捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

文字の大きさ
上 下
97 / 188
妊娠編

俺じゃダメなのか?

しおりを挟む
璃亜武と別れ紅羽さんと合流しこの日は瑠衣と3人でご飯を食べて帰った。
璃亜武は稚里さんと用事があったみたいで先に帰ってしまったが。


帰ると要さんの手が僕を引き寄せ大事に腕の中に入った。
やっぱり僕は要さんが好きだ。

本当に申し訳ないことをしてしまった。
でも璃亜武みたいに要さんも同じ事言ってくれる気がする。


「琉架、今日は逃がさないよ」

さらっとそんなことをいう要さんはどこか変に感じた。


お互い仕事が終わり夕飯を食べ一緒に風呂に入り、優しく丁寧にみっちり洗われる。
変なことされないけどでも要さんどうしたんだろう。


ま……まさかやっぱり番がいる僕なんて嫌だから今日が最後の日なんてないよね、、、。



怖い。



ベッドに入り要さんは上に乗っかってきた。

「要さん?」

「ん?」
お腹に体重はかけないが僕の頭をしっかりと持ちキスの体勢をキープしてる。


「ふっなにされるか不安?」
「そ、それは……」


「安心して今日は琉架をドロドロにするから」

?? ドロドロってもう安心できないんですけど、、、。



始まってしまったドロドロになるまでの行為。

要さんだって辛いだろうに、どうして僕にそこまでしてくれるのか聞きたくても聞けない。


「琉架、俺に集中して」
「んっ」

考えてることバレてるな。


αの匂い、こんな心地良いなんて僕おかしいよね。
要さんだからなのかな?

でも璃亜武の時も早く、早くって思ってたし、、、。


「るーか!!」
「え」

「俺に集中してってば、璃亜武くんのこと考えてたの?」

「あっ……」
僕は俯いた。


「はぁー俺じゃダメなのか?」


!?
要さんは顔を片手で隠しながら横目で見てきてそう呟き、悲しい顔をしていた。

違う、僕は要さんじゃないとダメ。


「ごめん、嫌な言い方した今日は別々に寝よ」
そういって階段を降りていった。


なにも言えなかった。
僕には要さんと一緒にいる資格なんてない。


胸が張り裂けそうだ。
どうにかなりそう。
だってこの原因を作ったのは僕だ。
僕が全部悪いのだから、、、。


璃亜武の元にはいけない。
本当にこのままここに居続けてもいいのかな。

要さんにあんな悲しい顔させるなんて、誰にも頼れない。
僕は1人なんだ。

ふと今日璃亜武に言われたことが頭に浮ぶ
『誰も琉架を1人ぼっちにしたいやつなんていないんだよ、どうして琉架は誰にも頼ってくれないんだ、今までだって手は差し伸べてきたのに』

あの言葉びっくりしたな、だって産まれた頃から親には見捨てられるし、金は稼がされるし、学校には行けたけどいつも怪我してたりしてたからみんな僕のことをきっと『可哀想な人』って思われてたと思うし、今さら僕が幸せになるなんておかしいよね。


そこに雫が落ちた。

「あれ? なにこれ」
頬に伝う生ぬるい感覚。

どうして?




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

王道にはしたくないので

八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉 幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。 これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助
BL
 某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。  そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。  聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

変態に飼われた俺は変態の依頼をこなさなければいけない

枝浬菰
BL
2025年1月よりUPします~ オメガバース作品 長編を予定しています! 週1更新 ❁あらすじ 意思を持つΩと意思を持たないΩ どちらも俺、僕だから。 どんな荒仕事だとしても有能な俺様が失敗なんてするわけない! 変態に飼われた俺は変態が依頼する仕事をしなければいけない。これは絶対だ。 そんなある日ターゲットとして警察署長に狙われることに……。 「お前こんなところで何している?」「お前には関係ないことだろ!!」 闇オークションで飼われたΩの美形男子暁は変態の元で対人スキルを身につける。  

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

獣人王と番の寵妃

沖田弥子
BL
オメガの天は舞手として、獣人王の後宮に参内する。だがそれは妃になるためではなく、幼い頃に翡翠の欠片を授けてくれた獣人を捜すためだった。宴で粗相をした天を、エドと名乗るアルファの獣人が庇ってくれた。彼に不埒な真似をされて戸惑うが、後日川辺でふたりは再会を果たす。以来、王以外の獣人と会うことは罪と知りながらも逢瀬を重ねる。エドに灯籠流しの夜に会おうと告げられ、それを最後にしようと決めるが、逢引きが告発されてしまう。天は懲罰として刑務庭送りになり――

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...