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出産編
口を慎め外道
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「有効期限関係なく早く用事を済ませたいのでそこをどいてくれませんか?」
「無理です、こちらも命令ですので」
「あのお方はお近くにいるんですか?」
「いませんよ」
「それは残念、ぜひともお目にかかりたかったのに」
「口を慎め外道」
「さすがは元α、口ぶりが違いますね、私の息子なんてβなのに我が儘言わずに全部受け入れてましたよ」
紅羽は下を向いていた。
なぜかというと怒っていたからだ、しかしここでこの男の口ぶりに乗せられてしまえば琉架の命も赤子の命も奪われてしまう、だから冷静に対処しなければいけない。
「おや、反論ないということは私の勝ちですか?」
紅羽はにっこにこの笑顔で
「くたばれクズ」といい廊下はシーンっとなった。
……。
「仕方ないですね、期限切れになるまで待ちましょう」
腰掛けて数分
「あの紅羽さん、琉架の病室はここですか?」
「璃亜武くん……」
「おやおや救世主登場ですね」
「失礼ですがあなたには私は用事がありません」
「これはこれは酷いことを言いますね、雇い主の旦那でもあろう方が」
「私は……俺はあなたを許した事なんて一度もありません」
「ふふっ」
「なにがおかしいのですか?」
「璃亜武くんあの人変人だから無視していいよ、琉架くんから連絡来たの?」
「いいえ、父からです、産まれたと聞いたので」
「そうか、君なら裏から入れるんじゃない?」
「そうですね、この男が入れないように見張っているのであれば俺は裏から入らせてもらいます」
「うん、そうしたほうがいいと思うよ」
「やれやれ困った旦那様だ」
璃亜武は専用のカードを使って裏から入った。
「また振り出しに戻りましたね」
「ふん」
廊下には沈黙が戻った。
----
「やぁ、琉架大丈夫?」
「り……璃亜武」
「璃亜武くん、よくこれたね、稚里の許可は……ってあれか逆に早く解消していけって言われた感じ?」
「そんな感じです、大変な時にすみません」
「本当だよ、まったく稚里のやつめ、琉架のこと一ミリも心配してないんだから」
「ですね、本当に……」
「璃亜武、琉璃のこと見て行く?」
「いいのか?」
ちらっと要さんのほうをみると「どうぞ」と言われたのでお言葉に甘えて琉璃を見た。
専用のベッドで眠る小さな小さな俺の子ども
「可愛い」
「うん、璃亜武との子だよ」
「って琉架それ要さんの前で言っても平気なの?」
「あーまぁ大丈夫」
要さん怒っちゃうよ、俺が琉架を番にしちゃったから、しかも子どもも産まれるなんてこんな奇跡あってもいいのかってくらい内心では嬉しい。
でも稚里は絶対にそれを許さない。
廊下にいたのは稚里の差し金だろう、琉架をまた1人にしてしまうのが怖い。
「璃亜武? 抱っこしてみる?」
「ちょっ!! 俺まだしてない」
「要さんは……えっとどうしたらいいのこれ?」
「無理です、こちらも命令ですので」
「あのお方はお近くにいるんですか?」
「いませんよ」
「それは残念、ぜひともお目にかかりたかったのに」
「口を慎め外道」
「さすがは元α、口ぶりが違いますね、私の息子なんてβなのに我が儘言わずに全部受け入れてましたよ」
紅羽は下を向いていた。
なぜかというと怒っていたからだ、しかしここでこの男の口ぶりに乗せられてしまえば琉架の命も赤子の命も奪われてしまう、だから冷静に対処しなければいけない。
「おや、反論ないということは私の勝ちですか?」
紅羽はにっこにこの笑顔で
「くたばれクズ」といい廊下はシーンっとなった。
……。
「仕方ないですね、期限切れになるまで待ちましょう」
腰掛けて数分
「あの紅羽さん、琉架の病室はここですか?」
「璃亜武くん……」
「おやおや救世主登場ですね」
「失礼ですがあなたには私は用事がありません」
「これはこれは酷いことを言いますね、雇い主の旦那でもあろう方が」
「私は……俺はあなたを許した事なんて一度もありません」
「ふふっ」
「なにがおかしいのですか?」
「璃亜武くんあの人変人だから無視していいよ、琉架くんから連絡来たの?」
「いいえ、父からです、産まれたと聞いたので」
「そうか、君なら裏から入れるんじゃない?」
「そうですね、この男が入れないように見張っているのであれば俺は裏から入らせてもらいます」
「うん、そうしたほうがいいと思うよ」
「やれやれ困った旦那様だ」
璃亜武は専用のカードを使って裏から入った。
「また振り出しに戻りましたね」
「ふん」
廊下には沈黙が戻った。
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「やぁ、琉架大丈夫?」
「り……璃亜武」
「璃亜武くん、よくこれたね、稚里の許可は……ってあれか逆に早く解消していけって言われた感じ?」
「そんな感じです、大変な時にすみません」
「本当だよ、まったく稚里のやつめ、琉架のこと一ミリも心配してないんだから」
「ですね、本当に……」
「璃亜武、琉璃のこと見て行く?」
「いいのか?」
ちらっと要さんのほうをみると「どうぞ」と言われたのでお言葉に甘えて琉璃を見た。
専用のベッドで眠る小さな小さな俺の子ども
「可愛い」
「うん、璃亜武との子だよ」
「って琉架それ要さんの前で言っても平気なの?」
「あーまぁ大丈夫」
要さん怒っちゃうよ、俺が琉架を番にしちゃったから、しかも子どもも産まれるなんてこんな奇跡あってもいいのかってくらい内心では嬉しい。
でも稚里は絶対にそれを許さない。
廊下にいたのは稚里の差し金だろう、琉架をまた1人にしてしまうのが怖い。
「璃亜武? 抱っこしてみる?」
「ちょっ!! 俺まだしてない」
「要さんは……えっとどうしたらいいのこれ?」
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