捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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出産編

愛らしい琉架を堪能

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俺も落ち着いて琉架と一緒に事務所に戻った。

「琉架くん、無事でよかった」
「?」

「って要さん事情説明してないの?」
「え、だって不安にさせたくないし」

「説明されてないほうが不安じゃん」
「うぅっ……琉架落ち着いて聞いてくれる」
「はい」

一通りあったことを話した。

Ωのツバサとモカはもう世話しなくていいこと


「部屋の片付けだけどその手のプロに任せたほうがいいから数人ここへの立ち入り許可がほしい」
「プロってどうしてですか?」

「暗殺者の部屋だよ、もしかしたら琉架くんを掃除に行かせ爆弾でも仕込まれてたら即死かもしれないし、いろいろ理由はあるよ」
と紅羽さんは説明してくれた。


「あっ爆弾処理班的なあれですか」
「そうだね、簡単にいえば、ないかもしれないし、あるかもしれないし分からないけど」

ぎゅっと腕にしがみついてきた。
「琉架、大丈夫だよ」
「はい」


ツバサとモカの部屋は紅羽さんに任せることにした。


やはり部屋のドアから仕組まれていたようで導火線を見逃さずにプロが処理をしてくれた。
紅羽さんに俺も頭が上がらない。
国一流の組織の元メンバーでΩになってからは事務的に仕事についてるみたいだけど即戦力になる上司は心強く部下も優秀なαで構成されていると聞く。


でも琥珀さんと紅羽さんどういう繋がりがあるのかはあまり聞いたことがないかもしれない。
それに紅羽さんのことを姫ちゃんと呼ぶってことは俺もその時代にいたってことだよね、、、、
謎は深まるばかりだ。



琉架のためにこの店のために動いてくれる人達はいっぱいいる。
俺はそれを大切にしないと。


それから数ヶ月は琉架は食欲が失ったり疲れることも多くなったので部屋で過ごすことが多くなった。
時折お腹からの合図は俺も触って確かめ2人で談笑する。


「はぁ……はぁ……」
「大丈夫か?」

「はい」
ゴンからは水分補給は絶対! と言われている。
俺も意識して琉架に水分をとらせる。

「白湯持ってきた」
「ありがとうございます」

「あっちぃ」
「ああ、悪い冷まそうか?」
「うん」

ふーふーと息を吹きかける。

「あのね、白湯飲むとお腹動くんだよ、美味しいって言ってるのかな」
ふふっと話す琉架に俺は思わずキスをする。

ああ、なんて可愛いんだ。
くちゅくちゅっと音を立てながらこの愛らしい琉架を堪能する。

「ちょっくすぐったいって」
首元に顔を埋め耳たぶとか舐められるところに舌を這わせた。

「もう……こんな幸せなの……もう最後なのかな?」
「何言ってるんだよ、これから俺と作っていくんだろ?」

「うん、僕が生きてたら」
「琉架、死ぬ気なのか?」

「分からない、出産も上手くいくか分からないし、番解消も上手くいくか分からない、分からないことだらけだよ」
不安そうなその瞳は俺には分からない、琉架の心情と体のことと全部俺が背負ってあげたいのに。


「琉架、俺はずっと傍にいるよ、もし琉架が目を覚まさなくなってもずっと永遠にいるから」
というと大きく目をあけて


「ふぅーいつも要さんには言葉では勝てないな」
おでこをくっつけた。

「ありがとうございます」
「うん」
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