捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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妊娠編

どうなる?

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俺は小鳥遊医院長と話をした。

ずっと息子の璃亜武くんが琉架を守ろうとしてきたこと、琉架のあの優しさは彼のを受け継いでいると思うと学生生活が整っていたと思えた。


帰れば怖い思いもしたと思うが。




それでも琉架は強く生きていたこと、そして俺に頼ってくれたこと、それだけ分かれば嬉しかった。



「うわぁーなんかしんみりしてるな」
「ゴン」

「要さん」と抱きついてきた。

ふふ、可愛いな。


「で、どうだったかな?」
「あーとても言いにくいのですが……」

「失礼します」
そこに2人新たに入ってきた。

「璃亜武」
「いちを当時者がいたほうがいいかと思い、先に連絡させていただいてました」

「ああ、そうだね」

「まず琉架くんのバース性ですが、βからΩに変わったと検査結果で分かりました」
「……」

俺は琉架の手を握った。

「そのため発情期でなくとも番は成立してしまったと」
「は?」
「ちょっ稚里静かに」
「璃亜武!!」

「えっと、その際に中に出したことで確実に妊娠したと結果が出ました」
「……え! 絶対にやだ!! 堕ろして、気持ち悪い」
稚里くんの言葉に琉架は青ざめていた。

「琉架」
「ごめんなさい」と震えていた。


「いちをΩが2人いて意見を聞くのも手だし番の璃亜武くんもいるから話し合いで決めた方がいいかと」
「質問」
「どうぞ」

「中絶を行った場合のΩの体は二度と妊娠はしないことになりますか?」
「そうですね、中絶の仕方にもありますが……」
「璃亜武!! 番解消して、僕以外となんて許さないから!!」
「稚里落ち着け」

「逆に問うけどどうして璃亜武はそんなに落ち着いてられるの?? 僕は子が産めないって分かってるからあいつに産ませようとしてるの??」


「子どもが産めないΩ?」
「要さんは黙ってて!!」

「いや、重要なことかもしれない、稚里くんは強いΩの影響で身ごもらない体質なんですよ」
「……」


「だからなに! そんなこと言っても仕方ないじゃん!! 僕にはどうしようもできないんだから」
稚里くんが叫んでいた。

「んーどうしようかね、琉架くんはどうする?」
「う、産みたい……璃亜武との子、でも要さん……」
「俺のことはいいよ、まずはその子を大事に育てよ」

「よくできた大人だ」
「ゴンお前喧嘩売ってるなら買うぞ」


「どうして……みんな琉架、琉架って僕のこともちゃんと見てよ!!」
「見てるよ、でも琉架はずっと苦しい思いしてきたから幸せになったほうがいいんだよ」

「なに、幸せって璃亜武がその子との子どもを授かればその子は幸せになるの?」
「稚里、運命の番だけど俺が一番最初に愛したのは琉架なんだ」
「ひゅっ……そんな酷いよ」
と稚里は部屋から出て行った。

さすがにと思いゴンが追いかけようとするが
「追わないでください、稚里は十分な環境で育ちました、だから今は……」
琉架が璃亜武くんの目の前に立つと頬を叩いた。

紅羽さんのもだったけどあれ結構痛い。
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