捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰文庫

文字の大きさ
上 下
112 / 196
出産編

ツバサとモカ

しおりを挟む
「稚里ってお前の大学の後輩だったよな」
「要さん詳しく話してくれる?」
紅羽さんのスマホはスピーカーモードになっていた。


「一連の工作は全部稚里くんに繋がってる可能性が高くて……その裏にはあの男琥珀も関係している可能性が高い」
「琉架を殺そうとしてるってことか?」
「うん、実際にカモミールはそうだった、子宮収縮作用があって早産を引き起こす可能性があるって教えてもらった、それにもし琉架が目覚めなかったら出産なんての話しじゃなくなる」


「くそっ!!」


「つまり話をまとめるとツバサがこの店に来たのも元々比嘉さんの友人の知り合いだったっていうのもどこかしらからことの始まりを繋げる合図だったってこと?」

「ああ、日暮悪い」
「そんなの分からなかったことだよ、まずはこの事件をどうするか」

『それはこちらで引き受けます』
とスマホから流れてきた。

『でもボス、動けますか?』

「ボスってなに?」
「紅羽の上司だろ」


『初めまして、紅羽の上司です、名前はシークレットで、事情は分かりましたしこちらで調べましたが【ツバサ】は小鳥遊稚里に雇われたΩの暗殺者です」


「はっ暗殺者??」
「そんなやばい人間がΩでいるのかよ」

『はい、むしろΩの暗殺者は潜り込みやすいのが特徴で……はまぁおいておいてこちらでこれ以上そちらに被害が及ばないように徹底的にマークをしておきます、それとそちらに在住中の【モカ】も同じく暗殺者なので今1人でいる彼気をつけてくださいね』


ここにいる全員が琉架の安否に気がついた。

『暗殺者は秘密裏に活動しますが大きくことをおこしターゲットを密かに殺す者もいますので』


俺は急いで部屋に駆け込んだ。


---
「バイバイ琉架さん」

ガチャっと大きな扉が開く音が聞こえた。

「っち」
赤子だけでも腹に突き刺そうとした時
日暮要、第2のターゲットに止められた。

「バレちゃいましたか」
「モカお前!!!」

---
αの命令が効かない。

『彼らは訓練されてます』
耳につけておいたイヤホンから声が聞こえた。
まるで俺たちの行動が見えているような感じがしてとても胸くそ悪いが

モカは窓を割って外に出た。

『こちらで追います』
と連絡がきたあと電話は終了した。

心臓止まるかと思った。
「琉架」


目を薄らと開けていた。
「あれ? なにが起って……」

抱きつき。
「無事でよかった」
思わず緊張が解けベッドに体を預けた。

「要さん?」


なにが起きたのか分からない琉架は俺の頭を撫でてくれた。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

処理中です...