」
「ありますよ。 まずは赤ちゃんを取り上げることと、今実行中の番解消の毒薬がちゃんとあいつの体で動いているかの確認が必要になります!」
「……どうやって」
「毒薬については監視カメラに入り込める栗花落家の力を借りましょう」
急にベッドの上にいたΩに目線を移した。
ゆっくりと近づき
「ねぇ栗花落くん君は僕の言うことを聞けるね」
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「よしよし、いい子だね」
とそこにバイブレーションが鳴り響いた。
「おっといけない、璃亜武のことを忘れていた。 琥珀さん栗花落くんをお家まで護送してくれますか?」
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